41話 私はなろうの主人公
「8歳の女の子と6歳の女の子と7歳の男の子と11歳の男の子を奴隷に持たなければならないのよ」と言ってきた、
奴隷買う機会が有ったら俺はたぶん手を出すだろう、
……、
出せるかああああああああ。
6歳の女の子に手を出すとか人として終わるわ、
いやそもそも奴隷=性奴隷じゃないし、この世界の奴隷制度がどんなのかも分かって無いし聞かないと、
「この国のと言うかこの世界の奴隷制度ってどんな感じなの?」
「多分かなり緩めだと思うわ」と返して来た、
「奴隷にしたら住む場所と食事と最低限の生活道具を与える義務があるから」
「最低限の道具?」
「服とか歯布とか靴とか火打ち木ね」
「火打ち木?石じゃなくて?木で火花出るの?」何それどんだけ硬い木なんだよ、
「石もあるわよ、でも木の方が付きやすいのよ、少しの間燃え続けるし」
「家にもあるわ、使ってみる?」と言われたので「ああお願いします」と返した、
奥に取りに行って戻ってきたけど何も持ってない気がする、
「これよ」と言って手を広げた、掌にマッチ位の木がある、
いやこんな小さな木でどうするの?擦り合わせて火をつけるにしてもゴシゴシする衝撃で折れてしまうだろうに、それともこれに何か物凄く燃えやすい油でも漬けるのか?
「これをファイアリザードの皮かなんかで擦ると」左手にいつの間にか持ってた1cm×3cmの固そうな皮でマッチみたいな木の棒を擦った、
ボッ、火が付いた、そうまるでマッチに火が付く様に木が赤々とついている、
……、
「マッチじゃねえか!」ついつい声を荒げてしまった、
おいおいどういう事だ?マッチみたいに赤い部分が無い、じゃあ木自体が発火しやすいとか?
いや有り得ないだろ、あんなちょっとの摩擦で火が付くとか、しかもそれが木とか有り得ないだろ、
森林火災だらけになるわ、
「これってドロップアイテム?」
「そうよ火付け枝と言う名前のアイテムでラビットイーターって言う樹木の魔物のドロップ品よ」
……、
つまり、これはそういうアイテムって事か、
ゲームの世界でそのゲームを楽しめる様に作られたアイテム、だからマッチみたいな物が簡単に手に入る、そうだよ、もしこれが普通の世界の様にこういう物が簡単に手に入らないなら簡単にゲームの様に楽しめない、火を起こすのにいちいち木を擦り合わせて乾いた木屑を被せて息をフウフウって吹きかけてってやって火を起こしたりしていたらちょっと離れた場所に冒険するという気にならない、だって木を擦り合わせて火を付けるのって結構時間かかるぞ、慣れて無いと火が付かないし、だからこんな文明の利器みたいなマッチによく似たアイテムが簡単にドロップ出来るんだろう、ゲームを楽しむように、
そして与えられたアイテムが便利過ぎて自分で生み出そうという発想が無い、まあ全く無いは違うかもしれないが基本もっと強いやつ倒せばもっといいアイテムが手に入るという志向が強いんだろうな、
だから5000年経っても地球より文明が進まないんだろう、
魔物もいるから一概にそうだとは言えないがマイナスになってるのは確かだろう。
そして何より根本の部分で分かって無いという事、マッチは木に燃えやすい燐を付ける事によって点火しやすくしたもの、その考えが無い状態でマッチを与えられてどうやってもっといいモノを作ろうになる?
なる訳が無い、それどころか木ってこすれば簡単に火が付くんだ位にしか考えられないはず、木ってそういう物だと認識してしまってるのかも知れない、勿論そんな事は有り得ない、だが現実にそう思えるものがある為に、
例えば人間がドラゴンになる世界で誰が質量保存の法則を見つけられるんだ?
魔法やこういうアイテムがある為に科学的にどうという事が理解しずらい、理屈が分からず改良なんて出来る訳が無い、科学の発達を魔法や魔法アイテムが邪魔をしているんだ、
科学の基礎となる土台が無いのにアイテム与えて理屈も分からず使っている、
つまりこの世界根本の部分で腐っているんだ。
この世界どうなるんだろ?
与えられた物だけで自分で生み出さない、いや生み出せない様な環境でこのまま続けて行くのか?
何かそれっていつか詰むぞ、
よくなろうで地球の知識で無双するがよくその世界の根本覆すようなことするよなと思ってたが根本の部分が腐ってる場合はどうすればいいんだ?
やっぱり知識無双した方がいいのか?
バネなんか与えたらいろいろ作り出すぞ、ララさん見たら分かるが発想力はある、ただそれに価値を見出せてないだけで価値があるを教えたら勝手に無双していくぞ、
取り敢えず合金だな、合金教えたら鉄加工の技術も上がるだろう、で、バネ教えたらそれこそ普通に物を生み出す様になるだろう、
そして俺はもう合金教えてしまっている。
つまり、もうやっちゃってたって事か、
本当に俺は何してんだか、
マジなろうの主人公笑えねえええ。




