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ウロボラズ外伝1 竜の仮面  作者: Lightning
真実と偽りの章
29/46

~冒険~グラジオラスとザミア4

夢から覚めたようです。

夢は必ず覚めるものですからね。


今日はそんな話です。

最初は幻獣達が活躍してくれますが、後半は人間世界がメインです。


感のいい人は、なんか矛盾してるなー。なんて思うんじゃないでしょうか。

そして、次話に進む度に、「あれれれれー?」となると思います。


誰かが嘘をついているのでしょうか。目を凝らして読んで下さいね。

「きゃあああー」

朝一番の声は、これだった。

セラフィナイトが角で指しているのは、ガルダいや、メルケーンである。

その声で、メルケーンもフィーナもびっくりして起き上がった。そして、戸惑っているところに、さらに混乱させる者が割り込んできた。

「お主らも記憶が戻ったのか?」

なんと、夢の中に出てきた“死んでいた者”が目の前にいた。

「さっきの……」

メルケーンの含め、私達はほぼ同時に全く同じ事を言った。

「あなたも見たの?」

フィーナが何故か怒ったようにメルケーンに問い掛けた。

「人間にぶっ飛ばされて、大変な事になる夢だろ」

メルケーンは完全に気圧されて、後退りしたいる。フィーナとは反りが合わないようで、顔に思いっきり怖いです、と書かれている。

しかし、周りの顔を見て、メルケーンはそんな顔をできなくなった。

セラフィナイトとフィーナは唖然というのもいい所という程、目を見開いてただ突っ立っている。

やがて、セラフィナイトは気を取り戻し、

「そうよ」

と言って、メルケーンの言う事を肯定した。

「それであたし、何故かガルドに襲われてたわ」

そして、話を盛り上げようとする。しかし、セラフィナイトの一言で、皆一斉に考え込んでしまい、しらけてしまったと思ったセラフィナイトは黙りこくった。

「教えて欲しいか?」

はっとして振り返る。あの夢の人間すっかり忘れていた。いや、あの夢だけではなく、セラフィナイトは別の場所でも彼女を見ていた。

「もしかして、クライト?」

「ああ、この体はクライトのものだが、いまお主らと話しているのはこの私、ロベリアだ」


**********


僕はあの日、人間に捕らえられた。

叩きのめされて、着いた先は荒野の真っただ中だった。赤く染まった地面のように、太陽が赤く輝いている夕刻だったはずだ。

僕は小さな謎の生き物。おそらくは人間という種族を、憎悪の籠もった眼差しで見下していた。

しかし、突然視界は下がり、ついに僕は誰かを見上げていた。

その誰かが誰なのか、僕は認めるのに時間がかかった。それは人間だったのだ。

そいつが口を動かして、何かを怒鳴り散らしているが、何を言っているのかわからない。

もう何もしたくない、なにも考えたくない。

あいつは僕らの世界を荒らして、僕らの世界の力を奪って、その力で僕を縛った。

僕は座りこけて、考えた。視界はさらに下がって、地面を近くに感じた。ドラゴンで、こんなに地面を近く感じるのは、死んだ時だ。

それくらいなら、早く殺して欲しい。あんな奴なんかに、殺すなら、早く殺してくれと頼むなんて落ちぶれたな。と思ったが、今はもうどうだっていい。

信じられない。僕がこんな奴だなんて。僕はもう故郷に戻れない。

『お前は今から……』

言葉が通じないことに気付いたのか、心の声を使ってきた。

『失礼な。僕はグラジオラスだよ』

ともかく、そうでも言わないと、僕は気が狂って死にそうだった。死にたいのか、死にたくないのか、わからないけど。

『んじゃあグラジオラス。これからはオレと一緒に戦場へ向かうんだ』

『何で?』

何でと何てが合成されたように僕はきいた。

『復讐』

奴の答えは淡々としていて、わかりやすく、はっきりしたものだった。

僕はまた同じ言葉を繰り返す事になった。

『何で?』

答えるのかと思ったが、違った。奴はまた謎の言葉で何かをわめき散らしたのだ。

その瞬間、腕の筋肉が全て引き攣ったようになり、死んだかのようにだらんとした。

『お前はオレの命令にだけ従ってればいいんだよ』


僕は目が覚めた。迷彩柄が目に飛び込んでくる。

昨日は、ザミアのおかげで僕らは勝利。今日、早速内部の調査が行われ、水が手に入るらしい。

そこで、僕たちは砦の傍でテントを張って待機、なんて退屈なんだろう。結構いい寝袋とはいえ、下は戦場の地面だ。

多少マンネリ化した、起きてから目を擦る仕草をする。すると、手は少し温かいようなもので濡れた。

「悪い夢見たもんな」

一人でぼそぼそ呟いて、のそのそと起き上がる。寝袋に包まれて、芋虫になったままだ。

こんな感じで自由を奪われた。生きていて、体は動かせるのに、特定の行動しか許されない。

ふと、自分の唇に歯が引っかかった。気になって、歯を触ってみると、先の尖った感覚が、指の腹に伝わる。

あいつの魔力が切れかかっているんだ。僕は確実にドラゴンに戻っている!

じゃあ、と思ってテントの隙間から本部を見る。すると、いつもの人間の視力では見えない細部まで見えるようになっていた。

「待て」

ザミアだ。こいつのせいで汚い人語ばっかり覚えさせられた。

あいつはまた、銃口を突きつけてくる。趣味は孤独でいる事、楽しみは殺しという最低な奴だ。

そんな奴にずっと言い付けられて過ごしてきたが、もう終わりだ。

「お前の好きだった人、結構いい奴だったらしいな」

ザミアの額に皺が寄る。

「記憶……。取り戻したらしいけど、お前は忘れ物してったろ。二つも」

「黙れっ」

あいつが僕を殺さない理由。それは、自分でも気付けない程小さい思いにはなったが、確実に根付いている思いによるものだろう。

「五百年に一度だけ、僕達の世界への扉が開く。それが、今日の夕刻だよ」

ザミアは、クライトと自分の心を僕らの世界に残して、ソーマも木汁を奪い去っていった。

今こそ、木汁を僕達の世界に返して貰わなくてはならない。

「ここからなら……」

「うるさい!」

あいつが痺れを切らして、短剣を抜き放ちながら突進してくる。

僕はそれを、ひらりと横にかわして、腹に腕を回した。僕より大柄なザミアだったが、今は関係ない。

僕は一つ咆哮して、翼を広げた。久しぶりの風が打ち付けてくる。

手元で「ぎゃー」とか「わぁー」とか言っているのを他所に、僕は制圧国の裏も岩山へ飛び立った。

__グラジオラスとザミアの冒険が始まった__



いかかでしたでしょうか。

グラジオラスはもともとドラゴンだったんですね。

ザミアはこれから、深く語られるキャラになっていきます。


今の所、ガルドが満票で人気を突っ走っていますが、どうぞザミアの方も宜しくお願いします。

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