130話 2チーム
「ラビがトップクラスね、本当に昨日までの世界と違うのね、誰かさんの所為で」と嬉しそうに言うララさん、
「それもスキルを覚えさせたでもなくパーティーポイントを足したでも無く情報だけで」
一応ラビのパーティーポイントを1振り込んだんだけどね、
「これからどうなるのかしら?」と期待に満ちた瞳を向けて来た。
いや多分今日の出来事が最大だと思うよ、
漫画やゲームじゃないからこれで打ち止めだよ。
「本当にラビがトップクラスなの?ちからは魔力で代用出来るにしてもすばやさとたふさは3だぞ?」
「戦力としては駄目だけど戦果、ドロップ目当てとしてはトップクラスよ」
「ラビの組むパーティーが仮に攻略組だったとしても攻略組だって良い武器防具や良い回復薬は欲しい、と言うか攻略組こそ欲しいだろうからダンジョンとの主の戦いには外されるだろうけどそれ以外のレベル上げや武器防具代を稼ぐ時にも居た方が良いから多分パーティーで一番レベルが高い人物になるわ」
「レベル上げの時も入れる理由は?」
「レベル上げ中も生活費は要るでしょ」と、
そりゃあそうだ、ゲームじゃないんだから宿代だけで良い訳が無い。
「じゃあラビをパーティーリーダーにして運8に鉄のお守り運+2で更に【ラッキーダンス】の+4で合計運14で挑むの?」
「ええ、【神楽】で更に+1されるのを期待してね」
「そんな偏ったパーティ能力のリーダーで勝てるの?」
「勝てるわよ、だって他のメンバーも鉄のお守りで強化出来るから」
「ラビは運+2の鉄のお守りで強化他のメンバーはちからすばやさたふさのどれか+2の鉄のお守りで強化」
「どう考えてもラビをパーティーリーダーにしてのちからすばやさたふさの低下より鉄のお守りによる強化の方が優れているわ」
「それにどうしても勝てないならラビの運+2を止めれば良いんだし、パーティー能力が良いメンバーをリーダーにしてレベルを上げてからラビに戻せばいいだけの話」
「それに今までの話はラビと同じパーティー能力の兎人族のより良い稼ぎ方の話でラビ本人の話じゃないわよ」
「ラビ本人の場合は……ちからすばやさたふさに6ポイント振って残りの6ないし4を運に振れば良いんじゃない?それで十分第2軍の主力になるわよ」ととんでもない話が出てきた。
「第2軍……」
「ええ、一応2チームないし3チームで行動する予定よ」
「それは何で?」
「その方が効率良いから」
「2チームでボスに挑めるの?」
「それは無理、あくまでランク3のボスまで行くのに効率が良いという話」
「2チームで挑めない理由は?」
「ボスの手前に扉が2枚有るのよ、で1枚目と2枚目の間に人が6人以下で1枚目を閉めて無いと2枚目が開かないの、で当然2枚目を開くと1枚目が開かなくなるの、だから無理」
思った通りの仕様でした。
「もしかしてランク3のボスを攻略するメンバーは決めているの?」
「私が勝手に決めたメンバーはいるわよ、大分予定と違う状況になったけど」
「教えて」
「最初に考えてたランク3の攻略部隊はユウ、私、ルル、ルーク、リサちゃん、ラルフ君よ」
「あれ?シシリーとナナリーは攻略部隊じゃ無いの?」
「ええ2人には子供を産んで貰いたかったから」
ちょっ、
「最初は、本当に最初は【技能派】のレベル上げの阻害で25年は掛かると思ったのよ、だからシシリーとナナリーは外してリサちゃんやルーク君やラルフ君を入れる予定だったのよ」
「僕もですか?」と不思議そうにしているルーク君、
「ええ、パーティー能力は低いけど判断力や洞察力は抜きん出ているから必要としているわ」とララさんが言うとルーク君が泣き出した。
まさかルーク君が泣き出すとは、
「あ、有難う御座います」
「それにその時にはルーク君のユニークスキルの【スナイプ】が弓のスキルっぽいになってたしね」
「私ルーク君は弓使いとして活躍しそうと思ってたんだ、だけどお金が掛かるしまだ小さいから矢も大量に持てないからお勧めしなかったんだけど……」
「ユウのスキル振り込む能力で【矢直し】どころか【アイテムボックス】持ちにもなれるから」とちょっと引かれた。
「そうですね」ルーク君にも引かれている。
「で、【アイテムボックス】持ちに出来るこの能力本当にやばいから【アイテムボックス】には振り込めない事にしましょう」とララさん、
「はい」とルーク君、
「分かった」本当は良く分かっては無いけどこれだけ皆に引かれるとヤバいは分かる。
「ユウ、【スナイプ】の効果教えて?」
ルーク君を本当に弓使いにする気か?
ルーク君がスナイパーか、
似合いそうだな、
ずっと息を潜めて待ち、一瞬で獲物をしとめる。
ルーク君が能筋剣士か隠密弓使い、どっちか言われたら当然後者、
俺もルーク君が弓使いは賛成だな、
普通に弓使いでやって行けるどころか国有数の弓使いになりそう、
その上俺のスキル振り込みで更に強化出来るから国一番どころか……、
……、
……、
あれ?俺とんでもない化物作らない?




