86話 伯爵家の立場
第4夫人シシリーと第5夫人ナナリーを手に入れた。
そうか……そうなるのか、
抗えないよね?いや抗う意味がない、
地球の倫理観で少々困ってるだけで別に損する訳じゃない、それどころか圧倒的に得をする。
こんな美人達を嫁に出来るのだから。
それこそ一カ月もたてばもっと嫁が欲しいとか言ってそう。
この感情は今だけだろう、慣れてきたら奴隷ハーレム作ろうとするかもしれない。
「って事でシシリーとナナリーは俺のお嫁に成るんで良いんだね?」
「「はい、どうか末永く可愛がってくださいませ」」とシシリーとナナリーが返した。
なんか違くね?嫁になる者が夫になる者に言うセリフじゃ無いよね?そのセリフは普通は性奴隷がご主人様に言うセリフだよね?酷い事はしないでくださいという気持ちを込めて。
「本当にいいの?俺なんかで?」
「ユウあんまり遜ったら逆に嫌味になるわよ」とララさんが言った。
「こちらの世界じゃパーティー能力を上げれる人間なんていないんだから」と、
そうなんだろうけどどもそれって俺の能力じゃないからな、調子に乗れないんだよな。
「「こちらの世界?」」シシリーとナナリーが不思議そうにしている。
そりゃあそうだろ、速攻気付くララさんがおかしいだけで普通は異世界人だって言う発想にはならないよね。
「処で貴族って皆自由恋愛出来ないの?それでよく不満とかでないね?」
よくそんな厳しい状況で不満が上がらないものだ、地球と言うか俺がいた時代では確実に問題になるぞ、
「庶民の様な自由恋愛する者も居るわよ、ユニークスキルを持ってない貴族の令息や令嬢は婚約しないで成人したら付くかもしれないユニークスキルが付くかどうかを見てから決めるんだけどその間に恋愛して結婚したりするわよ」
「だから良いユニークスキル持ちは6歳くらいで婚約する、ユニークスキルを持ってない者は成人てから決める、……で悪いユニークスキル持ちは結婚出来ない」と、
厳しいな悪いユニークスキルは子供にも受け継ぐからそうなるんだろうがユニークスキルの有無でって言うのが自分の力とか関係無いから余計質が悪い。
「シシリーとナナリーは悪いユニークスキルと思われてたから結婚出来なかったのよ」
「それと伯爵家だからね」
「伯爵家は結婚出来無いの?」
「勿論出来るけど伯爵家は結婚に関しては立場が弱いのよ」
「どういう事?」
「公爵家と伯爵家が婚約し伯爵家側が一方的に破棄されたとしても文句が言えないのよ、公爵家は伯爵家の領地を没収する権利を持ってるからそれをされると一族まるごと潰されるから伯爵家は婚約破棄されても従うしか無いのそう言う関係性なのよ、だから良いユニークスキルの娘は公爵家に取られるし、良くないユニークスキル持ちの子供を押し付けられたりするのよ」
まあそうだろうな、それが上下関係と言うものだ。でもそれを言ったら伯爵家も子爵家に出来るでしょ?
「でも伯爵家が子爵家に対してその上の権力でってのが出来ないのよ、それが出来るのは公爵家だから」
成程、伯爵家の方が子爵家より上ではあるが丸ごとは潰せるほどの権限は与えられて無いと、
「伯爵家がそれを出来るのは男爵家とかなんだけど、男爵家は男爵家で領地を没収されたら違う伯爵家に仕えればいいという考えが持てるのよ、だから公爵家の様に良いユニークスキル持ちの娘を息子に嫁がさせる事が出来ないし、良くないユニークスキル持ちの娘を押し付けることも出来ないのよ」
「それで伯爵家を保つ為にユニークスキルを持ってない者、本来自由恋愛出来る娘を同じ領の他の伯爵家と婚約させて確保するから伯爵家で自由恋愛出来る娘なんていないのよ」
ユニークスキルの無い娘は本来自由恋愛が出来る立場だけど公爵侯爵家に良いユニークスキルを奪われてるから伯爵家を守る為に他の伯爵家と婚約させられるから伯爵家の娘は自由恋愛は出来ないと、厳しいな伯爵家。
「その上彼女達は軍部に関わるネーサ伯爵家の娘だから」
「軍部の者の娘って結婚出来無いの?」
「そりゃあ軍部は軍事機密知ってるから他の伯爵家と違って誰とでも婚約出来るという訳にはいかないのよ、、普通はミネス領から出る事も普通は許されないわ、シシリーとナナリーとセシリー達は私の護衛でここに居るけど基本出る事は許されないわ」
「だから軍部の中枢を担うネーサ伯爵家の娘のシシリー達は次代のミネス領の領主になる者の第2夫人以下になるわ、カール兄がもし継ぐならキールに嫁ぐはやっちゃいけない事、下手したらミネス領が2つに分かれて争う事になるから」
「するならカール兄にシシリーとセシリーを嫁がせてで、ナナリーをキールに嫁がせるって位に明らかに差を付けなきゃ駄目よ」
「仲良いんじゃなかったの?」
「仲が良いからと言ってするべき事では無いから、本人達が良くても周りが勝手に二派に別れてしまうから」
「それでうちのミネス領の次期当主は決まって無かったから、それも私が一番有力だったから嫁に行けないというより誰を婿にするべき?って時点で詰まってたのよ」と言いこちらをにやけながら見た。
「そこに貴方が現れたのよね♪」と心底嬉しそうに言った。
「これはもう!あなたの嫁になる為と言っていいくらいの状況!」
「ちょっと待て、どこをどうすればそうなる?」
「そうなるのよこれが、ミネス領の次期当主の婿の第4夫人と第5夫人と言う立場になる、見事なまでの布陣になるわ、だって次期当主の婿に娘二人を差し出して忠誠を誓いますになるから見事なまでの解決法よ、問題が有るとしたら第1夫人の私に嫉妬してシシリー達が裏切る可能性が上がる事位しか無いわ」と。
いやそれかなり大きな問題でしょ?
嫌そうでもないか?嫉妬してシシリー達が裏切る場合、……嫉妬して暗殺するような人物なら護衛者にならないだろうと言うかそれはもう調べてて大丈夫と言う風になっているんだろ、
嫉妬して裏切る可能性が上がるは本当に可能性が上がる程度、それはもう考えてるしそれを言い出したら何も信じられないという程度何だろう、
それなら二派には別れず領としては一枚岩で行けるし次期当主の次の次期当に当たるであろうララさんの息子にも仕えるになるから良策だわな、うん確かに良案だわな。
ふとシシリーとナナリーを見たら吃驚している、
どうしたんだ?
「ララ様……今、今何とおっしゃいましたか?」とシシリーがララさんに聞いている。
ん?何かララさん変なこと言ってたっけ?
ああっ、自分がララさんを裏切る可能性があると思われてたと思ったから?
いやそれはララさんが論理的に考えてるだけで本当に裏切るかも?と思ってる訳ではないぞ。
「ミネス領の次期当主の私の婿に仕える事になると言ったのよ」とララさんが言った、
ああっそう言う事か、ララさん継ぐ気になったって事か、そう言えば継ぐ気が出てきたっぽい事を言ってたな。
シシリーとナナリーが号泣しだした、
うわっマジ号泣、……扱いに困るわ。
「よくぞよくぞお決めになられました」とシシリーが、それ爺のセリフぽいぞ。
「シシリーとナナリー、勘違いしては駄目よ」とララさんが答えた瞬間、シシリーとナナリーがピタッと止まった。
何言うのララさん怖いんだけど……、
「あくまでもそれはランク3を攻略した後の話よ」とララさんが答えた瞬間、シシリーとナナリーの顔色が悪くなった。
うん見事に絶望した顔になった。
こっち来てからよく絶望した顔見るな、こっちの世界の人間は顔芸得意なのかな。
そらね今までの話から考えてパーティー能力1上がっただけではランク3には死にに行くようなものだからね。
……、
「大丈夫よ」とララさんが言った、
「まだユウの力はこの程度では無いから」と、
ムチャぶり来たあっ。




