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69話 見つからなかった理由

 「で」とララさんが言って来た、


 「で、とは?」

「で、とはじゃないわよ!何よその薬師とか錬金術師とか聞いた事が無いんですけど?」と怒っている、

「いや、俺に当たられても……」

「そうよね貴方は異世界人だものね、でもね!それならそれでもっと早く来なさいよ!」ともっと無茶苦茶言い出した、


 ……、


 まあ気持ちは分かるよ、気持ちは分かるが俺の所為じゃない、

「ふぅ、ちょっと落ち着いたわ」と落ち着きを取り戻した、

鬱憤払いされた、

薬師(くすし)とか薬師(やくし)とか言ってたんだから、その意味は薬を使う者でいいのよね?」

「つまりそのジョブってポーションを作るジョブ何でしょ?」

「うん、そうだと思うんだけど……俺聞いたよね?ポーション作らないの?って」


……、


「そうね、私の思い込みだったわ」と、

まあ普通はそう思うわな、今まで作れなかったし異世界人だから勘違いしてると思うわな、

「多分簡単調合で作れるはず、人間のスキルだから獣人やエルフが作れるとは限らないけど、というか作れないはず、作れるなら人間の種族スキルとして有るのもおかしい」

「そうねその通りだと私も思うわ、……それにしても種族スキルね」と言いながら考え事をしている、

「誰も気付かなかったの?」

「ええ、鑑定や技能の巻物で見られるのはユニークスキルと普通のスキルだけよ」

「じゃあどうやってジョブスキルが判ったの?」

「ジョブに就くときは教会で就けるんだけど、ジョブに就いた時に頭の中で教えて貰う感じで理解するわ、只剣士に初めて就いた時に教えて貰うけど剣士から黒魔術師に就いてもう一度剣士になる時は教えて貰えないわ」

「どんなふうに教えて貰うの?」

「私の場合剣士何だけど、『貴方が就いた剣士のジョブは前衛タイプでちからとすばやさとたふさと器用さが平均的に上がるジョブです、これといった特徴はありませんがこれと言った弱点もありません、スキルは【連撃】で2回攻撃でレベルが上がれば回数も上がります、【双剣】で利き腕で無い方の攻撃力も上がります、【装備重量軽減(小)】で装備の重さを20%カットします』と、頭に語り掛けて来たわ」と答えた。

成程チュートリアルで教えて貰うのか、


 じゃあ種族スキルに説明が無かったのは?

ゲームの場合は種族を選択すると『この種族は……です』となるはず、でもこのリアルな世界の場合は……、

産まれた瞬間に教えて貰う?いやそれ理解できる訳ないだろ、赤ん坊にそんな事を教えても、

作りっぱなしジャーマンかよ、女神のやつ……、

いや女神関係無かったわ、多分クルーの誰かが暇つぶしに作った物をアンドロイドが勘違いして勝手にしたんだ、憶測だけど、

ゲームなら赤ん坊でも第3者視点で理解出来るからな、だからこのゲームを作ったやつはまさかリアルな仕様になるとは思って無かったんだろ、

まあこれも憶測だけど、


 いつか種族全員調べないとな、


 とにかく今は薬師と錬金術師だな、

「武器の種類はさっき言った種類しかないの?」

「ええ見つかっているのはね、無論それ以外の物でも試してみたりはしていたわよ」

「それ以外の物?」

「ええ、石とかブーメランとかの投射物ね、後吹き矢とか針とか鋸とか、どう考えても武器じゃないものも試したわよ、笛とかベルとか杭とかヒモとか、でも見つからなかったわ」

「じゃあ武器じゃないかもしれないな」

「えっ?武器じゃないって」と心底ララさんが驚いた、

「生産職だからな、もしかしたら道具かも知れないだろ」というとびっくりした、

そうだ簡単に見つかるかもしれない、

メニューの生産を開き念じる、薬師になれるスキルを上げる道具と、


 若葉の枝、解毒の杖、新緑の枝、目覚めの杖、青葉の枝、エッチな棒、万緑の枝、心酔の杖……、いっぱいあるじゃねえか、

「分かったよ、薬師になる道具」と言うと心底びっくりした、

「早いわね、新しいジョブ見つけたらと思ったらもう成り方まで分かるなんて」とちょっと素敵って感じで見られた、


 「でどうすればいいの?」とすぐ素に戻られた、

その辺クールだよねララさん、

「若葉の枝を何度も使えばいいはず」と言うと驚愕された、

「……その何度もって何回位なの?」

「えっと、例えば剣なら何回なの?」と聞くと、

「剣なら1000回よ」

「じゃあ若葉の枝も1000回使えばいいはず」と言うと、

「そんなの無理よ、使えるはずないわよ」と青い顔で答えられた、

「どうして?」

「若葉の枝は1000回使えて1回使うとHPを10~15回復するって言われてるわ」

「およそポーションの1/8よ、つまりポーション125回分、値段にすれば40金貨位だけど問題はその大きさよ、30cmでポーション125個分よ、その為これ持ってたらポーションを持ち運ばなくて良いになるから、値段もとんでもなく高くて安くて金貨1000枚よ」

ちょっ、25倍って、千円札の儲け全部飛ぶじゃねえか、

「今まででこの国で見つかった個数は16本、その内の1本が我が公爵家にもあるわ、でも200年前のミネス雪上歩行戦を含めたリベル豪雪防衛戦や800年前の公爵反撃戦で使われて現在557回残す所よ」

「だから他の公爵家や侯爵家から買わないといけないんだけどまず売ってくれないわね」

「じゃあ1000回分手に入れられないな」

「そうね」とすごく残念そうに答えた、

「そもそも若葉の枝はこの国に16本しかない貴重品なのよ、新しいダンジョンが見つかった時に稀に宝箱でしか手に入れられない物、それも戦争になった時に簡単に回復出来る上に補給の手間いらずの物を1000回も無駄使いして覚えるジョブですって!」とかなり憤慨している、



 「そんなジョブ見つけられるかああ!」と椅子から立ち上がってララさんが叫んだ、


 「ララさん落ち着いて、どうどう」と俺も椅子から立って右手で右手を持って左手で背中をさすった、勿論冗談でやった、

キッと睨み付けて「馬じゃないわよ」と怒られた、




 何か外が騒がしくなってきたぞ、と思った瞬間、

俺の背中方面にある扉から何人かの人間がなだれ込んできた、

ララさんがびっくりして俺の背中では無く俺の前に隠れた、うん飛び込んできた人から逃げるなら当然俺の前面に隠れるよね、その動きで椅子が倒れた、だからララさんを守る為に抱きしめた、


 入って来た女騎士が叫んだ、

「き、貴様ああララ様に何をしたあああ!」と、

誰だよお前は、


 よく考えよう、今置かれてる状況を、

倒れた椅子と三方を壁に囲まれた場所で奥にララさん手前に俺……、

あっこれどう考えても可愛い女の子を路地に連れて行っていたずらしようとする男だわ、


 恋愛系漫画でよくある勘違い騒動ですね、

またテンプレしたわ恋愛系の、あれ?なろうじゃなく俺って恋愛系の主人公なの?


 おかげで少しにやついてしまった、


 その瞬間叫んだ女が剣を抜いた、

周りの男もゆっくり囲む様に動きながら剣を抜いた、


 あかん向こうマジだ、ギャグで終わらない、


 ララさんをチラッと見た、

顔を赤くして俯いている、



 ロマンチストモード発動中でした、



 やばい、ギャグで死ぬ、


 ゆっくり人の輪が広がって距離は縮んでいく、



 ララさん早く早く元に戻ってくれええ。


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