CHAPTER1 PART4-1
「ん〜…。
どこにいけばいいのかしら」
目が覚めると、あたしは森の中にいた。
大きな木がたくさん茂っていて、見たことのない花やツルとか、植物がたくさんある。
少なくとも、あたしの家の近くにはない森。
さんざん歩き回ったけど、同じところをぐるぐる回ってる気がする。
あたしは、近くにあった大きな木の根元に座った。
「足…疲れちゃった…」
(だいたい、何であたしこんなとこにいるのかしら。
もしかして、白うさぎさんの言っていた“ワンダーランド”は実在して、ここがそのワンダーランドだっていうの?
……違うよね。
あたしは、迷子になっただけ。
きっとすぐ、お母さまが探し出してくれるわ…)
ガサッ
(……!?)
「誰っ!?」
あたしのすぐ隣の草むらで音がした。
ガサガサッガサッ…ガサッ!
「きゃあ!」
(…あれ?)
影が出てきたと思って身構えたけど、何も起きなかった。
「えっ」
そこには、ピンク色の耳をつけた、真っ白い髪の男の人がいた。
「あ…あの…」
「ああ!ごめん!
驚かせるつもりはなかったんだ」
男の人は、あたしを見て謝った。
「えっと…、俺はチェシャ猫。
君は?」
チェシャ猫と名乗った男の人は、あたしと同じ高さまで屈んだ。
「あたしは…アリス。
よろしくね、チェシャ猫さん」
突然のことに驚いて、少しぎこちなかったかもしれないけど、出来るだけの笑顔で答えた。
すると…、
「アリス…?」
「はい」
「アリス」
「はい」
「………」
「……?」
「…アリス可愛いっ!!」
「きゃあ!」
チェシャ猫さんがいきなり抱きついてきた。
(…わ、…髪の毛ふわふわしてる…。
ってそうじゃなくて!
これはどういう状況!?)
「あのチェシャ猫さ…」
ビュッ
トンッ
(……へ?
今…チェシャ猫さんの後ろを何かが通ったような…)




