127話 魔獣術士 ①
「本当に良いの?」とララさんが心配している。
まあ普通は成らない方が良いっているのに成りたがるやつは居ないよな。
「取り敢えず何故魔獣術士が弱いのかの説明を」
「ええ分かったわ、魔獣術士はその名の通り魔獣が使う術を使う者の事よ」
「で、肝心の能力何だけど、基本となるステータスは術士の名の通り魔術師扱いだから当然ちから、すばやさ、たふさの能力が低めなのよ、まあ他の魔術師系よりはちょっとだけマシ何だけど本当に少しだけだからあまり意味は無いわ」
「そして問題のジョブスキル何だけど、まず魔物の攻撃の中には覚える事が出来る技が有るのよ、それを覚える為にはラーニング、このラーニングを持っている者つまり魔獣術士が覚えれる魔物の技を食らうと何故かその時に組んでたメンバー全員が覚えるのよ」
……これは仕様だな。
「で、問題なのは覚えても覚えたかどうかは分からないのよ」
「分からないの?」
「ええ、覚えたかどうかは魔獣技名ことスキル名を唱えて使えたら覚えてたと分かるだけ」
「そしてスキル名はレベル1にならないと鑑定や技能の巻物に表示されないのよ、つまり魔獣技の発動スペル名がちゃんと確認出来るのが何度も使ってレベル1になった時」
「だから私達が把握している魔獣技名ことスキル名こと発動スペル名は初めて魔獣術士に転職した時に例えばで教えて貰う【うずしお】と【ぶちかまし】の二つだけ」
「他の魔獣技の発動スペル名は見つかって無いのよ」
「つまり私達が使える魔獣技はジョブチェンジの時に例えばで教えて貰える2つだけよ」
クソ仕様だな。
召喚士と同じだな、まあ召喚士はスキル名とスペル名が違ってて発動しなかったんだが根本は一緒、プレイヤー視点でしか分からないと、
「じゃあ魔獣技名さえ見つかれば良いんだ」
「そうね見つけられそう?」
「ちょっと待って」
スキル一覧を表示させて魔獣技!
画面に【????】【????】【????】【????】【????】【????】【????】【????】【????】【????】【????】【????】【????】【????】【????】【????】……、
画面いっぱいに【????】が並んでいる。
試しに1つ開いてみると魔獣技です、自分で見つけてください。と表示された。
駄目か、これでスキル名と言うかスペル名が判ればすごく簡単だったのに。
「駄目みたいだ、自分で見つけてだってさ」
「誰がそれを言ってるの?」と不思議そうにしているララさん。
「いや、自分で見つけないとスペル名が表示されない様だ」
「見つけるって魔獣術士になって覚えれる魔獣技を食らってみるって意味で良いの?」
「多分そうだと、まあ魔獣術士になる為に鞭スキル上げてからの話だけどね」と言うと「ありがとう、貴方が選ばれて本当に良かったわ♪」
選ばれたのか巻き込まれたのかまだ分からないがな。
「所で使う事が出来る2つの魔獣技は使えないの?」
「使えないわね、……いえ使えるかも、いえ使えないになるのかな?」
「えっ?どっちなの?」と聞くと「貴方の所為で解らなくなったんですけど?」恨めしそうに答えた。
「先ず【うずしお】を説明するわね、この技はコースフィッシュと言う魚が唱えて来る魔法系の魔獣技何だけど、海の水に回転する流れを作る技よ、要は海での移動妨害系でダメージを与える技では無いわ」
「だから使えない」
「移動妨害系は使えないの?」
「移動妨害系は使えるわよ、問題なのは海でのよ」
「海だと移動妨害は役に立たないの?」と聞くと神妙な顔をして聞いて来た。
「私達人族や亜人族がどうやって海の魔物と海で闘えれるのよ」と、
……、
「えっ?」
「海じゃ呼吸も出来ないし重たい鎧は溺れさす為に有るような物、つまり圧倒的に不利な状況、海なんかで闘えないから海で闘ったりしないわよ」
「だから海で使う移動妨害系の【うずしお】は役に立たないわ」と、
「あっ洗濯物を洗うのには役に立つわね」と、
「いや、船で……」
「船に乗っても海の中から船底に穴開けられるだけよ、で沈没」
「いや魔物が船の甲板に上がって来て……」
「何で海の魔物が自ら絶対的に不利な甲板に上がってくるのよ?」
「大丈夫?」と本気で心配された。
「そうだ人魚族は?マーメイドなら海の中でも戦えるだろ?」
「さっき言っていた見つかっていない種族ね」と嬉しそうに、
「見つかって無いから……」と残念そうに。
……、
「もしかしたら……」とララさん。
「どうしたの?」
「居そうな場所に心当たりが……」
なんだと「どこなのそこは?」
「ライア公爵領よ、ランク5の山々に囲まれた海岸線が有って……」
「どうしたの?」
「その山々に囲まれた海岸に街が見えるのよ、そこに行くには細く長い道が有ってそこを歩いて行くと凄く大きなクラーケンと言う魔物に出会うのよ」
「それで津波を起こされ流されるのよ」
死ぬじゃねえか!
人魚の町の代案が出来なかった。
取り敢えずこれで、最悪時間を飛ばす予定で。




