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80話 虐殺では無い一方的に殺せるだけだ ①

 「で、これがさっきの話に繋がるのよ」とララさんが、

続きが怖いわ、でも聞くしかない、


 「で、初戦闘なんだけどライア公爵領とガイル侯爵領との境のガイル侯爵領側の関所で行われたんだけど……、これが戦争と呼べる様な物じゃなかったのよ」と、

戦争じゃない?もしかしてガイル侯爵軍の方が逃げ出したとか?

ありうる、ライア公爵軍は流石に死兵は言い過ぎだが高い士気、対してガイル侯爵軍の方は伯爵家が伯爵家の娘を奪ったからこそ起こった戦争だから負い目がある、つまり士気は最低と言うかマイナス、伯爵家の馬鹿息子達の為に死ねるかってレベルだろう、なら下手すら扉開けてどうぞどうぞ位したかもしれないな。


 「まず最初にガイル侯爵軍の第4騎士団が口上をしたのよ、『王家に歯向かう反徒よ、己の男としての未熟さを棚に上げて王家に反旗を翻すとは何事ぞ、その誇り無き心をこの世から消し去ろう』と」

ララさんが静かに怒っている、


 ……、


 「何故王家?」


 「さあ?馬鹿の候爵家の考える事は分からないわ」と言い放ちララさんがお茶を啜った、

そしてゆっくりシシリー達の方を向きかけた、

向いてはいない向きかけただけだ、例えるなら俺が時計の12時の方向でシシリーが8時なら11時の方向に向けたというレベルの体の向け方だ、視線もそれ位で微妙に首を傾げたくらいだ、

だけどその瞬間にシシリーが話し出した。


 「えっとですね、当時の侯爵家は公爵家を見下していたんですよ」と、

はあ?何で?どう考えれば公爵家を見下せる?

「何て言いますかね、公爵家は領土を報酬で貰っている蛮民で自分達は忠誠で下賜されてる者って考えだったり公爵領は他国で自国では無いという考えや公爵家は侯爵家より王都から遠い田舎って考えだったり色々有ります、その中でも一番大きいのが一時的にとはいえ侯爵、公爵、伯爵の順になった事ですかね、候爵家の方が上だったがドルスシアのエイジ侯爵家とゼアナラのローゼン侯爵家が馬鹿したせいでこうなった、つまり自分達の所為でこうなった訳ではなく只の被害者、その間に公爵家に地位を掠め取られたと思っていた訳です」

はあっ、いや呆れるわ、完全に都合の良い部分だけで考えすぎでしょ、それで公爵家見下すとか有り得ないぞ。


 「それで当時の王家は規制を掛けられたといえ、侯爵家の方が王都に近い為候爵家側だったのです」

嘘だろそれだと公爵家6家vs侯爵家5家+王家で完全に2つに分かれてるじゃ無えか、国滅びるレベルだぞもうこれ、


 「それでその王家がとんでもない事を言いました」


 ……、


 何?火に油を注ぐ事しかしない気がするんだけど?

「ライア公爵家を除く公爵家5家に早馬でライア公爵家の暴挙を止めろと言って来たんです」


 もう駄目だこの国、早く何とかしないと、


 「なのでライア公爵家を除く公爵家5家もリディ侯爵家を除く候爵家5家に総攻撃を掛けました」と愉快そうに笑うシシリーさん、

いやそれ笑い事じゃないから、


 「まあその話はちょい置いといて、さっきの話の続きなんだけど、ライア公爵家の跡取りの王子、つまりデューク公太子はガイル侯爵軍の口上に『知るか』って返したらしいわ」とララさんが言った、


 「そしたらその口上をガイル侯爵軍が笑ったのよ」

「で、デューク公太子が『王家が敵なら滅ぼすまでだ、ランク3攻略者のデューク・ライアの力、とくと味わえ』と」

王家滅ぼすって言っちゃってるうう、


 「で、戦争が始まるんだけど……一方的だったわ」と、

「そんな一方的なの?」

「ええ一方的だったわ、まず最初に矢を射ち合うんだけど、ガイル侯爵軍は弓使いが居ないのよ、と言うか弓を使った事が無いレベル」

「そうなの?」

「ええ、矢は消費アイテムだから金銭的な理由で使った事が無い者が弓兵、対してライア公爵軍はダンジョン攻略の為に有効だからお金を掛けて育ててたこの国有数の弓使い達、この時には見張り台が増設されてて4台に矢盾も有ったけど、肝心の【弓術】持ちが居ないから見張り台からならギリギリ届く程度、対してライア公爵軍は【弓術】レベル7とか居るし、勿論【遠距離攻撃】や【精密射撃】も付いている弓使い、見張り台にいた弓兵はすぐ殺されて見張り台に登ろうとしたら殺されるからガイル侯爵軍の弓兵は塀の向こう側から居るだろうで撃っていた状況、対してライア公爵軍は【遠距離攻撃】があるから余裕で届くし何より【時間差攻撃】という上空に撃って時間差で当てるスキルがある弓使いの弓兵だから塀の向こう側にも当てられる、だから少しの間本当に一方的に殺していたわ」

「少しの間一方的に殺してた?」

「ええ、ガイル侯爵軍は弓が届いてない事に気付いてなかったみたいね、塀で見えてなかったから」

ぶっ、馬鹿過ぎるう、


 「で、届いてない事に気が付いて門を開いて特攻を仕掛けて来たのよ」

「それで両軍がぶつかるんだけど、現時点でライア公爵軍は誰も死んでいないというか矢が届いて無いから戦死者どころか怪我人もゼロの無傷」

比喩じゃなくて本当に無傷とか草生える話だわ、

「ガイル侯爵軍はこの時に既に500程減らしていて4500兵位だったわ」


 「ここでライア公爵軍の秘密兵器移動式棘盾が活躍するのよ」


 何それ?



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