78話 公爵と侯爵とはどっちが上?
「いやボッコボコじゃ無くてだな、そこん所をもっと詳しく」とお願いした。
「もっと詳しくって言われても……、ガイル侯爵領のライア公爵領との境にある関所で両軍がぶつかったのよ」「一応レンガ作りの関所だったんだけど当時は公爵領と侯爵領の境の関所で両軍が戦争するなんて想定してないから只の2メートルちょいの壁でしか無かったのよ」
「そうなの?」
「ええ、完全に戦争用では無く通行人から通行料取る為に作られた壁、ライア領の関所に比べると格段に劣ると言うか比べるものじゃないわ、ライア領は完全に魔物が攻めて来ても良い様に周囲の木を切り小さいながら柵と堀と橋で防衛、近くに川が無いから水は張って無いけど塀の高さで人間くらいの魔物じゃ通行出来ない位にはしていたわ、それに矢を射掛ける為の窓もちゃんとある砦と言える建物」
「比べてガイル侯爵領の関所は只の壁」
「只の壁なの?」
「矢を射掛ける窓も無ければ上から矢を射掛ける事も出来ない作りよ」
「えっ?どういう事?」
「普通壁の内側に木を組んで人が立てる様にするでしょ?それも無いのよ、二人が昇れる見張り台があるだけで矢を射れるのは2人だけの台よ、矢盾も無いし、布張るだけでも効果があるのにそれすらしてなかったそうよ」
「完全に通行料取るだけの場所だな」
「そうね、まあ擁護する訳じゃないけど同じ国の仲間の領だから戦争しないという大前提なら分からなくも無いんだけど……」と言うとちょっと考え込むララさん、
「あんだけ喧嘩売っておいてそれは馬鹿のする事よ」と、
「喧嘩売られてたの?」
「ええ、売られまくりだったわ」と怒ってるララさん、
「元々侯爵家なんて無かったのよ」
「えっ?」侯爵家が無い?
「どういう事?」
「最初に国が出来た時と言うかランク3のダンジョンを攻略した時にセフィリスとその仲間の5人と私財を投げ打って攻略を助けたデーブ・トルネの7人が国を作ったのよ」
「で100年経って領土が今の候爵領込みになった時にセフィリスの血を受け継ぐ者を王に他の6人の血を受け継ぐ者を領土持ちの公爵として国を7等分したのよ、勿論皆で助け合う事が前提で」
「でそれから100年経って今の公爵領より少し小さい位になった時に侯爵家が出来たのよ」
「領土が広がったから治めきれない為に公爵家の分家や家来で侯爵家を作ったのよ」
「正確には国が出来た時点で公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の名前だったけど今と使い方が違うから今の侯爵はこの時に誕生したのよ」
「当然王が一番偉くて次が公爵家でその下に侯爵家が有ったんだけど……、1200年ほど前に侯爵家が公爵家と並んだのよ、だから今は13家と呼ばれているわ」
「公爵家と侯爵家同じ価値なの?」
「正確には違うわよ、一応公爵家が上ではあるんだけど、あんまり意味は無いわ」
「どうして?」
「公爵家は王のパーティーメンバーだったから戦友であって領土は報酬、対して侯爵家は家来だから領土は貸与」
「だからもし王家と公爵家が袂を別っても領土は公爵家の物、対して侯爵家は袂を別った時点で領土は返上しなければならないのよ」
「と言っても名目上の事だから、候爵家が袂を分かっても馬鹿正直に領土を返す訳は無いからね」
「1800年前は当然王と公爵家の7家時代だから侯爵家は今の伯爵家扱いだから下よ」
「1600年前も公爵家の分家や候爵家の一部を今の侯爵家にして残りの侯爵家を伯爵家にしたばかりだから当然下」
「何で新しい名前、例えば豪爵家とかにせずに侯爵家と言う名前にしたの?それだと全部1ランク落として名乗らなきゃいけなくなるでしょ?」
「女神様の従神が教えてくれた情報に王、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵と言う爵位が有ってそれをまねてるから」
「それなのに勝手に爵位作ったらそれを侮辱することになるでしょ、ひいては女神様を侮辱する事になるからしないわよ」
そう言う事か、そう言う事だから地球の公爵家や侯爵家とこちらの世界の公爵家や侯爵家とでは違うんだろうな、どう違うかは詳しく分からんが。
そうなんだよな、公爵とか知らないんだよ大体しか、流石に公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の順番は知ってるけど、
って言ってもそれすらなろうで仕入れたレベルの知識だからな、それに辺境伯とか言い出したらもう本当に分からん、まあ知らなくて良かったかもしれない、ごっちゃにならないから、
「で、1400年前で侯爵家が力を付け出し始めたのよ、理由は王都に近いから流通と婚姻なんかでね」
「流通と婚姻で?」
「そうよ、流通は王都に食料なんかを運ぶのに通行費をとって儲けてたし、婚姻は王家の近くだから自由恋愛で有利だったのよ、それで王家の【母親似】持ちのレベルが低い娘を嫁にしたりしてね、だから侯爵家の方が公爵家より【母親似】持ちが生まれたりしたのよ」
「その為もしも用に【母親似】持ちを持たせる為に王家を継げない【母親似】持ちとの結婚が盛んになって王家全体との仲が良くなったのよ」
「王都に近い侯爵領と王都から遠い公爵領、はっきり言うと候爵領の方が色々有利だったのよ」
まあそうなるわな、王都に近い方が発達するわな、それと恋愛と言うか人付き合いも遠くの花より近くの花になるわな、
「で、1200年前に並んで13家と言われるようになって王都での発言力的な物で公爵家と並んだわ」とララさん、
あっこれやばい、公爵家が侯爵家に飲み込まれる、
「それで1000年前位には本当に調子に乗っていたのよ、王都における発言力と言うか政治力で公爵家を超えたのよ、だから当時は侯爵、公爵、伯爵、子爵、男爵の順と言われるようになったのよ」
「だけどと言うかだからこそなんだけどとんでもない暴挙に出たのよ」とララさんが悲しそうに言った。
「何をしたの?」
ララさんは溜めに貯めて言い放った、
「アリシア暗殺」と、
あっマジ馬鹿しでかしてるううう。
侯爵家終わったわ。




