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63話 冒険者の稼ぎ

 「ラビット餓死って何?」と聞いてみた、

「ホーンラビットしか食べれないランク1の冒険者が罹る病気?みたいな物よ」

「お腹が膨れているんだけど栄養が足らずに死ぬのよ」

「多分だけど人間は肉だけじゃなく野菜とか穀物とかも取らないといけない体なのよ」

「でも野菜は高くて買えないから安い肉ホーンラビットばかり食べて体を壊して死ぬのをラビット餓死というのよ」と、

そして「合ってる?」と聞いて来た、

「ああ、人間……俺の世界の人間の話だけど肉ばっかり食べてると体を壊すな」

「そうやっぱりね」と


 暗い沈黙……が続く、

「野菜は高いの?」

「高いわね、安いのでも1つ鉄貨800枚」

「鉄貨?」

「鉄で出来たお金何だけど、お金としての価値は無いの」

お金として価値が無いお金?意味が分からんぞ?

「鉄貨をスキルの【鑑定】をすると10リアの価値って出るんだけど、それに10リアの価値は無いのよ、誰も10リアとして見てないのよ、只鉱物の鉄としての価値はあるからお金に変えることが出来るってだけ」

ん?じゃあ何で硬貨にしたの?

「雑貨が1リア鉄貨が10リア銅貨が100リア銀貨が1000リア金貨が10000リアってのは女神様が決めたのよ」ととんでもないことを言い出した。

「雑貨は鉄鉱石と成分はほぼ一緒よ」と、


 つまりなんですか?女神が勝手に貨幣を作ったって事ですか?

何やってるんだよ女神ぃぃ、

「一応女神様の言うとおりに銅貨100リア銀貨1000リア金貨10000リアとして使ってるんだけど、雑貨と鉄貨はその通りには使えないのよ、ものすごく多いから」

「そんなに多いの?」

「ええ、例えばホーンラビットを倒せば雑貨3枚手に入るわ、ビックフロッガーなら鉄貨1枚と雑貨1枚」

「大概の冒険者が雑貨か鉄貨を落とす敵を倒すから巷に雑貨と鉄貨が溢れているのよ」

「だから鉄貨を10リアとしては見れなくなってるのよ」

「鉄貨は大体1枚8.6gだから1200枚くらいで銅貨1枚と交換位ね」

「雑貨の方は1枚7.4gで60%位の鉄保有量で銅も5%くらいあるから2000枚で銅貨1枚かしら」

「無論鉄が採れる鉱山のすぐ近くは価値が低くなるし、ドワーフの多い街なら価値が上がるわ」


 「つまり金属としての価値しかないと」

「ええそうよ、お金として価値があるのは銅貨からよ」

「金貨も魔物から手に入れるの?」

「金貨や銀貨は宝箱よ、ダンジョンに稀に出てくる宝箱から出てくるんだけど今はもう本当に稀にしか出ないわ」

「どうして?」

「分からない、只この世界に金貨は何枚までという決まり事があってその枚数の上限になったからと言われているわ」

「昔金貨が出なくなった後に大量の金貨を【金属解体】で金に換えてた時期があるのよ、その後少しの間金貨が出るようになったからそうだと言われているのよ」

「今はそれやらないの?」

「やらないわよ」

「何でやらないの?」

「同じ重さの金なら金貨の方が価値がある様になったから、金貨を金には出来るけど金を金貨には出来ないから、金貨の方が価値ある物になったから」

「昔は金は綺麗だったからアクセサリーに使われてたんだけどセフィリスのパーティーがランク3を攻略してミスリルが採れる様になったらその立場を取られたのよ、金の武具は鉄よりは少しだけ強いんだけど重いから使いずらいしで需要がミスリルよりも劣るのよ、それに金鉱が見つかったりしたから」

「だから金貨は金貨のまま貨幣として使われるようになったの」


 「で、肝心の冒険者の稼ぎだけど五体満足の人で若い人ならランク1で平均一日頑張って銅貨1枚分いくかいかないかで、およそ100リア位ね、一カ月で頑張っても3500リア位、銀貨3.5枚」

「でも30代くらいになると体力的にも無理が利かなくなるから平均稼げて一カ月銀貨2.5枚ね」

「そして怪我した人は一カ月銀貨1枚稼げるか?って所ね」

ん?思ったより稼げてない?あれ?

「そして問題は平均より下の人間、つまりパーティー能力が悪い人よ、五体満足で若くてもパーティー能力が悪ければ一カ月銀貨2枚もいかないわ」

「年を取れば一カ月銀貨1枚、怪我をしたらまずもう稼ぐことが出来なくなって死ぬわ」


 そしてララさんが神妙な面持ちで「この世界には純粋な人間以外の人もいるのよ、エルフ、ドワーフ、ドラゴニュート、エンジェル、バンパイヤ、そして獣人」と、

「そしてその獣人は更に細かく分かれていて、狼人族(ろうじんぞく)猫人族(びょうじんぞく)狐人族(こじんぞく)、そして兎人族(とじんぞく)


 「色んな種族が居て特徴も違ってて一概にどの種族が優れてるとは言い難いのだけど……、敢えてランクを付けるならドラゴンニュート、エンジェル、バンパイヤが上位ランク、

ドラゴンニュートは固いと炎に強いから、エンジェルは飛行が出来るからバンパイヤは傷を癒す能力が高いから上位ランクになるわ」

「中位ランクはエルフ、ドワーフ、人間、狼人族、描人族、狐人族、

エルフはレベルアップが遅いけど寿命が長いから結局強くなる、ドワーフは鍛冶師じゃなくても鍛冶が出来るから、人間は戦闘能力は弱い方だけど繁殖力が高くて政が得意だから、狼人族は鼻が良いと力が高い、描人族は夜目が利くとすばやさが高い、狐人族は幻惑が得意」

「下位ランクは兎人族、彼らは戦闘能力がとても低いわ」

「じゃあ何が得意なの?」

「耳が良いんだけどそれだけ、圧倒的に戦闘能力が低いから」

「五体満足の若い子でも兎人族としては平均のパーティー能力でもランク1を攻略出来るがやっとランク2を攻略はそれこそ人間がランク3を攻略するのよりましな程度」


 ララさんが悲しそうに「ラビット餓死はホーンラビットを食べていても死ぬという意味の他にもう一つ別の意味があるわ、それは兎人族が罹りやすい病気だから」


 「兎人族(ラビット)餓死、これがもう一つの理由よ」


 「ねえユウ貴方何とか出来ない?」


 ……、


 無茶ぶり来たああ。


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