49話 自己評価
「ルルはね4輪作って技法を編み出したのよ」と誇らしげに語った。
テンプレ先に取られたああ、
マジか!マジでテンプレしたのか?
4輪作って領主系と農業系のテンプレだぞ?
それも5歳でだと!完全に領主の息子に転生したやつがやる事だろ!
何でノーマルのやつがするんだよ、
いや普通はその世界のやつがやるものなんだがそれを異世界転生した主人公でするから面白いのであって、それじゃあ普通の話だろ、いや5才だから普通では無いな、普通にすごい話だわ。
兎に角そのテンプレは俺のために残しておいてよ、10年前にやってたとか、1周目は成功、2周目も成功、
3周目も今のところ成功、これは成功と言えるんじゃないか?って言う成功か?失敗か?って丁度判断できるタイミングだろ?
しかもそれをやったのがルルさん、俺がこの世界に来て初めて出会った4人の内の1人、何その嫌がらせ?
完全に馬鹿にする感じだよね?
しかしよくよく考えたら俺が4輪作でチートが出来る訳が無い、うん植える植物が分からない、異世界だから植物が違うというのもあるが地球と一緒だったとしても分からない、だって適当にしか知らないもん、
確か芋と麦とクローバーと……後一つが分からない、それに順番が分からない、どの順で植えたらいいとか知らん、そして最大の理由が……責任取りたくない。
うん、そんな失敗したら領民が餓死する政策なんて執れない、良く異世界転生したやつは出来るよな、俺だったら出来ない、ちょっと試しにちょっとだけでするという方法もあるがそれがうまく言ったからと言って次もうまくいくとは限らない、だって根本ちゃんと理解してないし異世界だから地球と同じ方法でうまくいくとは限らない、ましてこんなゲームのような世界なら尚更、
只、肥料をあげるはいけそう、流石に栄養素の概念がこの世界には無いは有り得ない、4輪作が成功してるし、普通に腐葉土あげればいいかな?うん聞いてみよう、
「肥料って分かる?」と聞いたら「分かるわよ」といぶがしげに返された、いや別に馬鹿にしている訳では無い、ただ本当にこの世界でその概念があるかとこの世界の住人がどこまで分かっててどこまでが分からないのが分からないんだ、
「何をあげているの?」とちょっと誤魔化した、「肥や焼いた骨や腐葉土ね、それ以外に良いのあるの?」と聞いて来た、「いやそれ以外は……焼畑とかは?」「それもするわ」「……じゃあ分からない」と返したら「じゃあ貴方あの世界ではどうなの?」と返して来た、
どうしよう?何も知らない、「いや俺らの世界じゃ必要な物を調べてそれだけを集めて与えるって事をしているから役に立たない」「その抽出の仕方が分からないから何の役にも立たない」
「すまない、本当に役立たずで」
「えっ?」とララさんが驚いた、
「どうして?役立たずと思うの?」と不思議そうに聞いて来た、
「どうしてもと言われても実際役に立ってないからな」
「何を言ってるの?鋼や透明の入れ物の作り方を教えてくれて、私の【技能派】のスキルの事も教えてくれて、それも私のスキル12個もレベルMAXに出来るんでしょ?あっそれともしてくれないの?」
「いやそれはするよ、するけどそれは俺じゃなくても出来る事だから」
「何言ってるの?異世界から来た貴方にしか出来ないわよ」
「いやその異世界から来た人間が俺以外の方が良かったって話」
そう言うとララさんが少し考えて「ああ、そういう意味ね、貴方はあっちの世界では評価が低かったの?」と聞いて来た、
「ああ、多分下から数えた方が早い」
「成程ね『多分下から数えた方が早い』ね、その時点で間違えてるわね」と、
「じゃあ聞くけど貴方の世界では人を殺す人、犯罪者が居ないの?」
「いやそれは居るけど」
「そうよね、居るわよね、じゃあ私が『貴方の物になって尽すわ』でやったーラッキーレアドロだで私を抱く人は居ないの?」
「それも居るけど」馬鹿なら後先考えないでする、馬鹿じゃ無いけど多分大丈夫だでする人間もいるだろ、俺は怖がりだからしないだけで、
「うん、よく解った、予想以上に駄目って事が」と言われてしまった、
いや分かってたけどズバリはきつい、
「完全に庇を貸して母屋を取られる人ね、それどころか母屋を取られて恨まれるくらいね、最初に出会ったのがリサちゃんで良かったわ♪他の場所だったら下手したら世界中で戦争が起こりかねなかったわ」と流石に無茶苦茶な理由を言い出した、
俺1人の所為で世界中が戦地になるは言い過ぎだわ、
「貴方が自分の自己評価が低いことが分かったわ、だからってフォローしてもしょうがない、だって自己評価が低いからね、ならやるべき事は私達と一緒にダンジョン攻略しましょう♪」
……、
えっ?
「実績作ればその自己評価低いのも治せるわよ、だから私達と一緒にランク3のダンジョン攻略しましょう♪」
……、
いやだああああああ、




