No.- 提案・決定
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王と女神は話していた。其処は正に玉座の間と呼ぶのに相応しい場所だ。勿論人々の固定観念正しく偉い話し方が王、丁寧なのが女神だ。
「近頃、魔族共の進行の具合が早くなってきたな」
「ええ、そうですね」
「そこで我は“集団転移の秘匿術”を使用したく思う。そなたはどう思われる? 女神どの」
「恐れながら進言させていただきます、王よ。私はその判断に深く同意致します。私にとっても、あなた様にとってもヤツらは目障りな存在。ここでの抑止力としての召喚はとても効果的に思えます」
ここで王は機嫌を良くしたのか、はたまた元からこのような性格なのか大きな身振りをしながら笑い、
「そうかそうか、女神どのからもそう言っていただけるのは誠にありがたい。では早速取り掛かるとしよう」
王は玉座の間で家臣に伝令を伝え、女神は扉の方へと悠々と向かっていく。
「「フフ……」」
両者の笑い声がこの広大な空間に静かに消え去っていく
翌日、ミンガラム帝国・デスクテアに“勇者召喚”という単語が響き渡ることとなった