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95話 テンプレ料理無双?①

 「そんなにルルさんちゃっかりなの?」

「まあ人から見たらちゃっかりしているように見えるのよ」

「そんな事無いです、普通です」とルルさんが言った。

「その普通が凄いのよ」と、

「去年この町で豊作だったから豊作祭した時にね、オークの肉とチャムチャの実のスープをルルが売りに出したのよ、これがすごい人気になって初日から凄い行列が出来たのよ、それでそのオーク肉とチャムチャの実のスープを真似る人が出て来てたのよ、それも5店舗も」


 「そしたらルルはパンを売りに出したのよ、『オークとチャムチャの実のスープに浸して食べると美味しいパンはどうですか?』と言ってね、でこれが大当たりしたのよ」

「だって5店舗もライバルが現れたら売れ行きが6分の1になるから仕方ないじゃない、変えて当然でしょ」とルルさん、

「売り物を変えては駄目って言って無いわよ、それが明らかにライバルの5店舗のオークとチャムチャの実のスープを利用してパンを売ってるからちゃっかりしているって言われるのよ」と、

「それはオークとチャムチャの実のスープにパンが合うからで」とルルさんが反論、


 「それに売り子を可愛い8才位の子供達で固めて祭りだからという事もあって皆普通よりちょっとだけ高いパンでも買ってくから結局ルルの一人勝ちみたいになったのよ」

「それは子供達も祭りを楽しめるようにお小遣い稼ぎ出来る様にしたかったからで」

「ライバル店の5店舗のすぐ近くに子供達は待機させて?それも女の子は男の冒険者に、男の子は女の冒険者に極力話しかけなさいと言っておいて?」とララさん。


 「それはその方が売れるからであって」とルルさん、

「その辺全部ちゃっかりって言うのよ」


 うん、ルルさんちゃっかりだわ。

ただ異世界関係無いね、それだと普通に商売上手い人でしか無いわ。

普通にただの商売で勝ってどうするんだ、外連味が全く無いな、

そこのテンプレ守れや。


 「こんな女駄目ですか?」とルルさんが上目使いで聞いて来る。

「いや普通に商売上手いってだけだから何も問題無いよ」

「あら?何か残念そうなんだけど?」

「いや異世界要素が無いから」

「異世界要素?」

「例えば、ブロックタートルの串焼きでたふさを一時的に10上げるとかパラライズスネークの姿焼きを食べて【麻痺耐性】を入手とかそういう異世界でしか有り得ない要素が欲しかったなと」


 するとララさんルルさんルーク君が驚いた。

それは見事なまでの驚きっぷりだった。今までで一番驚いたんじゃねえ?


 「ルル地図を!」とララさんが叫んだ。

ルルさんが地図を取りに走った。

「ラ、ララ様」とシシリーが心配そうに声を掛けようとしていた、

「貴方達も来なさい」とシシリーとナナリーを呼んだ、

「リサも行く」とリサちゃんも来た。

あれ?なんかすごい事になってない?


 ミミ―、ラビ、ビビはどうしていいか分からない様だ、

「3人もおいでよ」と言ったら3人がおずおずと来た。

うん良く分かって無い仲間を増やした。

ララさんがこっちを見た、だが何も言わない、呼んじゃあ駄目だったのか?


 部屋の真ん中の丸テーブルに地図を広げてその周りを皆で囲んだ、

何か戦争前の作戦会議みたいな雰囲気になっているんですけど?


 ララさんが「ルルどうなの?そういう料理を作った人って居るの?」とルルさんに聞いた。

「試した人は無論今までに何人も居るわ、歴史上で考えたらそりゃあ何万人にもなるわよ、でもバランスがすごく難しいから上手くいかなかったのよ、精々歴史上で数100人程、一時代だと10数人が麻痺耐性を持てた位よ」と言うとシシリーとナナリーが驚愕した。

そして物凄い真剣になった。

今更ただの冗談だよとは言えない、どうしよう?


 「だって毒を食べるって事になるから、麻痺耐性が付かなくて麻痺中毒になる人とかも出たわ、光沙(みしゃ)の花や麻痺治しの薬や万能薬を飲めばそれを治せるけど高いから、でも旦那様はその麻痺治しの薬や万能薬自体を作れるんでしょ?じゃあ……」

シシリーとナナリーミミーとラビとビビが驚いている。


 スルーで、

「ちょっと待ってまだ確定では無いぞ」


 「作れはするんでしょ、じゃあ材料は?」とララさんが物凄く真剣に聞いて来る。

「えっと……」

メニューで生産を開いた、そして麻痺を治すやつと念じると、

生産一覧に、痺れ治し丸、麻痺止め、麻痺消し、下級麻痺治し飲み薬、麻痺治しの薬、渋茶、ドクターM、麻痺治し煙玉、癒し煙玉、麻痺治しの笛、もっともっと、光沙花巫女、光沙花うどん、下級万能薬、Mの下着、麻痺消しの腕輪、はしゃぎ靴……だから多いって、

この世界のアイテムとかスキルって無駄に多いんだよな、何でだろ?


 取り敢えず痺れ治し丸を、


メチャの葉1つ、タタ草1つ、おから1つと出た、

「メチャの葉とタタ草とおから1つずつだね」

「タタ草は買ってきたわよね?メチャの葉はルルが育ててたわよね?後はおからよね、誰か持ってない?」とララさんが聞いたらラビさんが「持ってます」と答えた。

ルルさんがメチャの葉を取りに行った。


 「良く持ってたわねおから何てゴミアイテムを」とララさんがラビさんに聞いた。

「はい、食べて飢えを誤魔化せるので」とラビさんが言いながらおからを袋から出した。

「やめなさい、おからは栄養が無いのよ、それなのに消化するにも力が居るから食べたら食べただけ死に近づくわ」とララさんが言ったら、「はい」とラビさんが暗い顔で答えた。

いや、おから栄養無いのかよ、それおからじゃないじゃん、何でおからにした?


 ルルさんがメチャの葉を持ってきた、鮮やかな黄色の葉っぱだった、すっぱそう。

「じゃあ取り敢えず3つ程作ってみて」とテーブルに、メチャの葉10個位、タタ草30個位、おから一盛りが置かれた。


 ……、


 じゃあアイテム欄に収納、

テーブルに置かれた3つがすべて俺のアイテム欄に収納された。

それを見た皆が驚いている、ララさんもかすかに驚いている

アイテム欄にメチャの葉10、タタ草30、おから53と表示された。

ちょっと待ておからの数が多すぎだろ?

何であれだけの量で53個分なんだ?あの量で53なら親指の爪位で1個なのかよ。


 まあいいそれは後回しまずは生産しなきゃ。

生産を開き痺れ治し丸を開き生産と念じたら個数1個と大きく表示された、3個と念じたら画面に3個と表示された、じゃあ生産開始。

画面に小さなウインドウが出て来てその中に2~3頭身の俺がハンマーで物を作ってる。

カン、カン、カンと、そして終わったようだ、この間数秒。

ぱんぱんぱぁっぱあっぱーぱっぱっぱあぁー

ユウ・ミヅキはレベルが上がった、

おっレベルも上がった、生産でも経験値が入るのか、

まあレベルの事は後回しだ、


 痺れ治し丸出ろ!と念じた、

手のひらに痺れ治し丸が3個乗っている。子供の頃夜店で売ってた1個30円の飴位の大きさだ、この形の為のおからだったんだ。色は黄色、まあ団子だからレモン味では無いだろう。


「出来たよ」と言った。

それはそれは見事に皆驚いている。

ああっ、やっとちゃんとしたテンプレが出来た。


 「何よその速さは!」とララさんが驚いている、

早いよね、正直俺も驚いた、でもゲームならよくある速さなんだ、

でもこの早さなら直ぐに沢山作れるから役立てれるよ。

これでよくある生産テンプレが出来た。よしこれからはテンプレ祭りだ頑張ろう!


 「早すぎるわ、これじゃあ役に立たないわね」とララさん。


 ……、


 えっ?何で早いと駄目なの?

まさかのテンプレ失敗なの?


 意味が分からないぞ?

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