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48話 テンプレ先取り

  ララさんはミネス領の次期領主候補の内の1人、

そして見張られている、

やばい、ララさんが暗殺されるかもしれない。


 「それってやばいんじゃ?」と聞いたら、「どうして?」と返して来た、

いやどうしてじゃないでしょ?

「だって命を狙われてるって事だろ?」



 笑われた、


 えっ?何で?


 「違うわよ、逆よ逆♪」と愉快そうに笑った。

「私に後を継がせたいのよ、だから危ない目に合わせない様に護衛を付けてるのよ」と、

そうなのか?いやそれ楽観的すぎない?

「本当にそうなのか?」と真剣な顔をして聞いてみた、

「そうよ、だって他の候補者、全員辞退しているから」と、

えっ、

「現当主の……今の領主ね、私のお父さんの弟で名前はカークス・ミネスって言うんだけどどうしても私に継がせたいのよ、『領主は本来は兄が受け継ぐはずだった、だが今はそれが叶わない、なら当然その娘のララが受け継ぐべきだ』と言ってね」

「カークス叔父さん昔は恰幅のいい感じの叔父さんだったんだけどお父さんが亡くなってからドンドン心労で痩せちゃって細身の体型、それにまだ32才なのに白髪も増えてまるで別人の様よ、まるでオルマがジィールになった様に」と笑い出した、

いやオルマもジィールも知らないから何がおかしいか分からないんだけど?

「御免なさいね、貴方はキノコ山のオルマって物語自体知らないわよね♪」

「こちらの世界の有名な喜劇よそれでいて悲しいお話、ハーフエルフの兄オルマと人間の弟ジィールの冒険談よ、最後は生きていられる時の差での悲しいお別れの話、よくエルフが泣きながら見ているわ」


 「という訳で心労で体型が変わる程心配性の叔父さんが私達を暗殺しようとはしないわよ♪」

「じゃあ伯父さんの子供達は?32才なら子供いるでしょ?」

「ええ、私より1歳年上のカール兄、私と同い年のサーリア、1歳年下のキール、この3人が残りの次期領主候補の3人ね」

おい、32才で18才の子供いるとか流石異世界で中世の時代、常識が違う。

「その3人との仲は?」

「仲はすごくいいわよ、3人も私達を暗殺する訳が無いわ」

「一番上のカール兄は『ララが継ぐべきだ』と言って辞退してるし、サーリアも『ルルが継ぐべきよ』と言って辞退しているし、キールは『一番はララ姉、二番はカール兄、三番はサーリア姉、四番はルル、只四番のルルの場合には補佐がいる、その役を俺がしたいから父さんの仕事を手伝わせてくれ』と言ってカークス叔父さん領主の補佐をしだしたの、そしたらサーリアも『ルルが領主になるならその役をやるのは私の役目よ』と言って今2人してカークス叔父さん、領主の補佐をしているわ」

「おかげでカークス叔父さんちょっと体型が戻ってきてみんな安心しているわ」

「それで結局カークス叔父さんに後10年頑張って貰って10年後に話し合いをもう一度しようって事になったのよ」

「だから私達を暗殺する理由が無いのよ、だって3人とも成りたいなら成れるという状況だから」

「他に子供達は居ないの?」

「居るけどその子たちは尚更無いわよ?だってその子達が成るには最低5人殺さなくちゃいけないし、仮に殺しても5人も領主候補が殺されたじゃ公爵家自体が取り潰されるわよ」

そうか公爵家自体が無くなるのかじゃあしないな、


 「3人ともミネス領がすごく好きで大切に思っているの、だから優れた人を領主にしたいと思っているのよ、自分で言うのも恥ずかしいけど私とルルって結構出来る子なのよ」

うん、出来る子だなと言うか出来杉奈子(できすぎなこ)だな、

ただララさんは解るがルルさんもなの?

前に「さっきの話は魔物と人では子供が出来ない、子供はお父さんかお母さんに似る、稀にお爺ちゃんに似る子もいるくらいの認識でいいわ」とかみ砕いて説明出来てたから馬鹿な子では無いは確かだが、やっぱりララさんと比べると見劣りする気がする、ちょっとルルさんが領主に向いているのか聞いてみるか、

「ルルさんも領主向きなの?」

「向きか?って聞かれたら向きでは無いわよ、領主なんて100を生かすために10を殺すなんて言う選択をしなきゃいけない訳だし、治水しました、失敗しました、今年の死者は老衰除けば117名です、

失敗した治水が無ければ何人死なせずに済んだか?そんな事を毎年、領主はその責任を背負い続けなければいけないのよ」

「完全にルル向きじゃないわよ」

「じゃあ何でルルさんが?」

「向きじゃないだけで領主に必要な他の能力は十分あるわよ、私達4人には劣るけど」

あれ?性格が向きじゃないと能力が4人より劣るならルルさんの価値は?



 「あの子はね……料理が上手なの」



 ……、



 いやそれどうでもよくないか?



 「子供の頃から料理人より上手だったの、なぜこんなに料理が上手なんだろ?って聞いたら『ジャガリー芋君のいい所とブロッコ君のいい所は違うの、駄目な所も違うの、だから二人のいい所といい所を合わせてもっといい所にするの、それとね、駄目な所にねいい所に手伝ってもらって喧嘩しない様にしているの』って言ったの」

「当時は小さな子供だったから食べ物を擬人化しているけど要点は利点に利点を合わせると同時に欠点を利点で埋めるをしているの」

「これって普通は子供は当然大人でもなかなか出来ない事なのよ、2つの問題点を同時に処理するって事わ」と嬉しそうに答えた。


 「それともう一つは相手の立場になって考えるよ、ルルの場合はそれを素でやるのよ、私の場合はそれの価値を知ってるからするんだけどルルはそれが普通なのよ」とさっきより更に嬉しそうに答えた。

 


 「そして発想力」とこれよこれがルルのすごい所と言わんばかりの返し、

「これは実績も残してあるわ」と今度は懐かしむように答えた。


「ルルが5才の頃の話よ、カークス叔父さんがお父さんに『やっぱり2年目からは収穫が落ちる、その上病気に成りやすい』って相談していたらルルが『きっともうご飯が無いんだよ』と返したのよ、それでカークス叔父さんが『そうだね、叔父さんもそうだと思うんだけどご飯を与えられる場所が無いんだよ』と言ったの、そしたらルルが『あるよ』と答えたの、その時のお父さんとカークス叔父さんの顔は忘れないわ、一瞬驚いてお互いの顔を見合わせてから落ち着いて、一応もしかしたら?って感じにお父さんが『ルル、それはどこにあるのかな?』って聞いたらルルが「ジャガリー君のご飯はブリッテ君やリルッパちゃんたちの所にあるよ、でもねバロン様やメー姫の所には無いの』と言ったのよ、そしてお父さんが『ジャガリー君はジャガリー芋の事だね、ブリッテ君はブリッテルでリルッパちゃんがリルの葉?バロン様がバロン芋でメー姫がメープリセス芋の事かな?』と聞いてルルが『うんそうだよ、お芋ちゃん達が好きなご飯と葉っぱちゃん達が好きなご飯は違うの、それでねお芋ちゃん達のお家にはね、今お芋ちゃん達の嫌いなご飯だらけなの、だからムギッチョに食べて貰うのムギッチョはねそれが大好きだから♪』と言ったのよ、その時のお父さんとカークス叔父さんの顔に至っては死んでも忘れないわ♪」



 ……、



 あれ?それって?




 「ルルはね4輪作って技法を編み出したのよ」と誇らしげに答えた。




 ……、



 テンプレ先に取られたあああ。


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