表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死後残業。  作者: 口無為人
1/3

第1章 1節 死んだら社畜にジョブチェンジしたんですけど?

※魔法世界です。

ほぼ現実と変わりませんが、魔法があります。魔物が出ます。

 僕は孤高の剣士でした。

 悪く言えば一匹狼のぼっち剣士でした。

 さらに追加情報を書き加えるならば、魔法で戦うのが主流である世の中で、魔法がへたっぴすぎて剣に頼る出来損ない魔法使いの成れの果てでした。


 で、この前、死にました。


 いやぁ、ぽっくりでしたよwww

 その三日前ぐらいに斬った魔物が、実は仕留め損なってて、恨み買われてたんですね。後ろからズバッとやられましたわwww

 もちろん、ぼっちですからね。だーれも助けは呼びませんでしたね。


 俺、結構な人を救ってたと思うんだけどなぁ……。


 まぁ、こうしてぼっちの固有スキル、自分語り~脳内再生Edition~を発動させてるあたり、死後の世界ってあるらしいですね。

 いやぁ、面白い面白い。

 周りにゃあ神っぽい人一人以外誰もいねぇよさすがぼっち!!


 ……って、は!?神っぽい人?

 俺、宗教入ってない人ですよ?どうすんだよ俺、宗教入らずに、神にも見捨てられてるとか言って被害妄想してたのに神様いてくれちゃってどうすんの!?俺のぼっちに理由がつかないじゃんか!!(ええ分かってるよ、分かってるよ!俺がぼっちなのは神様のせいじゃないですよ!俺のせいですよ!コミュ障だから友達出来ないんですよ。知ってますよ…。わざわざトドメ刺しに来ないでよ……せめて"人"いてよ。俺ぼっちじゃないよって死んだあとぐらい慰めてくれよ……。)


「え…、あの……。」

「ファッ?!あっ……。」

「…………。」

「…………。」


 …………………………


 なんか喋れよ!!!(ブーメラン)


 なんでこの神様(何故か断定)何も喋んないんだ!?(ブーメラン)なんでこの人神様のくせに死人の男の子(17歳独身、俺。)を目の前にして声かけずにモジモジしてんだ?(ブーメラン)ははァん、さてはこいつぼっちだな?!はっはァ!ざまぁみろwww(超特大ブーメラン)


 で、この人は俺に何かあって声かけようとしてるんだよね?じゃあ俺ここで頑張って声とか掛けなくていいよね?声掛けて俺に用なかったら赤っ恥だもんね?


 ただ、話しかけるのが嫌なのと、過去のトラウマを引き摺っているだけである。


 まぁ、俺しかこの場に居ないので用があるなら俺だろうし、今バッチリ目が合ってるし。

 つーかよく見るとこの神様可愛いな。目でけぇし顔ちっさいしまつげ長いし。ショートヘアがよく似合ってる。こういう人ほど男だったりするだけど……。ちらっ。うん。そこに山はふたつあった。


 閑話休題。


 声を……掛け……ますか…………はぁ。


「えっと、俺になんか用ですか?」明らかに神ちゃんはビクッとした。いや、すんなし。


 すると彼女はおずおずと口を開き始めた。


「え……用があるのはあなたじゃないです…………。」


 ん?


 え?


 ヴァァアァアアァアアァァァァァ!!!!!!


 俺は膝をつく。豪快に。

 全身から魂が抜けたかのように。めっちゃ膝痛い。

 ショック死しそうだ。またぽっくり。

 死んだのに神にまた殺されるの?いやいや勘弁してよ。

 今度の死に方偉く無様じゃねぇかおい?


「すみません……冗談です……。」

「あ?」

 キレてふと見ると、真っ赤になって申し訳なさそうにもじもじしていたので、怒る気にもなれなかった。というか、初対面の人に対してブチギレられるほど俺のコミュニケーション能力は達者じゃなかった。


「で、どんな用なんですか?」

 訊くと、

「はい、あなたは親御さんより早くお亡くなりになりましたので、あなたが地獄へ送られることが決定しました。その事を伝達にまいりました。」

 さっきまでのオドオド感どこ行った?いきなり饒舌かよ。

 って、親不孝?親不孝も何も…


「俺孤児で親なんていないも同然なんですけど、地獄に落ちるんすか?」

「え……。」

 この人マニュアル以外出来ない人なのかな?

「少々お待ちください、確認して参ります。」

 そうではなかった模様。俺が孤児なの知らなかったみたい。そしてこの人神じゃなくてどっちかと言うと神の使いかな。

「確認したところ……」

 え、どこで?どうやって?振り向いて固まってたけど?神ってテレパシー使えんの?なにそれすげぇ。

「賽の河原の石積みの必要は無いようです。」

「はあ。で、俺どうなるんですか?」

「手続きミスがありましたので、サービスとして、現世に残れることになりました。」

「?具体的にどうやってですか?」

「幽霊として現世に残って貰います。」

「またぼっちかよ……。」

 参ったな。

「いえ、1人ではありません。」

 私が一緒です、とか?www

 夢見んなクソぼっち!

「ほかの幽霊の方と一緒です。」

  「ぼっちだよ!」

 ぼっちじゃねぇか!仲良くなんてできんわ!生きてる間も出来てねぇんだから出来るわけねぇじゃん!

「現世で働いて頂くんです。」

 ……働くの?死んだのに?血も涙もねぇのか!?つーかサービスどこ行った!?

「あ、ちゃんとお給料も出ますよ?」

 あ、こいつ俺の表情でガッカリしてること悟ったな。

 つーか、嬉しくねぇよ!給料嬉しくねぇ!だからってタダ働きも嫌だけど!

「で、給料って具体的に何が貰えるんですか?なんかに使えるんですか?」

 直ぐに反抗しないあたりコミュ障だなぁ俺。

「はい、お金です」

「死んでるのに何かに使うんですか?」

「?生きるためには必要でしょう?」

「いや俺死んでるから。」

「死んでいてもお腹は空きますよ?」

 絶句。

【悲報】俺氏、死後社畜にジョブチェンジ

 「あの、これって1つの地獄って認識でいいですか?」

 「……。」

 黙った。沈黙は肯定だよな。


 ……かくして、俺の地獄は幕を開けた。

初心者ですので、下手でも許してください。

まず、読んでいただけるのかしら……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ