表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/51

CHAPTER1 PART1-2




「…飾りじゃないよ。

本物だよ」



(まぁ、本物だなんて変わった子ね)


あたしは、子供の冗談としか思わなかった。



「あなたの名前は?

どこから来たの?」



とりあえず気になっていることを聞いてみた。



「僕は白うさぎ。

ワンダーランドから来たんだ」


「白うさぎ?

ワンダーランド…?」



(白うさぎなんて変わった名前。

それにワンダーランドってどこかしら。

そんな街の名前、聞いたことないわ。

……あ!わかった!)



「そう。

白うさぎさんはワンダーランドから来たのね」



あたしは子供の空想だと思って、付き合ってあげることにした。



「白うさぎさんは何をしに来たの?」



あたしが聞くと、白うさぎさんは俯き、またすぐ顔を上げて言った。



「…僕は、アリスを迎えにきたんだ」



(あたしを迎えに?

…あたしの名前を知ってるってことは、友達の知り合いの子ね。

もう、誰がこんなことしたのかしら!)



「そうなの。

どこへ行くの?」


「ワンダーランド。

来てくれる…?」


「えぇ、もちろん。

行きましょう」



(ワンダーランドとか言って、どこかのお家に行くつもりなのね。

婚約パーティーも嫌だったし、丁度よかったわ)



すると男の子は、自分の首にかけていた銀時計を開いた。


その瞬間、あたしと男の子の足下に時計のような模様が現れた。



「あらら?」



(何だろう…これ…)


訳がわからず固まっていると、急に眠たくなってきた。


寝てはいけない気がする。


でも、眠気に勝てない。



「………」



あたしは堪えられず瞼を閉じた。



「ごめん……、ごめんね、アリス…」



ごめん…と、ひたすら謝る男の子の声を、最後に聞いた気がする。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ