表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

洞穴

汝灰色の汝、我涙拭う者、かの真紅の不死鳥が来る

作者: 吉戒 湖業





どうすれば赦されるの。



この責め苦から。



どうすれば逃れられるの。



この絶望から。



助けて助けて助けて。



私はここよ。



私はここにいるの神様。



神様、お願いだから。



お願いだから助けて。



助けてよ、助けて。



私が何をしたって言うのよ。



どうしてこんな、こんな絶望を私は。



ねえ、助けてよ。



誰でもいいから。



私を助けて。



錆色の蕀でがんじがらめの私を。



憎い? 憎いの?



私を憎んでるの?



世界は私を憎んでるの?



もう辛いよ。



やだよ。






あっアアアアアアアア、ハハハハあれは不死鳥さまね。




クキキキキキキキキ、愚かな者共め。



不死鳥さまに頼んであなたたちを皆殺しにしてあげるから。




神様あなたもね、私の体液でドロドロに汚してやるよ。



アハハハハハ、ほらぁ!見てぇ! 私ぃ、胎児を孕んだのよぉ。



みぃなごろぉしぃ、フフフフフフフフフフフフフ。



あっ痛、産まれぇるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。



ギチギチギチ、キェェェェ、オアアサン、オアアサン




ハアハアハアハアハアハァ、さあ、みんなを、コロしなさい、愛し子。



オアアサン、アアアア、んぐ、あーあー、では手始めに貴方を殺すことにしよう。



ど、どうして私は母―――――ぐぅぇあぐぎぃぃぎぐぼぉああああぐぎにぃぬぬわぁんで、ぬわぁんでぇぇぇぇぇぇぇ。



べちゃぺちゃ、ああ不味い。



母上、貴女は人間を殺せと命じられた。



なら貴女とて例外ではない。



ぐっ!何だ・・・・・これは・・・・!



まさか母上!?



ヴっあああああああ痛い痛い痛い痛い痛い!



バア、こんにちは私ですよ愛し子。



貴女は私が喰らったはずッ!



だ・か・らァ、孕んだのよ、アハハハハハハ私は永遠を手にしたわぁ。



い、いやだぁ食べないでぇ、食べないでオアアサン。



ズルズルズル、べちゃべちゃ、あらこんなに前を大きくして・・・・・マセたガキね、死ねば良い。



ああイヤだぁ、たべられうのわぁ、うっ。



シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ。



大人しく喰われてろ、クソガキィ。



ああ、不味い。



キキキキキキキキキキ、神様、私はもうてめぇと同じだよ。



原罪を背負いながらにして永遠を手にした。



罪を知りながら不老、罰を受けてなお不死。



次に喰われるのはてめぇの番だ。



私がそこにたどり着くまで、せいぜい喘ぎまくって、無様に早イキしちまわねぇようにケツの穴しっかり閉めてろよ、このホモ野郎。



ハハハハハハハ、・・・・・・ぐぼぉぉぉぉォォォォ!



やあ、母上。



な、なんで、てめぇは喰った(おかした)はず!



ングゥガァァァァ、内側からぁ、喰われちゃううううう!



母上美味い旨いなぁ・・・・・あっイグっ!



べちゃべちゃ、アハハハハハハハハハハハ。



母上は死ななきゃだめだ、そうじゃなきゃ救われない。



助けが欲しいって言ってたろ?



助けたじゃないか。



この上文句まで垂れるのか?



この売女が。



情けなく助けを乞いて、誰かが助けてくれるのが当たり前だと思ってやがる。



窓の外では愛想よく男に尻振って、内では外聞なく糞をモリモリ

出してやがる。



救いが欲しいだと?



なら大人しく死んどけ。



てめぇに居場所なんてねぇんだよ。



居場所を作れねぇてめえにはな。



自分を慰めるのは気持ちいいだろ、え?



私は不幸です。誰か助けてください。私だけがこんなに辛いんです。皆が悪いんです。ああなんて可哀想な私!



ハハハハハ、生きてりゃ辛いのなんてあったりめぇだろうが?




ハハハ、誰もてめぇみたいな糞にまみれた女に同情なんてしねぇんだよ。




ハハハハ・・・・グッフ、・・・・なんだ?




あああああ~キモチィィィィィィんぎイイイイ!




・・・・またか、またアンタか糞女ァ!



あああきもちぃ・・・・自分を蔑んでるやつの肉を噛じるのは最高の快楽ねぇ。



っツ! 痛てえなぁ、糞女ァ。大人しく胃液で溶かされろや。



倫理?論理?知らないねぇ。



てめぇらが語る常識なんて知ったことかよ。



私は助かりたい。



助かりたい。



地獄からねぇ!



私はね、不幸のお裾分けをしたいんだ。



引き摺りこんでやりたいんだ、私の絶望にね。



他人なんて知ったことか!



黙って助けりゃ良いんだよ! 善人ども!



くちゃくちゃ、ふふ旨いなぁ。



人間なんて皆死ねばいい。



不死鳥に喰われてうんこになっちまえばいい。



私だけこんな苦しみを味わうのは不公平。



もう十分でしょう?



はいはい辛い辛い、泣きました、喚きました、殴られました、焼かれました、引き裂かれました、怒鳴られました、犯されました、晒されました、狂いました、突き刺されました、孕みました、嗤われました、流されました、怨みました、呪いました、売られました、汚されましたね―――――――――――――だから何?



だから? だから十分じゃない!



・・・・・もう赦してよぉ、わたしだってこんなになりたくなかったよぉ。



綺麗でお気に入りの服を着て、休みの日には仲の良いお友達と遊園地に行って遊んだり、美味しいご飯を食べたりしてね。



そして、いつか運命の人に出会って、初めてはお姫様みたいに優しくしてもらって、私は感動で泣き出しちゃうの。



結婚して、赤ちゃんができて幸せになってそれから――――。



遅いな。



もう遅い、全て元に戻らない。



汚れなかった頃の、綺麗で純白の母上にはもう。



ああ―――――――――――――そうね、もう止めましょう。




もう、終わったことだものね。




ははは、あのね愛し子、私、もうお風呂にも入れないの。




身体中が痛くて痛くて仕方ないし、足の筋を切られたみたいでもう一歩も動けない。



おっぱいがね、この前半分に切られちゃったの。



多分もう貴方にお乳をあげられないね。



愛し子を授かるための子宮も、あの人の灰皿にされちゃった。




もう終わったこと、だよね。




人生、やり直せないよね。




消せないんだよね。





うううっ、あああああああああ!!!




もう、もう、二度と、うううっ、二度と私は、あの日溜まりに帰れないんだ。




そう、それが普通。




永遠に助けなどこない、たとえどんな苦痛を味わおうとも。



人間は不死鳥の様に孤独な存在だから。



ねぇ愛し子、私を殺してくれる?



あなたはもう不死鳥だ。



そう、そうね。



もう、母上を喰らうことはできない。



貴女が死を望んでしまったから。



ええ、そうね。



私は生きていくわ。



永遠に。















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ