126話 異世界の居合斬り
「ねえ?」とララさんが聞いてきた。
「何?」
「何?じゃなくて早く鉄の刀が見たいんだけど?」
「ああそうだね」
手のひらに鉄の刀を出した、出て来たのは武士の刀では無く神社に収める感じの木刀ぽい方の刀だった。
「木?」
「いや、中に刃が」と言って抜いてみた、
ララさんが食い寄ってきた、
「片方だけに刃が有るのね、これって斬撃も打撃もいけるって事でいいのかしら?」
「いや本当は峰で打ったら刀が壊れるから、峰打ちは創作らしいんだけど……」と言うとララさんが驚いた。
「峰打ちを知ってるの?」
「知ってるも何も我が地球の我が国の剣術で一番か二番かと言う位有名な剣術だからね」
「じゃあやってみて」
刀を抜いて峰の部分が前になる様に持ってララさんの脇腹に軽く当てた。
「これが峰打ち」
「えっ?そこは峰じゃないでしょ?」と、
「いやここが峰だよ、じゃあララさん的にはどこが峰?」
ララさんが刀の先を指さし「この先っちょが峰じゃないの?山だと頂上が峰でしょ?」
「確かに山の頂上を峰って言うけど刀は刃の裏側を峰って言うんだよ」
「じゃあこの側面で叩く場合は?」
「それは確か平打ち」
ララさんは少し考え「じゃあ鉄の剣だと峰が無いのね、だから峰打ちが使えなかった」と、
「じゃあ居合斬りを教えて」
「居合斬りはこうやって納刀した状態で」と言いながらララさんにけつを向け納刀して左腰に持って行った。
「で、こう」と居合斬りをした。
よしちゃんと抜けた、異世界物と言うより漫画のテンプレ、カッコつけて失敗するは免れた。
「凄いわねその技」とララさんが物凄く感心している。
「腰に剣を差した状態からもの凄く素早く斬る、芸術的な技だわ」
そりゃあ我が国が誇る最高傑作ですから居合斬りと言う技は♪異世界人にも分かるんだね居合斬りの凄さが♪
「でも最初の一撃にしか使えなさそうね」と、
「えっ?」
「最初の一撃で倒せないの魔物って?」
「ランク1ならいけるかもだけどオークとかは無理じゃないかしら?」と、
「その技で鉄を斬ることが出来る?」
「無理です」
「じゃあ無理ね」
マジか我が国の最強の技が異世界だと必殺の一撃にならないのか、しかも居合だから連発も出来ないしもしかして駄目スキルなの?
「成程ね、侍のジョブスキルは鉄の刀じゃ無いと発動出来なかったのね、だから今まで誰も【峰打ち】や【居合斬り】を使えなかったのね」
「それじゃあ侍が弱い理由は……」
「ええ、剣士とよく似た性能何だけどジョブスキルが使えなかった分使える剣士と比べて弱いと言われてたのよ」
「じゃあこれで問題解決?」
「いいえちゃんと他のジョブの人とジョブが侍の人との【峰打ち】や【居合斬り】がどう違うのかを調べないと」
「他の職業の人と性能違うの?」
「多分ね、初めて侍になった時に『貴方が就いた侍のジョブは前衛タイプでちからとすばやさとたふさと器用さが平均的に上がるジョブです、これといった特徴はありませんがこれと言った弱点もありません、能力は【峰打ち】に麻痺効果を追加します、【居合斬り】は剣筋に沿って衝撃波が飛んでいきます、【装備重量軽減(小)】で装備の重さを20%カットします』と、頭に語り掛けて来るらしいわ」と答えた。
「それで『【峰打ち】に麻痺効果を追加します』の部分、侍のジョブスキルで【峰打ち】に麻痺効果を追加しますだから本来の【峰打ち】には麻痺効果が無い事になるでしょ、【居合斬り】はも【居合斬り】に衝撃波が追加されてるって事でしょ?」と、
うん、そうだね合ってるわ、そうかこっちの世界の【居合斬り】は衝撃波が飛ぶのか……。
それ居合斬りじゃねええ。
「まだ確定では無いけど侍、武道家、舞踏家、召喚士が弱い理由が分かった、そして対処法も、弓使いと狩人も多分だけど……、後問題は……魔獣術士ね」
「そして魔獣術士の学習の性能から考えて……」と左手で右腕を掴み右手親指を噛んでいる風な恰好でブツブツと言っている。
その恰好指立てたら光線出ない?
「ユウ……」と暗い顔で聞いてきた。
「何?」と返した。
「あ、あのね……お願いが有るんだけど……」とさらに暗い顔で聞いてきた。
多分……落ちは……。
「ユウに就いて欲しいジョブが有るんだけど……その……魔獣術士何だけど……」と本当に言葉を濁しながらやっと言った。
「いいよ」
「えっ?」
「いやジョブの一覧見てた時に言ってたでしょ召喚士と魔獣術士は就かない方が強いって」
「で、召喚士が強くなる方法を見つけた、なら魔獣術士も見つけたい」
「そして魔獣術士のジョブスキルにラーニングが有るなら俺が就くしかないでしょ」
そう魔獣術士のジョブスキルのラーニングが俺の知ってるラーニングなら俺が就かないといけないんだよな、
だってどう考えてもメニュー開けないと駄目なジョブだから。
プレイヤー専用みたいなものだから。




