第七話
先週は風邪ひいててダウンしてました…すみません
今週も短い、というか前回の後編みたいな感じです。できれば一話にまとめたかった。
それでは、どうぞ。
もう一度言おう。ラビと私たちの生活が終わったきっかけは、エマスの誕生だった。
誤解してほしくないんだが、直接的な原因が君にあっただけであって、君のせいではない。だから、君は自分が生まれたことを後悔しないでほしい。きっとラビも望んでいるだろうから。
君という存在をラビが作ろうと思ったのは、意思を持った人形が生まれてからではないかと思う。
意思を持った存在ができた。それならば、人間の姿に近づけることで、ゴーレムを道具としてだからだけでなく、良き隣人として見てくれるようになるはずだ。
ラビはきっとそう考えたのだろう。
だから、君を『ゴーレムにとっても、人々にとっても大切な存在』と言ったんだ。
でも、ゴーレムという存在はあくまで兵器でなければならなかった。自分たちにそっくりな存在を兵器として扱うことを人間は嫌ったらしい。軍部の連中は人型人形の存在を抹消するよう、ラビに命令した。
そんなこと、ラビにはできなかった。
ラビは、秘密裏に人型人形をここに運んだ。そして、抹消した報告をし、私に今までのことを話し、姿を消した。
彼が前もって交渉してくれたおかげで、私たちは鉱石資源の提供を条件に生存が許された。私たちは生活の傍らで、人型人形の起動を進めた。ラビがいなくなってしばらくして、エマスが起動した。
だから今、私たちがここにいる。
ただ、人型人形は抹消していると人間は考えていた。だから、エマスの姿を人間に見せてはいけなかったんだ。なぜあの人間はそうしなかったかわからないんだが、よくて連行、悪ければ即時破壊もされていたかもしれないんだ。
でも、人間はエマスのことを知ってしまった。私はラビの指示通りに、君たちに話した。ラビからの、最後の伝言だ。
「エマスの存在を知ったら、奴らは何かしら手を打ってくるだろう。でもそこに私はいないから、どうしろとは言わない。自分たちの弟を、そして自分自身を、守り抜いてくれ。私の大切な息子たち」
さあ、話し合おう。私たちゴーレムの未来を。
先週休んどいて何なんですが二週ほど執筆できそうにないのでお休みします。
次回は12/16 10:00更新です!