120話 ルルは鬼才
「殴る蹴る以外の技、投げ技、絞め技、関節技よ」
それ普通だろ、いやもしかしたらものすごい投げ技とか,間接決めて投げると同時に頭部に肘を落とすとかして無双三爆とか阿修羅撃とかそんなすごいのとかか?
「どんな技なの?動きだけでも見せてよ」と頼んだら「例えば投げ技はこうやって腕を取ってすばやく懐に入り込んで……こうとか」
一本背負いじゃねえか。
「関節技はこうやって腕を後ろに送って……こう」
痛い、
ドラマで刑事がチンピラを尋問する時にやるやつじゃねえか。
「絞め技はこんなのよ」
チョークスリーパーじゃねえか。
全部基本技じゃねえか。
「何でこんな基本技なの?」
「あら知ってるのね」とララさん、
「その言い方だと貴方の世界じゃあ投げ技や絞め技や関節技は発達しているのよね?」
「いや極端に発達している訳では無いけどそれよりもうちょっとだけマシってくらいの技は沢山有るよ」
「貴方の世界には魔物が居ないのよね?」
「ああ」
「じゃあ武術は対人型に特化しているのね、だから色々な技が有るのね」
「えっ?」
「今のは一応他の人も知ってる人が偶にいるくらいの技で、ルルは他にも色々見つけ出したけど、基本は今の誰でも考え付ける位の技を知ってる人が居る位なのよこの世界の体術は」
「何でそんなに体術がしょぼいの?」
「魔物には掛けられないからよ」
あっ!
「無論ホーンラビットに絞め技とか出来るわよ、でもそれが有効か?って聞かれたらそうとは言いにくいでしょ、だって掛けずらいし、それにスケルトンや植物系には効かないしね」
「投げ技、絞め技、関節技って色々な魔物と戦わないといけないこの世界で覚えても使えない敵が多すぎるのよ」
「それなら大概の敵に有効な【正拳突き】や【爆裂脚】という打撃技を主体にした方が良いでしょ」
そうか地球の武術って対人戦特化と言うか対人戦しか使えないのか。
「だから普通は投げ技、絞め技、関節技を覚えるより打撃技を覚えた方が強くなるのよ魔物相手には」
「でもルルは投げ技や関節技の入り方やもって行き方は優れているから使えるわ」
「えっ使えるの?」
「ええ、ビッククロウ何かは投げにくいであって投げられないでは無いから」
「後単純に対人戦には有効なのよ、だから亜人族には当然有効だから公爵家の娘なのに護衛付けずに買い物も行くのよね、まあわたしがいかせたんだけど」
「大丈夫なのそれ?」いくら何でも油断しすぎじゃあ?
「正直言うと……護衛のシシリーと護衛対象のルルがいい勝負出来るのよねレベル差80なのに」
「それ本当なの?」
「流石に勝てないけど襲われても逃げ出す事が余裕で出来るから殺されるか?殺されないか?という意味では勝てるのよ」
「そんなに凄いの?」
「言っとくけどシシリーは天才だからね、すばやささえ最低値じゃ無ければ王子のランク3攻略組に選ばれるレベルだからね、それをルルは越えてるからね」と妹を自慢した。
流石に親の欲目ならぬ姉の欲目だろう。
「それじゃあルルさんは王子のランク3の攻略組に組み込まれたの?」とちょっと意地悪した。
「それは……私達は【技能派】持ちだから……選ばれなかったわ」とものすごく落ち込んだ。
しまった、軽口のつもりがトラウマ抉ってしまった、
修正しないと……、
「……つまり、本来は王子のランク3の攻略組に組み込まれるレベルの逸材、それが【技能派】のレベルアップ阻害の為に落選、でも俺の能力で解消した上にパーティー能力振り込みとスキル振り込みして鉄のお守りで更に強化、……ランク3攻略出来るね」と言うと後ろを向いて「そうね」と、
お前今どんな顔をしているんだ?
ちょっとよく考えよう、
武道家は武器を装備出来ない、でも素手でも強いってのが基本の職業。
無論それはパーティー能力を振り込んでの事、無論前衛向けに振り込んでの強さ、
つまり普通は振り込んでちから9すばやさ9たふさ9きようさ5まりょく5うん5の能力でにランク2のネックタートルに挑むなら鉄のお守りで更にちからを2上げて挑むのが普通、
例えば剣士がちから9で鉄の剣10なら合計で19の威力、ちから10なら20の威力になる、
だが武道家ならちから9で18の威力なら10なら20の威力になる。
それが平均5で闘ってるんだから剣士が15、武道家10、ルルさん8、バン・バカバンは16、
なら鉄のお守りで2上げたら剣士は2の増加でも武道家は4の増加になるから剣士17、武道家14、ルルさん12、バン・バカバン20になる。
こう考えるとランク2はちから8だと適正レベルの90を50も超えてやっと剣士と対等って事はちから10で鉄のお守り2で12にして挑むのが普通って事かな?
後ゲーム的な事も考えると適正で殺すか殺されるかのバランスだと考えると普通のゲームより攻撃力があまり上がらず防御力が上がるタイプの様な気がする。
「武道家と舞踏家が弱かった理由はパーティー能力を振り込めなかったからね」とララさんが俺の顔を見て聞いてきた。
「ああそうだね」
「って事は当然剣士何かもそうなんだから」と言い考え込んだ。
「本来はもう少しレベルが低くても挑む物、つまり2年とかで挑めるのね」とララさんが言った。
その目は鋭かった。
人魚の町の話が最近見た異世界アニメの海岸の町の話とモロ被りした。
どうしよう?カットするにしても人魚の話は書かないといけないし……、
一から作り直さないと。




