No.14 敵陣・突入
戦闘描写にするつもりが説明回に…
何故だ
─翌日─
俺たちは洞窟は前に来ていた。
マップを見ると……36個の赤点と3つの白点がある。彼らのデータを見てみると赤点は全て種族が人間、更には称号に殺人やら強盗の文字と来た。犯罪系の称号があると、始めは無条件で赤になるようだ。
残りの白い点は亜人となっている。狼人、犬人、そして竜人のようだ。こちらは称号に 奴隷(首輪)がある。
主人は『ティオール・メール Lv.30』、この盗賊団の頭だ。彼のステータスを見るとレベルの通り確かに強かった。ステータスは最低で600で最高が5100もある。
さて、彼らを殲滅しに行くか。俺たちは堂々と真正面から入っていく。
「誰だ!?」
敵の配置はこの部屋に33人、一つ奥の部屋に3人だ。奴隷達はまた別の部屋に居る。
声がしたと言うことはこの部屋の33人には気付かれたようだ。まあ、こんな入り方をして気付かれなかったら驚きものだが。
「ジャッカ、スグロ。頼めるか」
「分かった」
「分かりました……」
ジャッカとスグロにはここの全員を相手してもらうとするか。33:2の戦闘になるが、彼らにとっては丁度良いハンデだろう。
「行くぞ。3、2、1、ゴー!!」
一回やってみたかったんだよね、これ。俺は :隠蔽で自分の姿を隠しながら奥の部屋へと向かうとするか。
ドアを開け静かに体を滑り込ませる。そして、隠蔽を解除すると
「誰だ、お前」
この部屋にいた3人がすぐさま、武器を構える。思ったより反応が速い。とりあえず、取り巻きA、取り巻きB、ティオールと呼ぶことにした。
声を上げたのは取り巻きA、Lvは23だ。彼は2つ、スキルを持っているようだ。スキル名は〈金剛Lv3〉〈妨害〉だ。金剛はVITの上昇。妨害は敵が仲間を攻撃しようとした場合のみ、攻撃者の前に瞬間移動出来るものらしい。なかなか使い道の多そうなスキルだ。
取り巻きBもスキルを持っていた。彼女は〈ループLv.1〉の1つだったが、とても強力だった。なぜなら、効果がLvの回数分だけ触れたものの時間を5分ほど巻き戻せると言うものだからだ。欠点は効果を重複させることは出来ず、再使用時間が24時間とあったが、それを補って余りある。
最後のティオールはスキルを5つも持っていた。〈HP回復力上昇Lv.4〉〈MP回復力上昇Lv.7〉〈金剛Lv.1〉〈剛力Lv.2〉とユニークスキル〈救道〉だ。
剛力はSTRの上昇で、敢えて言うなら金剛の別バージョンか。てか、金剛のスキルLv全然上がってないな。防御は取り巻きAに全て任せているのだろうか?
ユニークスキルとは特殊な称号、スキルの複数獲得、感情の昂り……など様々な条件をクリアすることで得られるスキルだ。彼の場合は称号の獲得らしい。
何となく視てみると称号に〈盗賊団:救いの道-団長〉とあった。ユニークスキルの効果は<自らの思想を広め、共感した者からの好感度上昇>のようだ。
さらに魔法は別枠のようでそちらも見て驚いた。そこには〈火、水、風、土、光、闇属性魔法〉〈無属性魔法:影魔法〉と書かれていた。まず、六属性全てを覚えているヤツは少なく、無属性魔法はピンからキリまであるがほとんどが強力だからだ。
無属性魔法は六属性以外の魔法だ。ここからさらに2つに分類される。それは個人魔法と進化魔法となる。
個人魔法はその名の通り個人しか使えないものだ。例えば、物を操作する系統の魔法であれば“物の位置情報を操作して物を動かす”か“原子の組み合わせを操作して物の働きを変える”くらいで違うものもある。
進化魔法は簡単に言えば六属性魔法が進化したものだ。例えば、水属性の回復系統の魔法を使い続けたり、個人で工夫して使ったりすると〈水属性魔法〉の他に〈属性魔法:水回復魔法〉を覚えたりする。
彼が覚えていたのは前者で、進化魔法より強力な個人魔法だった。
不意に頭の中でAIじみた音が鳴り響く。
ピロン
[能力の解析が終了しました] [導化師による技術適応、調整の使用を確認]
やっと出来たか。今さらだが、俺は2つのERRORスキルを持っている。〈システムウィンドウ〉と〈導化師〉だ。
窓により能力を解析、保存、他スキル連結。そして、導化師による能力の適応。これで、相手の能力は俺も覚える事が出来る。
条件としては対象者を直接見るか、技を受けるかしなければならない。そして奪うんじゃなくてコピーではあるが能力の劣化はないので問題はない。
スキルはレア度や効果によってノーマル、エクストラ、ユニークに分けられる。が、俺の場合はスキルLvは無効化され俺本体のLvが適用される。
余談だが、この世界のスキルLvは最大50らしい。なお、改めて言うが俺は本体のLvが適用される。
あ、そういえば今回初めての対人戦だな。能力試しながら闘ってもみるか。今までステータス任せのぶん殴りしかしてないしな……
ま、まぁ、悲しい記憶は蓋をして今の戦いに集中しよう。
俺はこれから始まる戦いに思い馳せ身を委ねた。