CHAPTER3 PART7-2
「あーあ。
ジャック死んじゃったか」
剣を回し、ブンブンと音を立てながら、呑気な声でこちらに歩いてくるのは…。
「ジョーカー!」
「…来ましたか」
出来れば会いたくはなかった…と、帽子屋さんが呟く。
「今からするべきことについて、説明はいらないよね?
君も、ちゃんとわかっているだろう?帽子屋」
怪しい笑みを浮かべるジョーカーに、帽子屋さんは剣を構える。
あたしは、庭の端まで動いて、木の陰から2人を見た。
「はは。
そうそう…そうこなくっちゃ」
ジョーカーの顔から笑みが消える。
「じゃあ、いこうか」
途端に、激しい交戦が始まる。
あたしは、何も出来ないことが悔しかった。
「…、ねぇ!
帽子屋さんはさぁ!
どうやってアリスに取り入ったの!」
「取り入る?
そんな馬鹿馬鹿しいこと、するわけないでしょう!」
「だったら…、なんで!!」
「うわ!!」
帽子屋さんの剣が弾かれ、宙を舞う。
「なんで…君にばかり優しい顔をするんだ!」
ジョーカーの剣を、間一髪避ける帽子屋さん。
「チッ…。
知りませんよ!!」
そしてすかさず剣を取り、体勢を立て直した。
「私はただ、自分の思う通りに生きてきただけです!」
「思う通り…?
それなら俺と同じじゃないか…。
なのに……なのになんで!!」
「くっ…」
押されつつも、必死に耐える。
「一つだけ…、あなたと私で、決定的に違う所があります!」
「…なに?」
「私は思う通りにしてきましたが…、いつも他人を気にかけて生きてきたつもりです!
それが、あなたはどうですか!?
自分の理想を押し付けて、相手の顔を見ようともしないで…、それは…ただの自己満足です!!」
「自己…満足…だと?」
ゆっくりと、ジョーカーの動きが止まった。
「……そうです。
アリスを見ていて、気づきませんでしたか?
アリスは…本当に笑っていましたか?」
「本当に…笑って…?
……!!」




