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CHAPTER2 PART4




─────……………



「アリス」


「あ、ロード!

嬉しいわ、また会えて」


「俺もだよ」



これで3度目。


こうして会うのが当たり前みたい。



「はい、アリス」



そう言ってロードが取り出したのは、トゲが一つもない、一本の薔薇だった。



「これ…」


「トゲを全部落としたんだ。

約束通り君にあげるよ」



ロードはあたしの耳と髪の間に、そのトゲのない薔薇を刺した。



「ほら、似合ってる」


「あ、ありがとう…。

……って、ロード!

指、いっぱい怪我してるじゃない!」



あたしが気づくと、ロードは慌てて手を隠した。


(手が包帯だらけだった…。

もしかして……)



「トゲ…自分の手で落としたの…?」



あたしが聞くと、ロードは苦笑いをしながら頷いた。



「大丈夫。

全然平気だから」


「でも…痛そう…」



泣きそうになっていると、ロードが「そうだ」と言い、手をヒラヒラさせた。



「アリスがキスしてくれたら治るかも!」



ロードは「ねっ」と言って笑う。


冗談だとわかっていたけど、



「………」



チュッと、ロードの手を引っ張ってキスをした。



「…えっ」



やった後に恥ずかしくなって、俯きながらロードを見ると、ロードは顔を真っ赤にして固まっていた。


(…へ?)



「ロード…?」


「……え、あ……え…?」



あたしよりも、ロードの方がびっくりしていたのに、あたしは驚いた。



「な…なによ…。

ロードが言ったんでしょ…!?」



わたわたしていると、ようやくロードが現実に帰ってきた。



「あ…、ご、ごめんっ…」



と思ったら、ロードが消え始めた。



「ちょ、ちょっと待ってよ!

もう…!」




─────……………




「もう、なによロードったら…!」



起きてからもまだ少し腹が立っていたけど、



「あら…」



耳の上にあったトゲのない薔薇を見て、何も言えなくなった。






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