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ウロボラズ外伝1 竜の仮面  作者: Lightning
始まりの序章
2/46

~ガルダとガルド~2

さて、今回も難しい部分がありますが、さらっと読んでも大丈夫です。

でも、主人公の心情はしっかり味わって欲しいです。

暗色の狼という姿形の"名も無き者"は顔をしかめた。彼はここ——死者の世界の長という存在である。名も無き者は生きていた者を死者の世界に迎え入れ、また生者の世界へ送り返すことを自らの役割としているのだ。しかし彼の前に横たわっているのは死者ではなく、メルケーンであった。彼は翼を力なく地に這わせて倒れている。羽にはいたる所に抜けた跡やこびりついた血痕があった。メルケーンを含め四つの翼は生きている者ではない。感情を持ち、何かを摂取して生きる点は生物と似てはいる。しかし、寿命の無い彼らは生きていることにならない。たとえ傷を負って生者の世界にいられなくなったとしても、死者の世界には来る訳がないのだ。

名も無き者かがみこむように頭を下げ、亜麻色の瞳で彼を注視する。どう確かめようと、彼の目前に横たわっている者がメルケーンだという事実に変わりはなかった。——人間が人の世界でしか生きられないように——ものにはそれぞれに合った居場所がある。彼の居場所がここでない以上、長くとどまらせる訳にはいかないと名も無き者は思案した。しかし彼の傷や、ありえないはずにも関わらずここに来てしまったことを踏まえると、相当な理由があるのであろう。名も無き者は彼を生者の世界に今すぐ送り返すより、しばらくとどまらせるべきだと結論を出した。この事態は異常であり、もし繰り返されれば恐ろしいことが起こるかもしれないからだ。本当に危険なことにメルケーンが遭遇したのならば、それが一回で終わるとは考えにくい。

「羽安めするとよい」

名も無き者は諭すようにささやいて、気絶しているであろうメルケーンの首をくわえて死者の世界へ招き入れた。


ここに住んで何年目だろうかと、メルケーンはふと思った。数えきれないほど長い時を過ごしたようである。彼は何の刺激も無く、ただ単調に流れ行く日々にそろそろ飽きてきていた。しかし、彼がここを出て行こうと思ったことは最近まで無かったのだ。出て行くという発想自体が数ヶ月前まで皆無だった。なぜなら、ここには出入り口が存在しないからだ。だが、ここに住む者の入れ替わりは激しい。どこからともなく現れては、消えていく。

そしてこの空間に住む者はマスカレード(仮面舞踏)族と呼ばれていた。名前のとおり、全ての時間を個性的な仮面をつけて過ごす一族である。仮面は個々で全く違うものとなっており、なめるような炎をかたどったものから木の根が絡み合った姿のものなど、一度に言い切れないほどあった。体も、頭や腹の境い目がわからないような者や無数の手足を持っている者など「型にはまった」という言葉とは無縁の種類の多さである。

また舞踏とは、彼らが魔法のようなものを自由自在に操る姿が、踊っているように見えるからだ。ようなというのは、生物が自身の力をもとに魔法を発動させるのに対し、マスカレード族は個々の仮面の力を使うからである。だが、一見何の規則性も無さそうなマスカレード族にも共通点はある。

その仮面や魔法が使う者の性格や姿を象徴していること。そして、たとえ足があっても幽霊のようにいつも宙に浮かんでいることだ。メルケーンは、この時点ですでに不利な状況にあった。死者でない彼は、マスカレード族の特徴が現れない。仮面を持たない彼に魔法のようなものを使えるわけもなく、常に宙に浮き続けることもできなかった。ただ救われていたのは、彼に翼があったこと位だろう。メルケーンは、一日のほとんどを飛んで過ごしていた。今日も、彼は習練場へ飛んでいく。

習練場とはいわば学校のようなものである。魔法のようなものを使いこなせるようにする為に練習をしたり、コツを教わったりする場所だ。そして、使いこなせるようになった者はここの世界から消え去る。この習練が成功することで生者の世界へ出られるというのが、死者の世界の掟だ。だが、メルケーンを始めここに住む者は生者の世界へ出ていけることを知らない。ただ、どこかに消えるというのを知っているだけだ。

習練場には、すでに練習に来た者で一杯になっている。メルケーンは空いている場所を見つけて練習を開始しようと思っていた。しかし、メルケーンはなかなかその気になれない。なぜなら彼がどうあがこうと魔法のようなものを使える訳がないからだ。彼は気が抜けたように、飛ぶのをやめた。来たところで何もやることのないメルケーンは、思わず聞き耳を立てる。

「……お前上手くなったじゃないか。もうすぐで出られるかもな」

「あいつ、まだ下手くそか。同時に来た奴はもう出て行ったのに……」

メルケーンはいつか彼らと一緒に、他愛もない会話をしてみたいと思っていた。だが彼にはそれさえもできない。共通の話題である習練について、彼が口出しする隙など一切与えられていなかった。メルケーンは最初、悔しさを反動に皆が寝静まった後も練習を続ける。しかし、彼はじきに知ったのだ。「才能が無い」と言われる奴は、彼の他にも幾らかいた。とはいえ彼らはメルケーンと比にならない程、力を使いこなせる。しかし彼は「才能が無い」という視線すら貰えていなかった。つまり、最初から別物として見られている除外された存在なのだと、メルケーンは感じ取った。

自分が無視され続けていることに気づいてすぐは、偶然の間違いだと思ってマスカレード族を恨んだ。だが何年も同じ境遇に立たされていれば、勘ぐることもできる。メルケーンは周りの者が嘘をついたりしていることが一切無いと考えていた。つじつまの合わないことは、今まで起きていなかったからだ。ただ、除外された存在であり続けることには、押し潰されるような辛さがあった。

彼はその力を使うことが出来ない。それでもマスカレード族はメルケーンを悪く見てはいないかのか、嫌がらせなどを一切しなかった。しかし心の奥底で、ここに居てはいけないとメルケーン思っている。お互いに辛いことなのだと。その感情は日を追うごとに大きくなっていくのだ。彼は魔法を使えない。すなわち、ずっとここに居ることになる。メルケーンは嫌われもしない、上っ面だけの優しさに晒されていた。もし、それさえも無いさらに恐ろしい感情に触れてしまったら、と想像するだけで彼は吐き気がしてしまう。彼は今の状況が悪い方向に変わってしまう怖さと、優しさによる孤独感に包まれていた。

彼は確かに、周りの者の凌駕する努力をしたが、他の奴らよりも出来が悪い。そして彼は皆に追いつきたいから努力するという、自分に正直な者である。だからこそ、ここから逃げてはいけないとも感じていた。だが、迷惑ならば逃げなければならないと思う。逃げたいとも思っていた。彼は自分に問いかける。このままでいいのかと。メルケーンは即答した。

「僕は別の所へ行く」

パズルピースのように断片的だった思いは、固まって決心となった。絶対に後戻りしないと自分に言い聞かせて、彼はひとまず習練場から出る。力を使いこなして、他の者と同様に出て行くのは不可能だと見切った。ならば別の方法を探るしかない。

彼は習練を終えた者たちがどのように消えていくかを思い返す。使いこなせるようになるのは習練場であるが、そこで消えた者は見たことがない。ふと習練場から出て行って、二度と戻って来なかったという事例も無かった。とすると、残るは習練が終わってから再開するまでの時間帯に消え去るのだ。だが、彼はどこから出て行けばいいのか知らない。導かれなければ、探し出すというのには無理があるように思えた。しかし自分の気持ちをこれ位でないがしろにするわけにはいかないと、メルケーンは必死に飛び回る。他者の住処に上がり込んでまで探した。自分がい続けるのと、住処に上がり込む迷惑は前者の方が大きいと考えて。そして、突然彼に声がかけられた。

「決心がついたようだな」

振り向くと、名も無き者がいた。メルケーンは決心という言葉が出てきたことに戸惑いと期待を覚える。名も無き者はメルケーンの気持ちを知っているかのように言った。

「不安がることはない。君はついてくればよい」

名も無き者は空中を——まるで地面があるかのように——優雅に歩いて行く。だが、地面ではなく雲の上を駆けるような軽やかさがある。その危なげない感じが、メルケーンの不安と別の場所への興奮を煽った。

しかし、楽しいことばかりではない。名も無き者について縦横無尽に迷路のような道を進んでいくと、水晶類のジオードに入った。澄んだ水のような水晶の輝きは、ダイヤモンドとは違った質素な雰囲気がある。それが地面や床、壁を埋め尽くしてトンネルのようになっていた。あり続けながらも、注目されない点にメルケーンは自然と惹かれていく。そして、水晶を覗き込んでしまった。

メルケーンは自分の顔を見て、目を見開く。鏡面のような水晶に映り込んだのは、仮面のかけらもない猛鳥であった。羽で触って確かめると、水晶に映ったのが自分で間違いないことに気づく。自分が他者と違うことには薄々わかってはいたが、仮面が無いという根本的なものがあるとは予想もしていなかった。何んで自分だけこうなのだと、自らを罵る。

なぜなら、彼は記憶を失っていたからだ——あの事件の衝撃で。当然自分が四つの翼であることや、メルケーンという名前を持つこと、そしてなぜここへ来たかも全て忘れていた。残っているわずかな記憶は、断片的な映像の思い出や生きる上での常識の一部のみである。

「全部仕組まれているみたいじゃないか。全部……操られているみていじゃないか」

記憶を失っている彼にとっては、全てが悪い方向へ持ち込むようつくられたようにも思えた。封じたはずの感情が、隙間風のように彼の心に入り込む。

『君だけは別物だから、他の所には行けないかもしれない。行けたとしても、どうせまた操られるさ』

とメルケーンの中に臆病風が吹き始めた。自分に負けてはいられないと、彼は反論を試みる。

『行けるかは知らないけど、出られるのは確かだと思う。名も無き者がわざわざ声をかけてくれたぐらいなのだから。そしてもし、他の所にいけたのならここと規則は全く別のものになるはずだから、今のように惨めにはならない』

『だけど、操られているかもしれない。君にはあやふやな決心しかないんだよ。今もこうやって迷っている』

決心とはいえ、それが永遠の確固たるものとは限らない。メルケーンは半ばそれを認めた。

『操られても、いい方向に向けば何か思いつくかもしれない。もっといい何かについて。でもやってみないことにはわからない。そんなに不安なら、仮でもいいから頼れるものをつくればいいんだよ』

メルケーンは心の中でつぶやいてから困った。仮のものに頼れるわけがない。

「君は他の世界へ行きたいのではなかったのか?」

名も無き(・・・・)者だ。メルケーンは考えている時間がとても長かったことに気づいていなかった。その代わりに、あることを知る。ここの者には全て、名前がついていなかったことである。

『あったよ。名前をつければいいんだ。僕はもうここの者ではないという意味も込めてね。僕はガルダ(支配される者)だ。仮だから、この名前をいつか変えるのを目標にする』

それだけ考えをまとめると、ガルダは名も無き者の後についていった。名も無き者は彼の遅刻を容認するかのように、犬歯を少し出して微笑んだ。名も無き者はいつも、心の奥底を読み通しているようである。

「そうだ。水晶にどのような効果があるか知っているか?」

気を紛らわさせてくれているのだろう。ガルダは皆が名も無き者のようだったらと想像しつつ、わからないと答えた。

「水晶は高い浄化作用があるのだよ。触れたものを全て澄みきらせるほどだ」

名も無き者とガルダは話をしながら、ある場所を目指した。


「ここでお別れだ」

名も無き者ははっきりと言った。ガルダは、うなずくとその場所に向き直る。天井が一段と高く突き抜けたようなジオードの間。初めて来る場所である。

すると突然白い光が差し込んだ。とっさに目をつぶったが、誘惑に負けて目を開けてみる。光は眩しくなかった。そもそも、なぜ光があるのだろうとガルダは不思議に思う。光に似た別のものか、自分の目が悪くなってしまった可能性もある。 そして次の瞬間、本当に自分の目が狂ったのかと疑った。水晶の先が視界に入ったのだ。本能的に跳びのくと、反対側からも迫っていた。「殺される」

逃げ道を探そうと視点を変えると、他のマスカレード族が水晶の中にいたのである。まるで眠っているかのようだった。取り込まれたのであろうか。しかし、それで他の場所に出られるのならとガルダは賭けに出た。


透明とはまさに、このことを言うのだろうか。目の訊かない遥か先まで何もなかった。匂いも無ければ、風を感じることもない。ガルダはともかく立ち上がってみる。しかし自分が動いているということ以外変化は見られなかった。彼は呆然として、ただ遠くを見つめる。だから彼は見逃していた。自分の足の周りに雲のようなものが渦巻き始めていることに。その雲が彼の胸辺りまでの大きさに達したころ、初めてガルダは異変に気づく。後ろに飛びのくと、雲は一瞬で姿を変えた。

ドラゴンの形だ。とても均整な体つき。体は透き通り、まさに水晶というべきであろうかと思わせた程だ。角は細長く、首から尾まで雫形の小さな(とげ)らしいのがある。翼はコウモリ形だ。細く優しそうな目は英知そのもののようで、少し笑っているようでもあった。

ガルダは必死に思い出そうとする。あのドラゴンについて、名も無き者から聞いていたような気がするのだ。

『私はエレスチャル。あなたに変わった客が来ている』

ガルダは思い出した。彼女はエレスチャル、狭間の世界の守護者である。

狭間の世界とは、様々な世界を繋ぐ場所だ。守護者は、それによって繋がれる世界と狭間を常に見張っている。そして、何か問題があれば一切の妥協を許さず片付けるという。ガルダは期待で胸が一杯になった。彼女がいるということはここが狭間の世界である。そして、ここを通じて他の世界へ行くことができるのだ。しかし、変わった客とは一体何者だろうとガルダは考えた。ガルダはまず、誰かに訪ねられるとうなことをした覚えがない。

その時、エレスチャルの後ろに群青色の雲が現れた。危険だ、と全身が感じている。その証拠に、翼がいつでも飛び立てるようにと構えていた。急いで群青色の雲の正体を調べる。見えてきたのはキラキラと輝く鱗。これが色を発していた。だが腹は白く、横しまが入っている。そして手脚の無い、細長い体躯。

蛇だ。ガルダは迷わず飛び立った。心臓が戦いか逃避行かを予期して、ネズミのもののように早く打つ。

幅のある、威圧的な姿。目は闇をたたえ、毒牙は今にも何かを殺しそうである。ただ、鱗は美しい群青色に輝いていた。

美しいものに毒あり。自然界で生き延びる知恵だと、名も無き者が教えてくれた。まさにそのとおりだ。

ガルダは、蛇を敵だと思っていつの間にか冠羽を逆立てて威嚇していた。彼の頭頂部に、飾り羽が扇状に広がる。なぜなら、彼は大蛇に襲われた記憶があるからだ。といっても(おぼろ)げで、確実な記憶があるのは名も無き者に拾われた頃からのみである。しかも名も無き者に拾われる以前のことは、記憶と言いながら思い出したい時に現れず、突如現れる断片的な映像だけだ。幻想のような気がして信じ切れないものだが、それに関係なく反射として表れたという次第である。

そう、ガルダは活動の穏やかな火山のようだ。内にある限り安全なマグマ——どこにでも誰にでもあるもの——を秘めている。だが、何らかのきっかけで急に噴き出し、自らの周りを焼き尽くす。しかもそれは火山——ガルダではなく、記憶——誰しもが持つ暗い記憶が引き起こすのだ。

ガルダは冠羽をめい一杯開いた。大概の奴はこれで逃げる。だが、大蛇は怯むどころか見向きもしない。あの大蛇が客なのであろうか。だとしたら、また苦しめられる運命にあるのだろうかとガルダは恐怖した。なるべく戦いたくはないが、あの大蛇がガルダを狙っているのは確実に思える。威嚇の冠羽を無視した時点で、大蛇はガルダより上の立場にいるのだ。逃げよう。また機会はあると自分に言い聞かせようとした。しかし、本能というものは自分のコントロールを超える。

自分の意思を記憶や恐怖は置いていっていた。ガルダはグライディングを始めていたのだ。一気に羽ばたいて垂直に上昇。エレスチャルの頭上辺りまで昇りつめる。ここまで来てしまったら後戻りはできない。毒蛇の中には、毒を遠くに飛ばせる奴もいる。短期決戦に持ち込むしかないのだ。

翼を水平にやると、頭を下へ向ける。すると、体は自然に下へ下へと吸い込まれるように落ちて行く。それと同じくして、自然に蛇への憎悪感や復讐心が湧き上がってきた。謎の記憶がガルダを操っている。大蛇が威嚇するように口を開け、頭をもたげた。「今だ!」

ガルダは今、大蛇の首のすぐ下に位地している。翼を反らせて上を向く。あの柔らかい喉をつき刺せば終わりだ。急降下と回転の力は凄まじい。クチバシを固く閉じ、喉仏を突いた、はずだった。ガルダは何の感覚も無く、大蛇を通り抜けていた。戸惑いながら振り向くと、舌を出して嘲笑っている蛇がやはりそこにいる。

「バーカ」

その言葉に続く様にカタカタと音が鳴った。実体が無いため、物理戦は不可能だ。しかしガルダは、魔法のカケラも出来ない。嫌な思い出とともに、また自分が操られていたことにも気づき、ガルダは意気消沈した。

「オレと手を組まねーか」

疑問系ではなく、強制に聞こえる。ガルダは無意識のうちにわけが解らないという顔をし、蛇は立て続けに言う。

「オレは悪の使者さ。世界を建て直す」

そこで手を組もうと言われても、なぜ自分なのだろう。相手の態度からして、適当に誘っているようではない。まずもって、言っていることが理解不能だとガルダは感じた。悪の使者とは一体何なのか想像がつかない。世界を建て直すと言われても、まずその世界がどのようなものか知らない。敵の様に振舞っておきながら、いきなり手を組めといわれるのも理解し難い。

「お前、知らないんだろ。本当の世界を。本当は荒れ果てた、ただの砂地なんだぜ」

あの笑いが尾をひくように続く。ガルダは彼から逃れたいと思った。希望を持って新たな世界へ踏み出そうとすれば、そこはいい土地でないと言われたようなものである。信じたくない上、危険な者と近づきたくない。ただ、この蛇の笑い声の聞こえない場所へ飛んで行きたいと、ガルダは瞬時に翼を引き上げ、上へ上へと昇ろうとした。

「痛っ!」

ガルダは思わず悲鳴をあげる。右脚に激痛が走り、引き戻された。そこにはトゲのついた鎖がからまり、おかげで脚はねじれてしまっている。

「抵抗するからだ。力ずくで抑え込むしかないだろう」


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