97話 伝説の英雄ララとルル?
いやそれテンプレの料理無双じゃないから、
確かになろうではよく料理で無双するんだがそれは比喩であって本当に無双(魔物退治)してどうすんの?
「ところでパラパライス湿原地帯のパラパライス水田って何?」
「王都領に在る湿原地帯よ、そこを開拓して作ったのがパラパライス水田よ、この国が出来る前に私のご先祖様のララ・ミネスが開拓した一大農業地よ」と胸を張って答えた。
「ん?セフィリスじゃなくてララ・ミネスなの?」と言うとララさんの機嫌が少しだけ悪くなった、拗ねたという表現の方が適切かな、よく見たらルルさんもシシリーとナナリーも。
「そうよララ・ミネスよ、ララ・ミネスの率いていた緑の翼が最初にパラパライス湿原地帯でパラライズスネークを狩りまくってパラパライス水田を作ってたのよ、それで潤って人が集まり、それが広まって別チームのレーナ・マニャ率いる【紅の炎】が参加してそこに商人のデーブ・トルネがやって来たのよ」
「それでパラパライス水田でサリアイネを育ててデーブ・トルネがそれを売り麻痺治しの薬を買い漁りパラライズスネークを更に狩りまくってたらデーブ・トルネが集めて来たのよアイナ・アルナ率いる【お転婆】デール・ライア率いる【黒獄の壁】ハルト・クリフの参加する【最強の男ダニス】だったかしら?そし……」
「あれ?ハルト・クリフがリーダーじゃ無かったの?」
「ええ当時はまだ14歳で【悪しき風】は持ってたけど【聖なる風】を覚えて無かったから全く知名度が無かったのよ、当時のハルト・クリフはチームリーダーのダニス?に奴隷の様に扱われてたわ、勿論最低保証の無い当時の奴隷扱いね、それで【悪しき風】の有効性に気付いたララ・ミネスが引き抜いたのよ、武力で」
おい武力で引き抜くな、話合え。
「そして遂にセフィリス・アベルがやって来たのよ」
「それでセフィリスがパーティーリーダーになってランク3を攻略」
「それでアベルサリアが出来たのよ、だからこの国の人達はパラパライス水田を取り戻す事を夢見てるのよ」
「そうでしょ?ミミ―、ラビ、ビビ」と、
「「「はい」」」と3人の兎人族が答えた。言わされたという感じでは無い本気で言ってる様だ。
「今思えば【神衣】でララ・ミネスがメンバーの麻痺を無効にしてパラライズスネークの麻痺攻撃をあえて食らい【麻痺耐性】を覚えていたんでしょうね、じゃないと麻痺治しの薬が足りないもの」とララさんが言うとルルさんとシシリーとナナリーが不思議そうにした。
「どういう事なのお姉ちゃん?」とルルさんララさんに聞いた。
「どうやらご先祖様のララ・ミネスのユニークスキル【神衣】の能力は自分の状態異常を防ぐだけでなく、魔法耐性も上げる上に仲間にもその効果を及ばせる能力だったのよ」と言うと3人が驚いた。
「それは本当なのお姉ちゃん?」とルルさんがララさんに聞いた、
「ええ、それが【神衣】の能力よ、ユウのスキルの効果を見る力で分かったのよ」と言うとルルさんとリサちゃんが納得し他のメンバーは驚いていた。
「話し戻すがそんなに麻痺治しの薬は手に入れられないの?」
「ええ麻痺治しの薬はランク3のパラライズバイパーがそれなりに落とすのよ、だから限られた人達でしか倒せないからそれなりに落としても数が足りないのよ、万能薬に至っては新しいダンジョンを見つけない限り入手出来ないと言われていたほどよ」
「それなのにパラパライス水田作戦に参加した多くの人が【麻痺耐性】を手に入れてたっぽいからおかしいとは思ってたのよ、もしかしたら名前も残っていない英雄が居たんでは?と言う説が有力だったし」
そう言えばこの時代は口伝で伝えられた話しか残ってないんだったな、
「そんな説が有るの?」
「ええ、伝説の8番目の英雄、当時は6英雄のスキルすらまともに考察されて無かったから、その英雄のスキルは見ても分かりづらいスキルで人知れず効果を発揮してたって説が濃厚だったのよ、そのスキルが発動してて麻痺耐性を皆手に入れてたんじゃないかと言う説、仲間全員のスキル自体を覚えやすくするスキル、
スキルの中のスキル、スキルの王様ってね」とララさんが笑いながらそんな都合の良いスキルなんて無いわよって感じで言った。
「いやそのスキルの王様ララさんルルさん覚えているよね?」
……、
「「あっ」」とララさんとルルさんが言った。
「ち、違うの、そうじゃなくて……、確かに言われてみたらそうだとも思えるけど……、でもほら貴方が居ないと意味無いでしょ?だからスキルの王様は貴方で私達は……その……」とララさんが混乱した。
「スキルの王様の妻」とルルさんが顔を赤らめ手で顔を半分隠しながらボソッと言った。
「ちょ、ルル」
なんかララさんがわちゃわちゃと言うかピヨピヨと言うか焦って手をばたつかせている。
何を両手でガードしているんですか?ルルさんもしゃがんだり、まあ気持ちが分からんでもないが照れすぎだろ。
……、
「という訳でルルの料理で【麻痺耐性】を付けて挑む予定なんだけど」と落ち着きを取り戻したララさんが仕切り直しだした。
「問題が有るのよ、パラライズスネークはランク2の魔物で弱い方には違いないんだけどそれでもラビは当然ビビの5、4、3やルーク君の4、5、4の様に悪いパーティー能力では【麻痺耐性】持ちでも勝ちづらい」
「それなりの…‥そうねちからすばやさたふさの合計が最低でも14安定の為にも15は欲しい所ね」
「でもそう言う人達は騎士だったり冒険者でもオーク狩りとかで必要な仕事に就いてるから集めにくいのよ」
「無論【母親似】を付けたら大概の人は15は超えれそうだけど、だからと言って今すぐ【母親似】の付け方をばら撒いたとしたら王族の権威が急に無くなるから下手したら戦争も有り得るわ」
ああそうだろうなと言うか時間掛ければ権威を保てる方法有るの?すごいねそれ。
「鋼で補うも出来そうだけどこれは大分時間が掛かりそうだし……何か無いかなユウ?」
ムチャぶり来たあ。
「それは数人って意味じゃ無いよね?」
「ええ、全人口的な話よ」と、
ですよね数人なら振り込める事知ってるララさんが聞く訳無いし、シシリーナナリーも何も言わずにしれっとしているし違うわな、
後何気にパーティー能力の事は黙ってろって意味も込めてますよね?
「あの……」とルーク君が右手を上げて発言の許可を求めた。
「ルーク君何?」とララさんが期待の目で訊いた。
「いえ、あくまで可能性何ですが」とルーク君が、
「ええ、勿論可能性でいいわ、教えて」とさらなる期待の目で見た。
おい、追い詰めるな、気持ちは分かるが、
「もしかしたら……パーティー能力を上げる様な装備品とかある可能性が有ります」と、
えっ、そんな物は無いって前に言われたんだけどララさんに?
ララさんも驚いている、
「どうして?そう思うの?」
「新しいジョブの錬金術師、これの【道具生成】で新しい防具が出来るかもしれません」と、
はい?新しい防具?どういう事?




