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導化師は我が道を行く  作者: 錆腐短杖
異世界への旅立ち
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No.12 護衛・準備

 さて、先日ジャミレスさんから護衛の依頼を受けた。が、今俺たちはろくな装備を持っていない。自分でも地力で出来るが出来れば依頼を楽しみたい。


 なので、自分で作らず、能力にも頼らず、購入しようと思う。そう考えているとスグロから声が掛かった。


「依頼を受けたがいいが、今からどうするんだ。もし買うなら食糧と装備、後は……薬くらいを買ったらいいと思うけどな」

「そうか、買うならそのくらいか。よし、ならまず装備から買いに行って良いか?」


 4人に聞くと全員から肯定の言葉が返ってきた。もし行くなら防具屋からの方がいいよな。まあ、防具屋の向かいに武器屋があるらしいから迷うことはないだろう。


 10分ほどすると目的の場所に到着する。駆け出しの冒険者なら皮装備でいいだろうと思い全員分のレザーアーマー一式を購入した。


 武器屋ではまず、人数分のポーチとナイフ、紐ロープとランプを購入しておいた。個人の武器はそれぞれ別れて決めるとするか。


「それぞれの武器は自分で決めてくれ。だから、一度ここで解散にしよう。1時間半後にここで集合な」



 暫くして俺は盛大に迷っている。なぜなら、使いたい武器が特に無いからだ。まあ、気長に決めるとするか。



 ―2時間後―

 ちょうど2()()()()に俺たちは集合した。理由はヒースが時間に遅れたからだ。その時彼女が

「ごっ、ごめんなさ~い!」

 と言いながら慌てふためきドタドタ走ってきたので、少し和んだのは彼女には秘密だ。


 とりあえず、全員の選んだ武器を紹介しておこう。

 まず初めはスグロだ。彼が選んだのは身長に合わせたかのような大太刀だ。サブに短剣を装備しているが使う気は更々無いようだ。


 2人目はヒース。彼女は治癒術を使いやすいようにと杖を持っていた。本体の先にそこそこよい宝石を嵌め込んでいる。余談だが、宝石の用途は装飾品以外に魔法の発動体になるようだ。サブは持っておらず接近戦になったときの対処法を聞くと「この杖で何とかなるって」との一点張りだった。


 3人目はシェマだ。彼女はメインをダガーにするらしい。そして小盾を持っているのでもう片方の手に装備するのだろう。


 4人目のジャッカはどう戦うのか気になったので直接聞いてみたところ、袋を4つ取り出し「これが私の武器です……」と言い俯いてしまった。

 開けてみるとそれぞれの袋に

 撒菱(まきびし)、苦無、小型拳銃と予備の弾丸、ペン型無針注射型の毒針、が入っていた。

 何これ!? と思いジャッカの方を見ると「暗器です」と笑っていた。髪で目は見えないのに口が歪んでいるのだから俺が一瞬、怖!? と思ってしまったのは仕方ないだろう。


 最後に俺が選んだ武器を見せると、先程まで怖かったジャッカや他の3人も目を見開いていた。なぜなら俺の手には


 一本の木刀が握られていたからだ。


 当然4人は本気で心配して他の武器を勧めてくるので仕方なくガンレットを左手の分だけ買うことにした。スグロは「木刀は変えないのか……」と1人呟いていた。


 と、ともかく全員分の武器は購入できたな。後は薬なのだが正直に言うとヒースがいれば回復に関しては問題ない。つまり、実質今回準備するものは全て終わってしまったのだ。


 ここで思い付くのは至って純粋で素朴な疑問だ。それは「今から何をしよう」と言う何度もぶち当たってきた壁だ。常識的に考えて、この国を出るのだからこれまでに世話になった人への挨拶だろう。


 こうして1週間は瞬く間に過ぎていった。

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