CHAPTER2 PART11-1
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「……あ、また向こうに立ってる」
今日もまた、ロードは立ったまま遠くを眺めていた。
(最近のロードは変だわ…。
出会った頃と何かが違う…)
「ロード」
「…ん?
ああ、アリスか」
あたしに気づいて微笑んでくれるも、その笑顔はどこか渇いていた。
「ロード…。
……あ、あのね!
この間の昔話ね、帽子屋さんに聞いたの!」
ロードが聞きたがっていたのを思い出して、とりあえず言ってみた。
でもロードは、聞いてきた割にあまり興味ないみたいで、
「帽子屋…ねぇ…」
としか言わなかった。
しかも、
「な、なに…?」
無言であたしをジッと見つめてくる。
「………アリス、何かあった?」
「…え?」
「雰囲気変わった…」
(雰囲気…?
もしかして……、帽子屋さんが好きだと自覚したから…?)
自分で改めて考えると恥ずかしい。
赤くなったであろう顔を見ながら、ロードは首を傾げる。
「アリス?」
「……あ、あのね…。
それはたぶん……す、好きな人ができたから…だと思う…」
顔を両手で隠しながら、正直に答えた。
ロードはあたしの夢の中の人だし、気が置けない人だから…。
そんな風に思って、ロードに話したのが間違いだった。
「……アリスは、その帽子屋が好きなの?」
「え!?
…う、うん」
いきなり当てられて驚いたけど、頷いた。
何も考えずに。
「…!?」
黙ったかと思ったら、ロードは勢いよくあたしの両腕を掴んだ。
「ロー…ド?」
「あーあ。
こんなことならもっと早く捕まえるんだった」
背筋がゾッとした。
ロードの、低く這うような声は初めて聞いたから。
「アリスは今、帽子屋のとこにいるんだよね?」
「………あのっ…」
「俺だけのお姫さま…。
俺だけの…」




