18話 ララさんの正体
「もしかして、貴方?現実と妄想の違いが分からない人とか言われない?」
いやあああああっ、
何で妄想の世界みたいな住人に妄想癖って馬鹿にされるんだあああ、
「流石にそこまで言われたことは無い……」マジヘコミしながら返した。
「じゃあ、妄想癖があることは認めるんだ?」とララさんがおちょくっている感じで聞いて来た。
「うっ、まあよく妄想はする、けどそれはこちらの世界じゃ結構普通なんだよ」
「そうなの?どうして?」と素直に聞いて来た。
うっ、どう説明したらいいんだ?日本の漫画文明を、
「まず、金属とかだな、鉄より軽く鉄より硬いその上透明で向こうが見える金属とか発見した」
ララさんとルーク君がすごく驚いている、
「何その神話に出てくるような金属は?」
「馬車とかも、人間の歩く速さの100倍の走る速さで人間1万人の重さ運べます」
「まさか?」ルーク君が心底驚いている、
「本当だよ、まあ馬車では無いがレールの上って決めえられた場所しか移動……」
「トロッコね!」とララさんが返した。
「ああ、それのすごいやつ、レバーを動かすだけで運べるようになっている」
「もしかして街と街をそれで結んでいるの?」
「ああ、そうだよ」
「それ大丈夫なの?レール盗まれない?」
「いや、流石にそれは無い、鉄なんて20キロで100円にもならないから」
「そんなはした金で何千人死ぬかもわからない大事故を起こすやつはいない、やったら完全に死刑だからな」
「それに簡単に鉄を持っていけないきっちり溶接してあるから」
「100円がはした金ね……ねえ1000円で何が買えるの?一日働いたら幾ら貰えるの?」
「1日大体1万円くらいだな、いや先ず1時間から説明しないといけないな、1日が24時間で8時間労働で8000円行くか行かないかが正社員の最低かな?」
「アルバイトっていう形態もあるがそれでも8時間働いたら7000円くらい稼げる」
「それは庶民の話?」
「俺の世界じゃほぼ全員が庶民だよ」
「それでどうやって国を動かすの?」
「庶民の代表が政治を動かすよ」
「何ていうか本当に異世界ね」
それはこっちが言いたいよ、
「で、実際には8時間以上労働しなければならないんだけど、通勤時間なんかもあるしでまあ12時間仕事に費やして8時間睡眠で残りは自由に、って感じかな」
「それで、七日のくくりで仕事を五日やって二日休みか、六日で一日休みか、人によっては四日で三日休みとか、結構自由だ」
「そう……結構仕事しなくても生きていけるのね、で、1000円で何が買えるの?」
「小麦粉なら6キロくらい、塩なら8キロくらいかな」
「ちょっと待って、半刻働くだけで塩8キロも買えるの?」
「半刻?」
「あなたの世界で言う1時間の事だと思う、貴方の世界の一日が私の世界の一日を同じ時間ならだけど」
一日の長さが違うかもしれない、そう言えばそうだな、こっちの世界のこの星が地球と同じ自転しているとは限らないし、でも自転が違い過ぎるは無いと思うけど、流石に倍も違うなら遠心力の関係でおかしくなると思うし、
そう言えば時計してたんだ、
どうするララさんに見せるか……、
まあいっか♪
今更今更、
「ララさんこいつを見てくれ、どう思う?」
「それ、時間を計測する細工が施されてるのね」と、
早ああああ、速攻にも程があるううう。
「そりゃあ、その針みたいのが同じ間隔で動いていたし、一日の時間の話していてこれ見てって言ったら誰だって分かるわよ」
まあそうだわな、普通の人でも気付くわな、ましてララさんなら気付かない訳が無い。
しかし時計の針の動きをしっかり確認していたか、マジ賢い上に目ざといしこの人絶対普通の庶民じゃないでしょ?
もしかしてこの国の王女とか?
テンプレなら最初に出会った子が実は……ってのはよくある。
いや最初はリサちゃんとルーク君だったな、
でもララさん王女でもおかしくない気がする、
一応冗談ぽく聞いておくか。
「もしかしてララさんこの国の王女とか?」
……、
「あら?どうしてそう思うの?」と、
えっまさか本当に王女?
「えっ、いや、ものすごく賢いから、この世界には義務教育が無いんでしょ?でも教育を受けてた形跡がある」
今のは只のララさんのパクリ、どこがどう形跡があるって言われたら答えられないけど普通の庶民ではないのは分かる。
「それにこの冒険者ギルドってララさんのギルドでしょ?何と無くそう思ってたんだけど?」
……、
「そうね、王女では無いわ、ただ王位継承権は20位くらいはあるわ」
マジか結構高いぞ20位くらいって、
「御免なさい、タメ口きいてました」
「何言ってるの?継承権が20位くらいってだけで王女じゃ無いわ、それに貴族籍は無いし只の一般市民よ」
只の一般市民は王位継承権なんて無いわ!
「どうして王位継承権があるのに貴族籍が無いの?」
聞いてしまった。
あれか?なんかの陰謀で隠れ住んでいるとか?
まさか、ここからこの物語が始まるのか?もしかして暗殺者とか現れるのか?
うおおおっ、ヤバイ、物語が始まってしまうううう。
嫌だぞ、チートも無いのにそんな事に巻き込まれるのは、
「あら?自分の第一夫人が王位継承権持ってるって聞いてあからさまにいやそうな顔している人が居ますが?」
うっ、顔に出たか、でもそんな波乱万丈な人生お断りなんですが、
「冗談よ、そんな訳ないでしょ」と笑顔で言った。
嘘つけ、それはなあ、俺の世界じゃ前振りって言うんだよ。




