96話 テンプレ料理無双?②
「何で早いと役に立たないの?」と聞いたら、「ちょっと待ってまずこれを調べるから」と、
「鑑定」とララさんが言い、痺れ治し丸を鑑定している。
「成程ね痺れ治し丸ね」
「それとMPの減り具合はどうなの?」とララさんが聞いてきた。
ステータスを開いた。
レベル 3、15才、人間、男、なし、
HP 680/680 MP173/173
攻撃力 86 防御力 48
ちから 171
すばやさ 171
たふさ 170
きようさ 170
まりょく 173
かしこさ 172
せいしん 171
みりょく 170
経験値 374
次のLVUP 326
「減ってないね、今MPMAXだから」
「そう、じゃあリスク無しなのね、やっぱり使えないわね」とララさん。
「それってどういう事ですか?」とルーク君が聞いてきた。
「ユウの力で新しいジョブが見つかったのよ」とララさんが言うと全員が驚いた。
「それでそのジョブの名前が薬師と錬金術師、で薬師が薬つまりポーションなんかを作れるジョブなのよ」これにも皆が驚いた、いやさっき痺れ治し丸を作ってたでしょ。
ルーク君が目を輝かせている。
「そしてジョブスキル以外に種族スキルと言うのが有って私達人間族は【簡単調合】と言うスキルを持っていて、それは薬師と錬金術師のランク3までの【薬調合】と【道具生成】を生産出来るのよ」とララさんがルーク君に教えた。
「それは本当ですか?」と、
「まだ確定では無いけどね」とララさんが言うとルーク君が「それなら確かに早すぎますしMPの消費も無いだと困りますね」と、
「生産と言う職種に期待していたんだけど早すぎてね」
「そうですね、冒険の片手間に出来てしまいますね、採取依頼は需要が有っても生産依頼の方は無いでしょう、残念です」とルーク君、
「でも、少しはましになるわね」とララさん、
「悪徳農地主も減るかもしれません」とルーク君、
「それは無理ね、流石にそこまで採取依頼に流れないわよ」とララさん、
「ご免、話が見えない」と素直に分かりませんと告げた。
「御免なさい、簡単に説明すると、この世界の庶民は冒険者か商人か農業に就くのよ、で商人に成るには【鑑定】が要るから無い人は冒険者か農業に就くのよ、その農業にも上下関係が有って先ず上が貴族、その貴族が自分で指揮して農業させるのと商人に土地を貸して農業させるの2種類が有るのよ」
「それで貴族から土地を借りて庶民に農業させる人を農地主って言うんだけど大概クズが多いのよ」とララさんが言った。
「貴族から仕事を貰う人は元貴族の農族か退役した騎士の農士何かが多いけど普通の庶民は小作人て言うのよ、農地主から仕事を貰う人は庶民の小作人だけよ」
「貴族から仕事を貰う人は大概ちゃんとした給金を貰えるのよ、当たり前よねその仕事をさせるのは元貴族や元貴族だった元騎士の農士も要るんだし、それに庶民も自分の領民なんだもの、ちゃんと給料払って守るわよね」
「だけど農地主から仕事を貰う人はまともな金額を払って貰えないのよ」
「それは何で?」
「何でって安くすれば安くするほど儲けが出るからよ」
「貴族の場合は植える作物も食料として使う、だから栄養価の高い小麦や大麦やジャガリー芋やリルの葉を主軸に育てる、無論疫病に対しての多種化もするわ、つまり貴族が作る目的は領を守るだから領民を豊かにする、だから給金も当然普通に払うわ」
「だけど農地主の目的はお金を稼ぐだから削れる出費は削るって考えになるのよ」
「いやそんな事すれば誰も仕事しようとは思わないでしょ」と言うとララさんが暗い顔をした。
「そうね、でもねそんな仕事でもしないと生きていけないのよ」と、
「どうして?」
「辞めても他に稼ぎ様が無いからよ」と、
「パーティー能力が悪い人が居る、その人はダンジョンで稼げない、だから農地主から仕事を貰う、でもそんな人達が農地主が求める人数よりはるかに多い、だからお金が本当に低くてもする人が居るのよ」
「そうよねラビ、ビビ」とララさんがラビとビビに聞いた。
「「……はい」」と暗い声で返した。
「それも使い捨て気分でね」
「そんなに酷いの?」
「ええ、だって死んでも代わりは居るから、それどころか死んだ方が役に立つとまで思ってるくらいよ」
「いやそれは言い過ぎじゃ?」
「それが居るのよ、小作人になるのがパーティー能力が悪い人、なら死んだらパーティー能力の平均が良いものが増えて良くなるって考えを持ってる人が結構いるのよ」
「何だそれ?野菜がってか人口に対して農地が少ないからこうなってるんでしょ?それなら子作りを規制したら……」
「子作りを規制したらパーティー能力の高い人まで減るわ、そしたら魔物が街を襲ったら抵抗出来ずに全滅するわよ」と、
そうか魔物がいる世界だったんだ、確かに子作り規制したら戦える人間まで減る、
マジでどうすればいいんだ?
「だから貴方にリーナを嫁に貰って欲しいのよ、そして【母親似】が庶民全てにも有る世界に」と、
……マジで子作りが仕事だな。
それも世界を救うという仕事、何このエロゲーレベルの状況は?
「勿論それだけに期待して待ってるだけじゃ無いわよ」と、
「それが新たな農地の開拓」とララさんが言うと静まり返った。
「計画はこうよ、先ずルルにパラライズスネークの毒腺を使った料理を作って貰います、麻痺にならない様に麻痺中毒にもならない様に調整しながら、無論失敗したらユウの作った痺れ治し丸で治します」
パラライズスネークって本当に居たんだ。
「そして上手く行ったらその料理を王領の騎士団の食堂で出します」
騎士団員逃げてえー。
うわっ、何そのマッドサイエンティストみたいな考え方は?
シシリーとナナリーが目を輝かせている、うわっララ教の信者だ、ルーク君を見たら同じ様に輝かせている、あれリサちゃんも?ミミ―、ラビ、ビビも同じ様に輝かせている。ルルさんを見たらよし頑張るぞみたいに気合が入っている。
あれ?俺がおかしいのか?
「そして【麻痺耐性】レベル2を覚えたら……」ララさんが溜めてる。
「ランク2のフィールドのパラパライス湿原地帯のパラライズスネークを狩りまくります」と言うと皆が昂奮しだした。
「そしてパラパライス水田を取り戻します」とララさんが言った。
皆が喜んでいる、ミミ―達兎人族も、
「名付けて麻痺耐性料理でパラライズスネーク狩りよ」とララさんが胸を張った。
……、
俺の知ってるテンプレの料理無双と違うぅ。




