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第六話

説明回。プラチナ視点です。


前回のルビーとガネトの形式番号S-○が間違っていたので訂正しておきました

 ―――君たちに、ついにこれを話すことが来たとは。ラビから聞いていたけれども、こんな機会が本当に来るとは思っていなかった。まあ、皆座ったまま聞いてほしい。この世界、私たち、そしてラビについての話だ。少し長くなるかもしれないがしっかり聞いておくんだよ、特にルビー、ガネト。


 さて、どこから話すべきか。まずは、ラビについてかな。

 ラビ、と私たちが呼んでいる人物は、ラピス、という名前の人間だ。彼の仕事は開発局の局員で、魔力効率の良い魔道具の開発に携わっていた。彼は優秀な職員だったからね、他の部署から仕事の依頼が舞い込んでいたみたいだよ。


 そんな彼に、ある日一つの仕事が舞い込んだ。軍部からの、新型の兵器の依頼だった。その兵器とは、対自然洞窟型迷宮用魔道兵器―――ゴーレムのこと。彼は、ゴーレムの開発のための実験機を作ることになったんだ。

 どうした、エマス?「対自然……」がよくわからなかった?それについては後で説明しよう。私たちを想定したもの、くらいに考えてくれ。


 軍部からの依頼を受けたラビは、他の仕事は別の局員に任せて没頭したらしい。設計、材料の確保、整形、動作のための術式の構成、動作の確認……それらを自分一人で黙々とやりこんでいた時間のことや、その構造の仕組みについて、後にラビは楽しそうに私に教えてくれたよ。

 そして、あっという間に彼は依頼を終わらせた。ゴーレムを完成させたんだ。それがI-1―――ラビはプラチナと呼んでくれたもの―――つまり、私だった。

 彼は、私の誕生を心から喜んでくれた。私が彼の言葉を理解し、応えていると、彼は手を叩いたり、私の表面からだを叩いたりしていた。


 しかし、私の誕生は軍部からは良く思われなかった。それは、軍部の望んでいなかった機能―――思考し、自分で判断する意思が、私に備わっていたからだった。


 それは、奇跡に近いものだったのかもしれない。原因は術式の影響だったみたいだけれど、ラビが想定したうえで術式を組んだのか、ラビは教えてくれなかった。

 兵器として生まれた私は、意思を持つべきではなかった。軍の命令に絶対服従する道具でなければならなかった。軍部にとって、意思を持った私は欠陥品だったんだ。

 でも、ラビは軍部を説得し、私を廃棄せず「観察を続ける」ということを確定させてくれた。


 私はこの地下に移された。一人じゃ寂しいからと、、彼はおとうとたちを作ってくれた。ダイヤが生まれ、ゴルド、シルヴァが生まれ、トパーとカーパーが生まれ、ルビーとガネトが生まれた。ラビと過ごしたこの日々は楽しかったなぁ、皆。

 このまま、その狭い空間でラビが死ぬまで過ごすのも、悪くないんじゃないか、と私は思っていたよ。


 でも、そうはならなかった。それは、エマス、君の誕生が原因となったんだ。

説明は来週まで続きます。長くてすみません……

次回更新は11/18 10:00 予定です。

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