107話 魔導書
バンパイヤがMPポーションを持って逃げた?
「MPポーションは価値が高いの?」と聞いたらララさんが変な顔をした。
「ええ、ものすご~く価値が高いのよ」とものすご~くを強調された。
「何故なら最初にダンジョンを攻略した時にしか手に入らない物よ、だから当時は王令でバンパイヤにMPポーションを譲れと御触れが出てたのよ、なのにバロン候爵家はそれを隠し持ってたのよ、だから権利はバンパイヤ族に有ったから盗まなくても手に入れれたのよ」
そうか生産出来ないこの世界の住人にはMPポーションは極レアか。
ゲームでもそれなりに貴重品だからな、まあそうなるわな。
「でもバンパイヤ族はそれを知らなかったのか、信用してなかったのかは分からないけど持ち逃げしてしまったのよ、おかげで【ファイア】の習得者が物凄く減ったわ」
「えっ?それは何で?」
「ファイアを覚えるには普通はファイアの書が要るのよ」と今度は普通を強調された。
「それでファイアの書はファイアドールが落とすんだけど、ファイアドールは火を吐くのよ」
「それでその攻撃を食らうと火傷(小)や火傷(中)を負うのよ」
「だけどバンパイヤは火傷(中)すら癒すほどの回復能力を持っているのよ、だからバンパイヤ族がファイアの書を手に入れてくれてたのよ、だけど居なくなったからファイアの書が簡単に手に入らなくなってファイアを覚えている人が減ったのよ」
「だから大概の黒魔術師は攻撃魔法を唱えれないのよ」と、
「えっ?じゃあ何で黒魔術師になるんだ?」
「攻撃魔法以外にも黒魔法は有るのよ【スリプル】とか【ポイズン】とか、それは黒魔術師になった方が成功確率や効果時間が上がるから一応攻撃魔法を覚えて無くても黒魔術師になる意味は有るのよ、だけど黒魔術師になある最大のメリットは【町帰還】よ」
「【町帰還】で最後に立ち寄った街に瞬時に戻れるからランク2のダンジョン攻略している人達は大概黒魔術師を入れているわ」
「だから黒魔術師はランク2以上のダンジョン攻略メンバーには大概いるのよ」
「【スリプル】や【ポイズン】って使えるの?」
「それなりかしら?ただ効かない敵もいるからどんな敵にも有効では無いから戦力としてなら剣士なり盾士を入れておいた方が良いわね」
まあそうだろうな、そういうもんだ、ましてパーティーポイント振り込めないから魔力が低いし、スキルポイントも振り込めないから、ゲームならスリプル使いにするならまず間違いなくスキルポイントを殆んど使って【スリプル】のレベルを上げる、普通はそれをした上での使える使えない判断だからね。
まして普通は攻撃魔法が主軸だから、あくまでサブだからなスリプル何て、
「じゃあ【町帰還】の為だけに黒魔術師をパーティーメンバーに入れるの?」
「為だけってそれがどれほど凄い事かを分かって無いわね貴方は」と怒られた。
「ランク2のダンジョンは大概2~3日掛かる所にあるのよ、それでダンジョン探索に2日掛けるなら黒魔術師が居ないと帰りの分の食糧も持って探索しないといけないでしょ、1日1人当たりの食糧消費を1㎏水1㎏として2㎏6人分で12㎏、だから黒魔術師が居ないと3日分の36㎏を多く持たなければならなくなる、当然6人で分けても6㎏重くなるから体力消耗で戦力が落ちるし、何より経費が掛かる、道中にも魔物が出るし当然食糧以外にも経費が掛かるから単純に経費が5対8では無いけど減るのは確実だから黒魔術師を入れるは当たり前の事なのよ」
「そうか」
ここまでの話で気になる事は……、
生産!MPを回復するアイテム、
マジックキャンデー、MPポーション、スピリッツドリンク、エーテル、ソーマ、ミドルMPポーション、ミドルエーテル、魔力の指輪、スピリッツリッカー……等々、
うんいっぱいあるね。
次生産!魔法を覚えれるアイテム、
ヒールの書、ケアの書、ポイズンキュアの書、パラライズキュアの書、プロテクトの書、スピーディーの書、ホーリーの書、ファイアの書、アイスの書,サンダーの書、スリプルの書、ポイズンの書、ウォーターの書……等々、
当然サークルヒールの書やオールファイアの書もある、更にエクスファイアの書もある、メテオの書やエクスプロージョンの書はないが、多分これはイベント系で覚えるやつだろう。
やっぱり!ヒールの書やファイアの書でヒールやファイアを覚えるんだからスリプルやポイズンも同じく書で覚えれると思った、そして4つも有るなら他にも有るはずと思ったが、予想通りと言うか案の定というか殆ど全ての魔法が魔導書を使うで覚えられるみたいだ。
まあこの可能性は高かった、スキル振り込み無しで考えると、剣術何かのスキルは使う事によって覚えれる、なら魔法はどうするんだ?という事になる、ファイアを覚えるのにファイアを使うなんて無理なんだから、仮にファイアをマッチで覚えれるにしてもオールエクスファイアとかどうするの?
マッチじゃ無くて街を焼けとでも?1000回町焼くとか魔王でもしないわ。
つまり魔法の覚え方はスキルポイント振り込み以外に生産した魔導書で覚えれるという事か、
良し【簡単調合】でどこまでの魔法を覚えれるか調べよう。
【簡単調合】で作れる魔導書、ミドルヒールの書、サークルミドルヒールの書、オールミドルヒールの書、スローリミドルヒールの書、ミドルケアの書、オールミドルケアの書、サイレスキュアの書、カースキュアの書、ストーンキュアの書、エージングキュアの書、プロテクトの書、スピーディーの書、ミドルファイアの書、サークルミドルファイアの書、オールミドルファイアの書、ミドルアイスの書、サークルミドルアイスの書、オールミドルアイスの書、ミドルサンダーの書……等々、
あれ?何でヒールやファイアの書が無いの?




