67話 面接
「イヤそうじゃなくて剣士とか白魔術師とかになる方法」
「ああ、そっちの職業ね」
「まず、それは職業と言いません、ジョブと言います」と何か教える先生みたいになった、
「あっちの席に座って待ってて」とギルドの端の方を指さした、
指の先の席は四角いテーブルに奥と手前で2脚の椅子、そして両サイドに衝立があって区切られている、それが2つ並んでいる、
何だろう、こってり絞られるような雰囲気がするんだが?
ララさんを見るとギルドの受付の中にある棚から何冊かの本?ノート?を取り出している、
ララさんが棚の横の鍵付き引き出し棚から巻物を取り出そうとして「貴方は自分のパーティー能力が分かるの?」と聞いて来た、「ああ、分かるよ」と答えたら「そうじゃあこれは要らないわね」と言って巻物を引き出し棚に戻して鍵を掛けた。
そしてこっちに歩いて来た、その姿がやり手のOLと言うかやり手の新人教師という感じ、眼鏡をプレゼントしたい、「ほら座って」と言われたから手前の席に座ろうとしたら「そっちじゃなくて奥に座って」と、
あっ、これ面接だ、こってり行かれるわ、完全に三方壁に挟まれて前方ララさんで四面楚歌だわ。
ララさんが席に座って「じゃあまず名前から」と、完全に形から入っているうう、
やばい、何がやばいって可愛くてやばい、そう俺は中身が35才、正直こんな事を17才の女の子にされても威圧されない、本当の15才なら半分ドキドキ半分ビクビクもするかもしれないが35才の俺には若い子にこんな事をされてもびびらない、ドキドキしかない、それどころか性的に興奮するだけだ、
やばいムラムラする、真面目な話なのに……、
「ほら名前を言って」
「ああ、ユウ・ミヅキです」
「じゃあユウ・ミヅキさん、まずジョブというのは一度に一つだけ就けれる戦闘用の職業です、効果は個人のステータスとそのジョブ特有のスキルを覚えれます、剣士なら剣士用のステータスになって剣士特有のスキルを一時的に覚えれます、一時的にというと転職が可能で例えば剣士を辞め白魔術師になった場合剣士用のステータスが白魔術師用のステータスに変わり剣士のスキルを忘れて白魔術師のスキルに変わります」
「ここまで分かりますか?」?と聞いて来た、
「勿論分かるよ」うん良くある仕様だ、
「教会で何度でも転職が可能ではあるんですが一回に付き銀貨2枚いるので簡単に転職は出来ませんので自分のステータスと自分の持っているスキルと自分のパーティー能力と一緒に冒険する仲間のステータスと仲間のスキルと仲間のパーティー能力と仲間のジョブを考慮に入れて考えなければなりません」
「只仲間と言ってもずっと一緒に居るとは限りませんし……私はずっと一緒にするつもりよ」と、途中で素に戻られた。
「ああ解っている」と答えると顔を赤くした、
「えっと……一緒に居るとは限りませんし、自分の能力に合った職業を選べばいいと思います」とやり直した、
「では自分の何を一番考慮に入れなければいけないと思いますか?」
「パーティ―能力でしょ?」と答えたらちょっと笑って「答えはどれでもない又はどれでも正解よ」
ん?何だその引っかけ、
「どれが一番考慮に入れるかは人によって違うから、パーティー能力の魔力が低くても【炎の魔人】見たいなスキルを持ってたら黒魔術師にならなくても火力が高いし、うちのルルみたいにすばやさがすごく高いなら更にそれを上げるジョブが良いのよ」「だからどれが一番ってのは無いのよ」
「ただもう一つ重要なことがあってね、それは性格なのよ」
「仲間を守るより特攻したがる盾士は役立たずだし慎重すぎてMPを使いたがらない黒魔術師も役立たず、だから自分の性格に合ったのを決めるのも重要なのよ」
「そしてもう一つジョブを決めるのに重要な物は人の意見よ、ただそれを気にしすぎるのも駄目だけどね」
「じゃあ貴方のパーティー能力を教えてくれる?」
「ちから5すばやさ6たふさ5器用さ4魔力5運5」
まだ12ポイント振り込めるは黙っておこう、
「いいわね♪すごくいいわ♪」
「そうなの?」
「ええ、何と言っても器用さが低くてすばやさが高いから平均より良いわ、それに何と言っても魔力が高いのも良い、普通魔力が高くても魔法は高くて買えないから良くないんだけど、貴方はスキルポイントをスキルに変えることが出来るから、魔力が高いだけで役に立てられないが無いから前衛もいけるし黒魔術師で火力もいけるし白魔術師で回復もいけるわよ」
「ん?ヒール使ったらやばいんじゃ?」
「ああ、それは大丈夫よ、ヒールをただで使わなければ」
「ただで使う?」
「ヒールを使う人間を殺すってのは正確には違うのよ、ヒールをただで使うと殺されるのよ、ヒールを使う時にお金を取れば大丈夫よ」
「教会のお金を稼ぐのを邪魔しなければ殺されないわ、自分のパーティーメンバーに使う分には問題無い、赤の他人に使う時に教会と同じ値段かそれ以上取れば問題無いわ」
「ヒールを使って殺された人達って聖人や聖女と呼ばれた人達なのよ、無償や銅貨1枚位でヒールを使ってた人達よ」と言いながら少し悲しそうにした。
「だから貴方は大丈夫でしょ?流石にこの話を聞いて殺されるようなことはしないでしょ?」と心配顔で聞いて来た。
「ああ」流石にそこまで馬鹿では無い、そこまで正義の味方になる気はない。
「でもリサちゃんは多分使っちゃうでしょ?だからリサちゃんは駄目なのよ」
そういう事か、確かにリサちゃんなら只で使うだろうな赤の他人の為に、
「さあこの話はお終い、今はまだ手が出せないんだから」と、やっぱりララさんも教会潰す気か、
「だから貴方もポーションを大量に売りさばくなんてしないでよね、それも同じ事だから」
「そうだな、ポーションの作り方バレたらやばいな、あっちこっちで殺されまくるからな」
「えっ?」とララさんが驚いている、
「えっ?とは?」
「だって貴方【武具生成】みたいな物って、だから貴方のその不思議な能力で出来るって意味じゃ?」
「いや誰にでも出来ると思うけど、いや正確には人間の【簡単調合】で」というと驚いた、
「人間の【簡単調合】って何?」
「種族スキルだけど?」
「種族スキルってドワーフの【武具生成】を生まれつき持ってる事の事?」
「いやドワーフに会った事無いから」と返したが鍛冶師でも無いのに武具生成が出来るなら多分合ってると思う、
「そうだったわね、……因みに人間の種族スキルって他にどんなのがあるの?」
「えっと……【持久】だね、で……」
【持久】
疲れにくくなる
【簡単調合】
薬師の【薬調合】と錬金術師の【道具生成】をレベル3まで時間短縮で作れる
但し効果は下がる
【異種交配(人)】
竜人族、神人族、吸血族、森守族、短身族、鬼人族、狼人族、猫人族、弧人族、兎人族、人魚族と低確率で子供を作れます
……、
人魚族って何だ、鬼人族も、さっきララさんの説明に無かったぞ、
「ララさん人魚族や鬼人族って知ってる?」
「人魚族?鬼人族?知らないわ、そんな種族が居るの?」
「ああそうみたいだ、まあこの話は置いておこう」
「取り敢えず人間の種族スキルは【持久】の疲れにくくすると【異種交配】で他種族と子供を作れるとさっきの【簡単調合】で薬師と錬金術師の【薬調合】と【道具生成】をレベル3まで効能は落ちるけど時間短縮で作れるが人間の種族スキルみたいだ」と言うと、
「薬師と錬金術師?何それ?聞いた事が無いわ」と返した、
えっ?
「いやいや薬師、あ、そうか御免薬師って読むのか」と言うと、
「やくしも知らないわ、それってもしかしてジョブにそんな名前のジョブがあるって事?」
「もしかして、……薬師と錬金術師ってジョブに就いている人誰も居ないの?」
「ええ、そんな名前の職業に就いた人の話を聞いた事が無いわ」
……、
生産系は誰一人いないのかよ、
そりゃあ詰むよこの世界、




