79話 婚約破棄は戦争になる
「アリシア暗殺」と
あっマジ馬鹿しでかしてるううう。
「それでドルスシアのエイジ侯爵家は潰れてうちのミネス公爵家の次男のリューク・ミネスとアルナ公爵家の長女のエリス・アルナが結婚してリディ侯爵家を立ててそこを治めたのよ、ゼアナラのローゼン侯爵家や他の侯爵家も半壊したから、そのおかげって言ったらアリシア様に悪いんだけど公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の順に戻ったのよ」
「それでこんな事を繰り返さない様に王家の婿又は嫁は王家の者か公爵家の者と言う暗黙の了解が出来たのよ、【母親似】を候爵家に流れにくくするためにね」
「それと通行料も取れなくなったから大分侯爵家の勢いを抑え籠めたわ」
「それは何で?」
「今までは公爵領で取れた作物とかを侯爵領に運ぶのに殆ど税を取らなかったのよ、飢えが起こったら可哀想だから、でもアリシア暗殺以降はがっつり取る様になったのよ、そっちが通行料で金稼ぐならこっちも関税でがっつり取るわってなって、そうなると作物の値段がものすごく上がるでしょ、だったら買わなくなるでしょ、そしたら買付しなくなるから通行料も取れないでしょ」
「いやそれやばくねえ?飢えが起こるぞ」
「ええ、勿論それをして数年で作物、特に野菜が足りなくなったわ、王都でね、だから王令で関税と通行料を取らないと言う決まりで食料を運ぶ様になったわ、で1年に2回それをすることになったのよ、そしたら当然他の利点も見つかって公爵家同士でもすることになったわ」
「他の利点って何?」
「色々あるわよ、流通の確保や飢饉の備えに食料の多種化、それとスキルの所有」
「スキルの所有?」
「ええ、【酔い止め】や【馬車移動】や【移動力アップ】や【野営】や【運搬】や【設置】なんかが付きやすくなったのよ、今までは商人が殆どだったけど騎士団でする様になったから騎士団でそれを保有出来るようになったのよ、特に【野営】と【移動力アップ】と【設置】はものすごく使えるわ」
「じゃあ流通の確保や飢饉の備えは?」
「流通の確保はそのままの意味よ、行った事が無いだと緊急時に素早く行動出来ないでしょ、飢饉の備えはそのまま流通の確保自体が飢饉の備えになるし、後互いの公爵家が自分の名産を交換したから作物の品種の増加、芋でもジャガリー芋やバロン芋やメープリセス芋と3種になったわ、これなら飢饉の時にジャガリー芋は駄目になったがバロン芋は大丈夫だってなる可能性があるからこれも飢饉の備えになるわ、後単純にジャガリー芋ばかりよりバロン芋やメープリセス芋も食べれる方がいいでしょ」
「そんなに味の違いはないでしょ?」と聞いたら、
「「「えっ?」」」と三人に驚かれた、
何か3人が可哀想と言うか憐みの顔をしている、味分からないんだって言う感じ、
もしかしてこの世界の人は凄く味に敏感なの?だからホーンラビットの肉が不味いって言ってるの?
ちょっとでも不味けりゃ机ひっくり返して女将を呼べーなの?
まあ異世界だから地球人と味覚の発達に差があってもおかしくないが……、
まさか!「これが甘いです」みたいな、そっからなの?って……は無いな、
流石にそれは成り立たない、それだと人間とは……になるから無いわな。
「全然違うわよ?……何と勘違いしているのか知らないけど、まあ食べ比べすればわかるわよ」と、
まあそうだろうな、まあとにかく食べてみよう、それで分かるはず、
「それで侯爵家との問題は無くなったの?」と、
話を戻した、だって目が怖いんだもの憐みの目で、
「無くなって無いわよ、と言うかだからこそガイル侯爵家とライア公爵家との戦争に繋がったのよ」
「えっ?」
「1000年前に侯爵領が1家潰れて他の5家も半壊したわ、それから200年経って何とか立て直したんだけど、王家との結婚は制限されて通行料もぼったくれなくなったから公爵家と侯爵家の関係が元の公爵家が上で侯爵家が下に戻ったのよ」
「で、それを良しとしない侯爵家の者が自領の伯爵家の者達を使って公爵家の領土の伯爵家に嫁ぐ予定の娘達を拐かしたのよ」
「それ滅茶苦茶やばくねえ?」
「やばいってものじゃないわよ、完全に敵対行動よ、今までの歴史でそういう事をしない、させないというルールの元に婚約ってのが有ったのよ、それを侯爵家の跡取りが伯爵家の跡取り達を使ってやってたのよ、完全にこの国の貴族達が作ってきた争わない決まり事を一方的に破ったのよ、もう喧嘩売るってレベルじゃないでしょ?宣戦布告レベルでしょ?」とララさんが激怒、
「ああそうだね」
「それで公爵家の者達が侯爵家に伝えたのよ、その伯爵家の跡取り達を処刑しろと」
……処刑か、分からなくも無いんだけどでも地球人としたらやり過ぎって気もするんだが、だからと言ってしなきゃどんどん調子こくだろうし被害が拡大してそれこそ今まで積み重ねて来た物が全部崩壊するからな……でもな処刑わな、何とか国外追放位で
「問題起こした伯爵家の跡取りを持つ侯爵家のうち3家がどうか国外追放でご勘弁と言って来たのよ、許すにしても許さないにしてもその刑の軽減を求める事自体は普通なのよ」と一息ついた、
そしてゆっくりお茶を飲んだ、あっこれやばい、嵐の前の静けさだ、
「問題は残りの2家よ、何て言ったと思う?」
いやああ、聞かないでくれええ、こんな状況で返し求められるとか嫌過ぎるうぅ。
「分からない」
「只の自由恋愛でしょと……その後に許嫁の男に魅力が無いからでは無いのかとこちらを侮辱したのよ」
うわああ、戦争待った無しだわそのセリフは、そしてララさん湯呑割りそうなくらい力入っているね、女の子だから割れないだろうが、
いや、これなろうでよくある話なんだよ婚約破棄の話は、
公爵令嬢を何故か第2王子が卒業式パーティーで一方的に破棄するんだよね、そして男爵令嬢と結婚するとか言い出すんだよね、だから婚約破棄された公爵令嬢が反撃する話が逆にテンプレしているんだけどこんな事にならないんだよね、まず王子が馬鹿過ぎる、過ぎると言うか馬鹿100%なんだよね、公爵令嬢を公衆の面前で男爵令嬢に嫌がらせしたとか言って罵倒するんだけどそれ宣戦布告レベルだから、それも言ってる事が男爵令嬢に嫌がらせしたから婚約破棄するそして俺は男爵令嬢と結婚する、完全に目的バレてるんだよね、せめて数日置いてから男爵令嬢と結婚すると言え!
誰がどう見ても男爵令嬢と結婚したいから公爵令嬢と婚約破棄すると言ってる様にしか聞こえないわ!
そうなんだよこれ公爵令嬢を罵倒しているんじゃないんだよ、貴族が積み重ねて来た婚約という制度に喧嘩売ってるレベル、だからどう考えても全面戦争、公爵侯爵伯爵子爵男爵の全ての貴族VS王家とその娘の男爵家1家の戦争になるんだよ、仮にならないとしても王が第2王子を処刑するとかで当事者で片付く話じゃ無くなるんだよね。
しかもなんか急に第1王子のどう考えても王位の正統後継者がぽっと出で出て来て恋するんだよ、
何で基になったはずの乙女ゲームのメイン王子が正統後継者じゃないんだよ、絶対普通の乙女ゲームなら第1王子がメイン王子だろ!
基になった乙女ゲームが王家を継げる王子と結婚出来ない仕様って乙女ゲームじゃないだろそれじゃあ、
もっと酷いのになると男爵令嬢のヒロインが他国のスパイでこの国を……って言う、元になった乙女ゲームの設定からして違うという、じゃあ何で乙女ゲームにそっくりな世界なの?
何?転生したのは乙女ゲームの2次創作って落ちなの?
そんなマニアックな世界に転生するなよ、せめてちゃんとした乙女ゲームに転生しろ!
で問題なのはなろうの場合大概は婚約破棄した王子と問題になった男爵の娘が投獄されるか貴族籍剥奪されて終わるんだが、最悪でも戦争前に片が付くとか戦争しても早期で片が付いて死人少な目で綺麗な終わり方するんだが、これとんでもなく酷い事になるんじゃねえ?
公爵家6家と侯爵家5家って国2つに割れて戦争になるとかどんだけやばい事になるんだよ。国民1割は死ぬんじゃねえ?
「それでうちのミネス公爵家の当主に伝わってもう戦争する気になって準備してたらとんでもない情報が流れて来たのよ」とララさんが噛み締める様に言った、
ミネス公爵家も殺る気ですか?あかん死者物凄い数になるうう。
ちらってシシリーとナナリーを見たらうんうんと頷いている、
2人とも殺る気でした、
「まさかのライア公爵家に嫁入りする予定の第3王女がガイル侯爵家に嫁ぐと」と、
完全に止まらないいい、
「そしてその次の日にライア公爵家がガイル侯爵家に宣戦布告、その7日後に初戦闘」
「で、これがさっきの話に繋がるのよ」と、
士気が高いとか言うレベルじゃないわ、これ死兵になるレベルだったわ、
全面戦争待った無しだわ。
続きが怖い、




