57話 雪の降る町
どうしてそうなる?
リーナは王女なんでしょ?
王女を第4夫人にしたらやばいでしょ?それもリサちゃんが第3夫人だぞ、駄目だろそれ、リサちゃん庶民だよね?実はリサちゃんが亡国のお姫様とかそういう設定ないよね?第3夫人が庶民で第4夫人が王族とか完全に問題起こるよね?
「いやそれやばくね?」
「えっ?どうして?」
「いやリサちゃん庶民だよね?それより王族の娘が下の第4夫人て」と聞いたら、
「ああ、それは大丈夫よ♪昔はよくそれで戦争とか暗殺とかあったから今じゃ早い者順文句言ったら叩き潰すってルールになっているのよ、だからたとえ王族でも第4夫人に文句は言えないわ」
「そうなの?」
「ええっ、1000年ほど前にそれで大問題が発生したのよ、庶民の女の子アリシアが【才化】という凄いスキルを手に入れたのよ、それで【母親似】持ちのリア王子と共にランク3を攻略したのよ、それでそのアリシアにリア王子が惚れて第3夫人にしたのよ、庶民は大喜び、だって庶民が第3夫人とはいえ王妃になったんですもの、もう国中の庶民がその女の子の無中になったわ、それを疎ましく思った候爵家の第4夫人のドリスシアと同じく候爵家の第5夫人のゼアナラと組んでアリシアに嫌がらせしたのよ」
「舞踏会に来ていくドレスを破いたり靴のかかとを折れる様にしたりと」
「それがだんだんエスカレートしていって、ついにアリシアを暗殺したのよ、そして……」と言って一呼吸した。
こちらを見て溜める様にして「それが国民にバレた」
「それはそれはすごい革命になったわ」と、
「ドルスシアの候爵家は完全に崩壊、一族全滅、ゼアナラの方は父親が良政を行なう素晴らしい領主で通ってたからまだ何とかなったんだけど、それでも王都にある領事館なんかは潰れたわ」
「第1夫人や第2夫人の公爵家にも何故止めなかったで飛び火」
「まったく関係が無いけど領民を苦しめてた伯爵家や子爵家や男爵家も無論攻撃対象になったわ」
「もう幾つもの伯爵家や子爵家や男爵家が潰れてからやっと沈静化」
「公爵家は第1夫人と第2夫人のが飛び火で少し痛い目に遭っただけだけど、侯爵家は第4夫人と第5夫人の実家は当然にしても他の4家もかなりやられたわ」
「地形的にも王家の王都の周りに侯爵家その侯爵家の周りに公爵家だから、公爵領までには被害が及ばなかったわ」
「伯爵家子爵家男爵家は悪政をしていたところは粗全滅」
「この革命でこの国の貴族と騎士団の10%は滅んだわ」
「じゃあ国民はどれほど死んだんだ?」
「多少は被害があったみたいだけど?全体の0.01%位かしら?」
……、
えっ?
「何でそんなに被害が無いの?」
「何でって言われても、普通でしょ?」
「いや普通は国民の方が被害出るでしょ?非戦闘民だから」
「ああっ貴方の世界じゃそうなんだろうけどこっちの世界じゃ非戦闘民なんて言うのは貴族位しか居ないわよ」「そりゃ子供達は非戦闘民だけど、子供が戦いの場にはいかないわよ」「それ言ったら貴族の子供も非戦闘民だから」
「何で?国民の大人は非戦闘民じゃないの?」
「そりゃあダンジョンがあるからに決まってるでしょ」
……、
あっそうか、そうだった、
「そうね貴方はこちらの世界の住人では無いからまず常識から教えないとね」
「簡単にこの国の状況を説明するわね」
「先ずこの世界の人口は10億人位と言われてるわ、これはおおよそだからもしかしたら違う可能性もあるから」
「そしてこの国は大体2億人位で他の大陸の帝国のほぼ同じ数この二つが2大大国」
「で、この国には王家があって王都があるのよ、その周りを候爵家6家で取り囲んでてその外を公爵家6家があるのよ」「王都に住む人が1600万、候爵家が1000万で6家で6000万、公爵家が2000万6家で1億2000万、大体こんな感じ、もうちょっと詳しく言うと北のアルナ公爵領はちょっと少なくて1800万位で南のライア公爵領とトルネ公爵領とうちのミネス公爵領はは2200万位かしらね」
「それで王家や公爵や侯爵は直属の部下を入れて500人位の13家6500人」
「伯爵家が300人の62家で18000人位子爵家が300人の300家位で90000人位」
「男爵家はもうわからないわ、領によって全然違うから、ちなみにうちは100家位かしら」
「領によっては位まで全然違うから、うちは騎士団小隊長を男爵家が担当するするんだけどクリフ公爵領では騎士団隊員も半数が男爵家だし、、アルナ領では子爵家が騎士団小隊長を務めて男爵家は2家よ、まあその代わり準男爵という、庶民のエリートを集めた義勇隊という騎士団とは別の組織があってこれがものすごく強いことで有名なのよ、……特に冬は……有り得ないくらいにね」
「そんなに強いの?」
「ええ、200年位前にね、うちが隣国リべルに攻められた時があったのよ、冬に」
「アイスドラゴンが我が領の山に巣を作ったのよ、その所為でものすごい厳しい冬になって、積もっても20cmのはずの雪がものすごく積もって、でもそんな事は初めてだから色々困って苦しんでいる時に隣国リべルが戦争を仕掛けてきたのよ、奇襲で領民を安全に逃がすのに手間取って、それに寒さ、戦ってないのにどんどん兵が疲弊していって戦ってもまともに戦えず領土の半分を失う覚悟をしていたのよ、実際4分の1位侵略されたわ」
「そしたらアルナ領から援軍として正規兵が3000人と義勇軍が3万人来てくれたわ」
「義勇軍が3万?」
「ええ、10歳に満たない子供達も来てくれたわ」
「えっ?10歳の子供が来てどうするの?」
「ミネス騎士団もそう思ったわよ、だから気持ちだけで十分それだけで戦えると言って義勇軍に後方支援をお願いしたのよ、逃げ延びた村人達を助けるのを手助けをしてくれって後方に送ったのよ」
「そしたら多分村人の誰かが言ったんでしょうね、村に帰りたいとか」
「そしたら駆けて行ったのよ子供達が」
「……雪の上を走って」
「雪の上って……えっ?」
「そうよ文字通り雪の上をよ、胸まで積もった雪の上を踏み崩すことなくそのまま胸の高さをキープしたまま」
……、
「……敵兵は雪でまともに動けない所を雪の上の位置から攻撃されたのよ、そう川に落ちて溺れている人間を船の上から槍で突く様に」
……、
「現在のアルナ領の国民はね、その【雪上歩行】の付け方を覚えて本当に小さな子供を除いて皆持ってるのよスキル【雪上歩行】を」
スキルうううう。