38話 神は誰?
「んっ」
頭がぼやけてる……あれ?俺どうしたんだ……あっそうだルルさんに花瓶?いや花樽投げられたんだ、
「大丈夫?」とララさんが聞いて来た、
「ああ、大丈夫、ルルさんは?」
パッと見ルルさんがいない怒らせたか?
「ルルなら買い物に行かせたわ、起きるまで待ってようとしていたけど」
「怒ってた?」
「向こうも貴方を怒らせたと思ってたわよ♪」と少し嬉しそうに答えた。
そういう事なら大丈夫だ、危うく職と住む場所を失いかけた。
今の状況でララさんルルさんに嫌われたらマジで死ぬ、ちょっとしたエロハプニングが命に係わる事になる、
自重しろよラッキースケベ、某マンガの様な毎日ラッキースケベとか要らんぞ、命懸けのラッキースケベなんて要らない、安全を確保してから与えてくれ。
「取り敢えず着替えてね♪」と言われ服と靴を与えられた、
さっきのお父さん達の部屋で着替えた、
この異世界の服何と言うか道着みたいだな、ズボンは帯と一体化している、全体の4分の3がズボン縫い合わされてる帯当然前で結ぶ、この世界にゴムは無いのかな?上着は普通に頭から被ってボタン一つで留めるタイプ、木のボタン、でこれ普通にTシャツの上に着るタイプの服、なのにTシャツの代わりになるのを渡されてない、もしかして異世界にはTシャツみたいの無いの?汗掻いても大丈夫な様になって無いんだけど?まあ仕方ないTシャツを下に着ておこう。
靴は革靴だった、無論地球の様なちゃんとしたのではなくサンダルチックな革靴だった、
海で使う足首を紐で縛るやつだ、底が厚めでこれで戦闘はしづらそうな靴だ、
正直、足袋と草鞋の方が良さそうだ、履いたこと無いけど。
着替え終わって部屋を出たらララさんに居た、
「どう?」
「ん……似合ってないわね」と、
「中にさっきの服着ているの?」と聞いて来た、
「そうだけど」
「絶対他の人に中の服の見せたら駄目よ」と言ってきた、
「分かってる」と返したが無理やり見られる場合もあるし、いやそれどんな状況?と言われても返しようが無いが可能性が無い訳ではない、よし安全に安全を重ねて脱いでおこう、Tシャツを脱いで異世界の服を着た、ちょっとララさんが恥ずかしそうにしている、何この純情な子は、今までのやり取りからこんな事では動じない子だと思ってたんだが結構ピュア?
そう言えばロマンチストのスキルあったな、結構純真なのかなララさんは、
う~ん、やっぱり素肌に直にこの服だとなんか違和感があるな、だが命の方が重要だ、
「これでいい?」と聞いたら、
「その状態で本当にいいと思ってるの?」と返して来た、
「なんかおかしい?」
「取り敢えずその腕に付けてる時間を図る細工物は外しなさい!」と、
ですよね、はい外します、外して時計よアイテムに入れと念じていれた。
「えっ?今何をしたの?」とララさんが驚いている、
「ああ、時計をアイテム欄に入れたんだけど」
「アイテム欄?アイテムボックスの事?」
「たぶん似たようなものだね只アイテムボックスって感じじゃ無くてアイテム倉庫みたいな感じかな?」
「倉庫……じゃあそれはどれくらい入るの?」と聞いて来た、
う~ん、どれ位なんだろ?ゲームによって仕様が違うからな、一人でやるRPGなら999個の999種類とかだろうがMMORPGだろうからもう少し少な目かな?でもアイテム欄が一人用のやつ見たいな感じなんだよなこれ、普通MMORPGだったら持てるアイテムは少しと言っても手で持てる量は越えているが、その代わり家や倉庫がある、なのにアイテム欄を持っている、つまり俺のやったゲームは当てにならない。
「分からない」取り敢えずこう答えておこう。
「そう、でもその能力を貴方はある程度理解しているのよね?」
「ああ、まあゲームでよくあるからメニューのアイテムは、でもそれは家庭用の一人用のやつなんだ、こういうMMORPGとは仕様が違うからどの程度か分からないんだ」
「よく分からないけど、つまりそれは本来の状況と違うから容量も本来の物と同じとは限らないという意味かしら?」
「まあそんな感じかな?」
「じゃあ本来のアイテム欄ていうのはどの程度入るものなの?」
「ん~……無限?」と言ったらララさんが何とも言えない顔をした、
驚いた後に汚い物を見る様な?理解出来ない異物を見る様な?どちらか言うとマイナスの感情の様な目で見られた、俺の所為じゃないぞ、
「無限って……際限なく持てるって事よね?」ちょっと当たり前のことを聞いて来た、大分混乱しているな、
「まあそうだな略無限というか手に入れる物がすべて持てるだけの容量はあるもんだ」
「そう……所でゲームってゲームブックやテーブルトークみたいな物でしょ?」と聞いて来た。
ゲームブック!ゲームブックがあるのかこの世界、マニアックじゃねえ?
「ああそうだ、正確にはそれのもっとすごいやつで殆どが自動で勝手にやってくれる」
「やっぱり貴方は神の……いえ神と同じ種族なんじゃないのかしら?」
「いやいやそれは無いって」
どうしても俺を神にしたいのかいララさん、
「でも異世界から来たんでしょ?」と、
いや今更そこから確認?
「まあそうだけど異世界=神の世界じゃないぞ」
「でも神様と同じ言語使ってるわよね?」
「神様と同じ言語?」
「私達こちらの世界の人間が使ってる言語は女神の従神の土神エーティ様が教えた女神様が使っている言語なの、少しは違ってきているけど基本は変わっていないの」
「いやそれは翻訳されてるんだよ、ララさんが聞こえている言葉は翻訳された言葉で実際には違う言葉をしゃべっているんだよ」
「違うわよ」
「えっ」
「例えばスキルに暗号解析ってのがあるけどお花詰んでくるねって言ってもそのスキル持ちにはトイレに行ってくるねって聞こえるのよ」
「これが翻訳よ」
「ああ俺のもそうだよ」
「違うわよ、それは言葉の意味が分かるだけよ、だからしゃべっている言葉と聞こえる言葉にズレが生じるのよ、遅れて聞こえたりね、でも貴方の言葉は全て発した瞬間に聞こえてる」
「それに一番の理由は口の動きが正しい動きをしているのよ」
「えっ」どういう事?
「じゃあ試してみましょう、ゆっくり私の言葉と同じ言葉をしゃべって」
「いい?わ、た、し、は、あ、な、た、が、す、き、で、す」
「はいしゃべってみて」
「わ」「わ」「た」「た」「し」「し」ララさんが後を追うようにしゃべってくる
……「す」「す」「き」「き」「で」「で」「す」「す」
「ほら、口の動きが全く一緒でしょ?」
「だから貴方の言語は神様の使っていた言語と略一緒なの」
ちょっと待て、それじゃあこのMMORPGみたいな世界を創ったのは?
犯人地球人かよ




