4話 レベル1
皆、どうしたら良いと思う?
11才がレベル43の世界でレベル1で無一文で武器もない、住まいも無ければ仕事も無し、
どうやって生きていけばいいと思う?
魔物を倒しに?レベル1で武器無しだよ、殺されるだけだよね?
盗賊でもする?レベル1で武器無しだよ、殺されるだけだよね?
詰んでますよね?
泣きそう、
正直、異世界転生して、最初はショックだったが、鑑定スキル覚えてで、何とかやっていけそうと思って、地球の知識で無双して、大金持ちになってエルフや猫耳の獣人を奴隷にして奴隷ハーレムとか、
少し考えた所だったのに、どう考えても餓死、良くて奴隷、性奴隷?いやどう考えても魔物の囮にしかならないだろ。
だから、異世界転生なんて嫌だったんだよ、
普通に働くだけで老後まで生きていけるんだから、
「お兄ちゃんはお金持ってるの?」
さっきの女の子、確かリサ・リエンだっけ?が聞いてきた。
「いや持ってない」
「じゃあお兄ちゃんにこれあげる」と言って何かを渡して来た。
「ありがとう」と言って受け取った。
コイン3枚だった、多分こちらの世界のお金だろう、
鑑定したら、銀貨、1000リア、と出た。
1000リアは100円かな?1000円かな?もしかしたら1万円かも、
仮に10万円だったとしても働けなければいつかは無くなるだけだ。
詰んでることには変わりない。
「おい」と男の子が女の子に言った。
多分兄妹だ、同じリエンだったし、
妹のリサが「いいの」と言った。
そらそうだろ、見ず知らずの男に金をやるなんて、
それも客観的に見れば今までまともに働いてないダメ人間にしか見えない、
だってレベル1だから、
どうしたら良いんだろう、
レベル1なんで魔物退治が出来る訳が無い、
パン屋とかで雇ってもらう?
無理だ文字が読めない、言葉が分かっても文字は読めないだろう、
読めたとして雇ってもらえても、給料日までどうするんだ?
外で生活するのか?で、給料日までパンの欠片食っていくのか?
そんな路上生活しているやつ雇い続けるか?
無理だ、日本ですらそんな生活してる人間なんて雇わない、
日本より治安が悪いであろうこの世界なら尚更だ。
「俺が働ける所あるかな?」
駄目元で聞いてみた。
「あるよ♪」
リサが言った。
「お姉ちゃんの所♪」
えっあるの?レベル1でも働けるの?
そこ大丈夫な所?騙して無い?
いや、信じるしか無い、お金恵んで貰っておいて信じないとか有り得ない。
「連れて行ってくれ」
「うん、行こう♪」
リサが手を引っ張ってきた、
俺は立ち上がり彼女の導きに付いて行くことにした。
途中ルークが「お姉ちゃん達が良い人だからって、悪さしたら僕は許しませんよ」と言った。
「悪さするほどの能力もないよ俺」
「いや勿論持っててもしないが」と返した。
ルークは納得したみたいだ、
悲しい、
だけど、それが現実だからな、どうしようもない。
「私はね♪リサ・リエンって言うの、でね、あっちの私のお兄ちゃんはルーク・リエンって言うの」
うん、知ってる鑑定したから、
「お兄ちゃんの名前は何て言うの?」
「俺はユウ・ミヅキって言うんだ」
「じゃあ、ユウお兄ちゃんって呼ぶね」
「ああいいよ、じゃあ俺はリサちゃんて呼ぶね」
「うん♪」
少し歩いたら、
「ほらあそこだよ」とリサが指を差して言った、
見たら少しボロいがデカい建物だった、
大きな看板に変な文字が書いてある、
「ミネス冒険者ギルド」
読める、見たことも無い変な形の文字のはずなのに読めた。
良かった文字が読めて本当に良かった。
じゃあ書けるのか?と試した、
頭の中でリサちゃんは優しくて可愛い女の子と思って、
掌に文字を書こうとしたら、見たことも無い変な文字が頭の中に浮かんだ。
そしてそれが、リサちゃんは優しくて可愛い女の子と読めた。
おおっ、大丈夫だ文字を書くことも読む事も出来る、
助かった、これで何とか普通の生活が出来そうだ。
いやレベル1で大丈夫か?そこはまだ心配の部分だ、
それにリサちゃんが雇ってくれるといったが本当に雇うとは限らない。
緊張する、これで駄目ならやばい、だがさっきよりましだ、
文字が読めて書けるってだけだがものすごく安心する、
希望を持つことが出来る、
有り難うリサちゃん君は命の恩人だ、いつか必ず返すから、
「ララお姉ちゃん居る?」と扉を開けて建物に入ったリサちゃんが言った。
後に次いで扉を開けて中に入った、
西部劇の様な扉だった、これ冬だと寒くないか?
そうだ今の季節ってどうなんだろう?
四季有るのかな?もうすぐ冬なら雇って貰えないと凍死するんだけど、
部屋の中には子供達が3人いる、
8才位の女の子と6才位の男の子と女の子がいた、小学校低学年位の子供達だ、
何で冒険者ギルドにいるのが小学生達なんだ?
一番似合わないだろ?
普通「ここはガキの来るところじゃないぜ」とか言って、絡まれたりする所だろ?
「あら、リサちゃんいらっしゃい、ルーク君も、そちらの方はどなたかしら?」
同い年くらいの女の子が奥の部屋から出て来た。
ポニーテルが似合う銀髪の瞳が赤い美少女だ、
「ルルお姉ちゃん♪冒険者の人連れて来たよ♪」
「えっ?」
驚いてる、やっぱりリサちゃんが勝手に言ってたのか、
どうする・・それでも何とか雇って貰える様にしないと、