125話 鉄の剣
「そんなに簡単に溺れるの?」
「ええ普通は倒れ込んで水を飲んでも咽る位で済むんだけど、麻痺して倒れ込むと肺の方に水が流れ込んでしまうのよ」
「で、肺に水が大量に入ると呼吸が満足に出来なくなって死ぬわ」と、
麻痺マジでやべぇぇ。
「これで分かったでしょ防麻痺のネックレスや【麻痺耐性】と鉄のお守りが有ればサリアイネを育てる事が出来るという事が」と嬉しそうに言う。
「だからそれは今出来ないでしょ?」というと不思議そうにした。
「今出来なくてもいいでしょ?」と、
「えっ、何で?」
「何でも糞も今収穫時期じゃ無いでしょ?」
「えっ?」
「秋よ秋、10月に魔物に食われる前に大量に収穫するのに防麻痺のネックレスや【麻痺耐性】が必要になるんで有って2月終わりの今は必要無いわよ」
「世話するの収穫だけ?」
「今年はね、一応6月の田植えの時期に間に合えば無論田植えもするわよ」
「この世界の田植えってどうするの?」
「密集して育ってる苗を一定間隔に植え直して育ちやすくするのよ、他に病気の苗を抜いたりサリアイネを食べるコメクイバッタを狩っておけば10月頃に沢山出来るから収穫を増やせれるのよ」
「じゃあ今すぐは【麻痺耐性】は要らないんだ?」
「ええ、只6月に出来れば田植えをしたいのよ、でも【麻痺耐性】を覚える料理を作っても何日で麻痺耐性レベル2に出来るのかが分からないから今すぐにでも麻痺耐性料理でパラライズスネーク狩り作戦を開始したいのよ」と言われた。
……返しようが無い話だわ。
今すぐって今夜の飯がパラライズスネークの毒腺って事ですか?
異世界初料理が麻痺毒とかそれなんて言う罰ですか?
「じゃあ次の話行くわよ」と、
はいどうぞ次に行ってください。
「鉄の……いえ、アイアンソードを作ってみて」とこぶし大位の鉄の塊を2個渡された。
「いやまだ鍛冶師に成れないから作れないぞ」
「それを確認する為に作れるかどうか調べるのよ」と、
ん?一々そんな事を調べるの?まあ一応調べるか。
鉄の塊を片付けて生産!アイアンソード!と心で願うとメニューにアイアンソードと出ている。
アイアンソードを開いたら鉄の剣、鉄の両手剣、鉄の長剣、鉄の細剣、鉄の大剣、鉄の刀と表示された。
「あれ?」
「どうしたの?」
「いやアイアンソードを作ろうとしたんだけど……6種類有るよ」
「そうなのね……どんなのが有るの?」
「鉄の剣、鉄の両手剣、鉄の長剣、鉄の細剣、鉄の大剣、鉄の刀」
「大剣はおよそ分かるけどかたなは想像つかないわね」
「えっ、鉄の刀知らないの?」
「ええ御免なさい」
「じゃあ鉄の剣しか剣は無いの?」
「いえ、鉄の剣の他に鉄の両手剣、鉄の長剣、鉄の細剣も有るわ、アイアンソードで作れるのはその4つだけどアイアンショートソードで鉄の短剣、鉄のナイフ、鉄の鉤剣、鉄の包丁、鉄の出刃が有るわ、それとドロップで手に入れる木剣や火の剣も有るわよ、勿論ミスリルソードも有るわよ、高くて買えないけど」と、
「木剣作れないの?」
「スキルではね、木を削って作る事は出来るわよ、只手間を考えたら鉄の剣を買った方が良いし安い武器なら棍棒が有るから貴族の子供の練習用に使われる位ね」
「じゃあ鉄の大剣と鉄の刀を作ってみてよ」と、
生産!鉄の大剣!
材料、鉄120、ちょっ大剣過ぎるだろ、持てるかそんな物!
「鉄の大剣は材料が足りない」
「何が足りないの?」
「鉄」
「鉄?6㎏じゃあ足りないの?じゃあ後何㎏必要なの?」
「114㎏」
……、
「それ剣?」
「一応剣だね」
沈黙が流れる、
「じゃあ鉄の大剣は今度でいいわ、鉄の刀を作ってみて」
生産!鉄の刀!
材料、鉄1木0.2、
じゃあ生産開始!カンカンカン……出来た。
「えっ?」何で出来る?出来たらおかしいだろ?
「どうしたの?」とッララさんが聞いてきた。
「いや鉄の刀が出来たんだけど……」
「やっぱり出来るのね」
「いやおかしいだろ、鍛冶師に俺はまだ成れないんだぞ、それなのに……」
駄目だ意味が分からんぞ、瞬時に生産はまだ分かる、プレイヤーの方が有利で無ければ生産イベントが成り立たないんだから。
例えばポーション10個作ってくれとイベントが有った場合、PCがNPCと同じ能力ならNPCが普通に納めてしまう、と言うか依頼という形態にもならないだろう。
急募、1カ月でポーション100個納品出来る方、給料銀貨4枚とか、ポーション高く買い取ります、ポーション猫屋とか、冒険者ギルドじゃなく職業安定所、依頼じゃ無くて買い取りになる。
それもやっても美味しくないやるより魔物を倒してた方が良いになってしまう。
だから瞬時に生産は納得出来る、
だが鍛冶師に成れないのに【武具生成】が出来たら駄目だろ、鍛冶師に成る意味が無くなる。
生産職に成らなくても生産が出来るって生産職の利点が無いだろ。
そもそもMMORで転職出来るのがおかしい、そういうのは1人でやるやつだろ、
「何を悩んでいるの?」
「いや何で鍛冶師でも無いのに【武具生成】出来たのかが不思議で」
「不思義でも何でもないでしょ」
「どうして?」
「貴方が自分で言ってたでしょ、女神が私達より優位に立つ様にパーティー能力やスキル振り込みを出来るようにしたと、……ならそれを職業や生産にもしたとしてもおかしくないじゃない?」
……、
「えっ?」
じゃ何か、本来のPCより優れて能力に変えられてるって事?




