表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

『猫に小判』

 授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。

 それと同時に鳴り始める携帯電話。

 画面を確認すると、そこには『相模先輩』と表示されている。仕方なく電話に出ると直ぐに切られた。

━━━一体何の目的だろうか。大体検討は付くが、ここは敢えて何も考えないことにした。

 荷物を片付けて僕は教室を出た。今までなら、このまま家に帰る所だが昨日から僕には放課後に行くべき所が出来た。

 そこは、北館と呼ばれる余り綺麗ではない校舎にある文芸部室だ。

 今日は一体どんなことわざを現代風にしろと言われるのか。

 やがて、部室の前に着いた。一息ついてから、扉を開ける。


***


 「いらっしゃい、信濃くん。早速だけど今日は『猫に小判』を現代風にしてちょうだい」

━━━早速、丸投げですか。先輩。

 そんな僕の心の中を露も知らないのか、相模先輩はこう問うてきた。

 「流石に、意味は分かるわよね?」

 「はい、もちろん。どんなに価値が高くても、その事がわからない者にとっては値打ちがなくて、役に立たないことですよね」

 そう答えた僕に先輩は良くできましたと言わんばかりの拍手をする。

 「やめてくださいよ。大したことじゃないですから」

 「そうねぇ。常識だもんね」

━━━いや、そうだけど。そこは、謙遜しないでとか言うところじゃないですか? 違いますか?

 そう思っていると先輩はこちらをじっと見ている。

 「あの。先輩? どうしてそんなに見ているんですか?」

 「⋯⋯あっ、私良いの思い付いたわ!!」

 先輩は嬉しそうに手を叩いている。

 「ほら、『お百姓に、将門の首』なんてどうかしら?」

━━━手を叩いてまで喜んでいるのに明らかに時代が違うんだよなぁ。注意するべきかな? 

 そう迷った挙げ句、一応注意することにした。

 「相模先輩。さすがに、それだと現代風にはならないんじゃ?」

 「だったら、信濃くんが考えてよ」

━━━先輩が若干怒っているけど、これって僕に非があるんですか? どうですか、知恵袋の方々?

 仕方なく考えることにした。

 しかし、現代風にしろって言われても中々浮かばない。猫に小判か。

 今の時代に価値があると、言われているもの⋯⋯インターネット?

 なら、猫に代わりになりそうなもの?

 動物でかつ情報を取り扱うものと言えば⋯⋯⋯⋯そうか、伝書鳩だ。

 だから、『伝書鳩に、インターネット』と言うことだな。

 「先輩。出来ましたよ」

 「結構早かったのね。じゃあ、聞かせて」

 「はい。『伝書鳩に、インターネット』です」

 「伝書鳩が、インターネットって中々上手く考えるわね」

━━━良かった。気に入ってもらえたみたいだ。

 先輩は早速ノートに書きはじめた。そして、書き終えると僕にその文面を見せてきた。


 た行

  『伝書鳩に、インターネット』

   意味⋯⋯一昔前に情報網として大活躍役立った、伝書鳩。そんな伝書鳩でも、インターネットをうまく使えないので全く価値がわからず、役立てられないという意味。


 昨日と同じならこの後先輩は満足そうに帰るはずだったのに、もう1つと言わんばかりの表情を送ってきた。

━━━マジですか。まだやるんですね。わかりました。 


 


 


 今日は後もうひとつ投稿します。

 もし楽しんでいただけたなら、ブックマークや評価をしていただけると幸いです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ