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第五話

少し書き方を変えてみました。読みやすくなっていれば幸いです。

「一体突然どうしたというのだ、S‐3エス・スリーS‐4エス・フォー……ッ!!お前は、何者だ!」

 青い軍服のような服を身にまとった、若く健康そうな容姿。突然現れた彼は、前世の自分の記憶にある人間の姿そのものだった。銃器は持っていないようだが、剣を腰に下げていることから、本物の軍人なのではないか、と衝撃でうまく働かない頭の片隅で考える。


「(しゃべるなよ、エマス。動くのもなしな)」

 ダイヤは俺にだけ聞こえるように呟く。損言葉で俺は衝撃から覚め、少し首を縦に振ってこたえて見せた。


「お、お前とは誰でありましょうか!人間様!」

「わ、わたくしどもにはさっぱりであります!」

 ルビーとガネトが下手な誤魔化しをするように叫ぶ。いつもの自由人なふるまいが鳴りを潜め、妙にへりくだった言いようをしている。


 彼らに対し、人間は冷静に問いかけた。

「とぼけるな。そのS‐1エス・ワンの横にいる、人間のようなナニカのことだ。ここにいるんだ、人間なわけがないだろう」

「はて、私たちには何のことか……」

「人間様には私たちに見えていないものが見えているのでしょうか……」

「きっと、人間様は疲れているのですよ!さあ、地上にお戻りくださいませ!」

「くどいぞ、S‐3、S‐4!」

 人間のいうS-○という呼称は俺の兄たちのことを示しているようだ。そして、ルビーとガネトは俺のことを隠そうとしている……?


 隠そうとし続けるルビーたち、いら立ちを隠さなくなった人間。この膠着を崩したのは、俺の横から発せられた声だった。

「もういいんじゃねぇの、S‐3、S‐4」

「S-1!」

「聡明な人間様のこった、こいつのこと話すまで帰らねぇよ。そうでしょ?」

「当たり前だろう。S-1、こいつは何だ?」

「俺たちの末弟です。つまりはラビの最後の作品。人型人形ヒューマノイド……いうなればH-1ってとこでしょうか」

「……そんなものをお前たちは今まで隠してきたと?」

「隠すな、とは言われませんでしたからね」

 憎々しげに睨んでくる人間の追及を、ひょうひょうと受け流していくダイヤ。どんどん険悪となっていく雰囲気に、ルビーたちは逃げ腰になっていた。俺も逃げ出したくはあったが、余計状況が悪化すると考え、その場にとどまっていた。


 しばらく口論は続いたが、空気は悪化する一方であった。

「まあいい。H-1の存在隠蔽については後日追及する。ひとまず、H-1はこちらで管理する。こちらへ寄越せ、S-1」

「それは無理ですね。拒否させていただきやしょう」

「どういうつもりだ!?」

「どういうつもりも、H-1を我々で教育、管理するのはラビの意志であり、命令です。我々がラビの意志を最優先させることはご存知でしょう?」

「それはお前たち全員の意志か?S-3?」

「は、はい!H-1はお渡しできませんであります!」

「たとえそれが人間様のご命令であったとしても!申し訳ございません!」

「ええい……!」


「とはいえ、ただで帰っていただけるとも思ってません。これを持ち帰ってください」

 そういって、ダイヤは左腕を前に出した。

「これが俺なりの誠意ってやつです」

「ダイヤ!」

 俺、ルビー、ガネトが静止の声を上げる。しかし、ダイヤの意志は固いようであった。

「貴重な鉱石でできた岩石型人形ストーノイドの一部。それが腕一本もありゃあ、鉱物資源はだいぶ賄えるんじゃないですかね?しかも岩石型人形ストーノイド第一機体の左腕だ。謝罪の意思を見せるうえでも上の人間様方も文句はないと思うのですが」


 しばらくの間の後、人間はため息をつき、剣を抜いた。

「わかった。それで手を打ってやろう」

 彼は何事かを呟くと、剣を振りぬいた。剣筋は青く光り、ダイヤの左腕が肩近くからずれ落ちた。

「ありがとうございますね、人間様」

「許したのは今、私が、だ。上には報告すれば、誰かが派遣されることになる。私自身もいずれまた戻ってくるだろう。この私、アンテの名、覚えておけ、S-1」

「アンテ様、ね。忘れずに覚えておきましょう」


 そうして、彼は去った。そこに残ったのは、ただ立ち尽くした俺と、リビー、ガネト、そして左腕のないダイヤであった。




「ダイヤ、無茶はするものではないよ」

「どうせ直せるんだからいいじゃねえか」

「だからと言って荒っぽい方法は使わなくてもいいんじゃないかと、私は思うね」

 その日はそれ以上仕事をすることなく、俺たちは食堂へと戻っていった。エレベーターの方にいたプラチナたちも、アンテが帰ったことで仕事を終わらせることにしたらしい。

 今は、皆石を摂取しょくじしながら話している。ダイヤは、左腕の修復のためかいつも以上に食べている。

「しかし、あの人間様はいきなりなぜ採掘場を見学したいといったんだろうな」

「……監視。もしくは、確認。仕事をさぼっていると思われている可能性がある」

「最近生産量減ってた……わけじゃないよな、ゴルド。それはないんじゃないの?」

「あ、でも俺たち見回りの時間増やし始めたから、それで減ったのかもよ、カーパー」

「こういう風にだべってる時間減らせばいいんじゃないか……」

「棒立ちエマスがそういうこと言うのかー!」

「そんな正論言ってるとその石もらっちゃうぞー!」

「お前らも似たようなもんだったろうが!」


「皆、楽しく食事しているところ悪いんだが、ちょっといいかな」

 と、突然プラチナが切り出した。

「人間が私たちの生活圏内に入ってきたこと、エマスの存在が知られてしまったこと、今日は大きなイレギュラーが出てしまった。これから起きることを考えるためにも、君たちに伝えなければいけないことがある。」


「実は、ラビが私にだけ教えてくれたことがある。それは、この世界の、……私たちの真実だ。」

前話までを書き直したいのにその時間がない…


次回更新は11/11 10:00予定です。

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