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でかわとの日々はだいたい幸せ  作者: 宙子


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3/19

小料理屋の店主

 

 今日は、ひと足早いクリスマスの日。

 まだ20日だけど、今日はクリスマス。

 イブ的な感じ。そう、間違いなく。


 だって、24日は毎年でかわの職場でお昼にチキンとケーキが出て、カロリー過多。

(ディナーのありがたみも半減)

 25日におうちで遅ればせクリスマスしたことは、何度もあるから。



 でかわは今年、魚料理の気分らしい。

 私もおしゃかなはしゅき(この口調になるくらい)


 近所で気になってた、お魚料理が美味しそうで雰囲気のあるお店のうち、1軒にはアッサリと振られた。

(いつかはきっと行こうと思う……。)


 2軒目は、こぢんまりしていて釜めしが美味しいというレヴューがついてる、高そうだという浅い知識しかない。

 電話口では男性が応対され、カウンターという条件付きでOKしてもらえた。



 冷たい風、小雨がちらついてる。


「お店までの道のり、わかる?」


 と、でかわ。


「もちろんだよ!」


「ふーーん」


「いやわざと言ってるでしょ」


「え?そんなワケないよ」


 ちなみにアパートからお店までは、徒歩5分。頑張れば3分で行ける。

 今まで来店したことがないってだけだ。


 美味しいものが食べられる予感が鼻先にブラさがってるからね。

 ちょっとくらい寒いなか歩いても、おとぼけに付き合うのもぜんっぜん平気の助。



 何なら軽くスキップしそうな勢いで体感は、瞬間移動。




 お店の入り口には、すでに傘が何本もあって、そのうち半分はお洒落な花柄で明らかに女性もの。


「ウーン、傘の置き場、ちょっと困るね」


「そだね、立てかける?」


 お店に入ってすぐ、大き目の壺が傘立てになっていたけど、スペースはなさげだった。




 小上がりの2部屋は、満席みたい。

 小綺麗なお店で、よかった。



 店主で板前さんらしい固太りをした色白の男性が、すぐにカウンターから声をかけてくれる。

 どこでもいいらしいので、奥から詰めた。


「どれに、しようか……?」


 でかわと一緒に、メニューを広げる。


 奥様らしき方が、さっと後ろからおしぼりを出してくれた。

 それも、布のおしぼり。こんなところにも高級感!


 2人とも飲めない。私はちょっと珍しいパインジュース。正解だった。


 でかわは秒でウーロン茶にいこうとして、気の毒にも私に止められ温かいほうじ茶に変更。

(体質的に、ウーロン茶を控えているから)


 ちなみにウーロン茶に行こうとして止められる流れはこれで3回目くらい。

 いやもっと?まあいいけど。




 とりあえず釜めしを注文する。

 おすすめだけど30分かかるとレヴューにもあったので。


 種類は鯛、カニ、牡蠣とあり、どれも迷ったけど鯛に。

 オーソドックスで、いいかなって。



 でかわは、天ぷらを2種。

 私は、おとうふサラダ。


 メニューになかったんだけど、煮魚食べたい欲がもたげてきたので、ちょっと思い切って聞いてみた。


「ああ、できますよ。今日は鯛のハラミが」


 サイズが大きめということで、価格もそれなりに思えるし、鯛がかぶっているけどせっかくだから注文。



 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 突き出しは、青菜の煮びたし。お肉も少し入ってる。


 おとうふサラダはみずみずしいお野菜たっぷり。

 コクのあるごまのドレッシングがぴったり。



 天ぷらは、からっと揚がった小ぶりのししゃもが先に提供された。

 少しうねっていて、こんもりとしていて見た目にも美味しそう。


 こだわりのありそうなピンクのお塩と、お花型の人参に盛られた柚子胡椒つき。


「うーん、さっくさくで美味しい」「カルシウムとれそう!」




 もう1種は海老天だけど、お野菜も一緒に盛られていた。


 さつまいもに、南瓜に、ししとう。


「さつまいもとかぼちゃは食べてよ」


 とでかわ。甘いものを避けたいらしい。

 私は気にしないし、カンゲイ。



 鯛の煮物は大ぶりの器に盛られ、ごちそうな雰囲気が演出されていた。

 甘じょっぱい煮汁が絡んだホロホロの鯛の身を、少しずつ味わう。


「皮まで美味しい」


 と、でかわが言う。



 そうこうしているうちに、真打の?釜めし登場。

 ここまでが内心、()()な量だったから、予想外の量が嬉しい。



 切り身が丸く盛り付けられていて、しゃもじできるのが少しためらわれた。


 絶妙な味の加減で、お口がシアワセ!

 炭水化物っていいよね。



 途中から、常連客らしき男性がカウンターの端に来店し、店主さんと気さくな会話を交わしつつ、飲んでいた。

 くだけた会話を聞くのもなんだかいい。




「何か、身体にいいことしたって感じしない?和食は」


 美味しかったね、後味がいいよね、と言いあう。


 ふふ!

 あはは



 いまIQを計測したら、私は3。

 でかわは120くらいかも。




 先に来ていた団体さんは、忘年会かな?


 私たちのほうが早く食べ終わった。




「……あの、今日はありがとうございました!すみません、バタバタしちゃって」



 声をかけられて振り向くと、板前のご主人が、ニコーッとしながら立っていた。


 こちらも笑顔になり、美味しかったですまた来ます、と口をついて出た。





 帰る道々。お腹いっぱいでホカホカ気分。



 でかわの小さな心残りは、お造りを飛ばしちゃったことみたい。


「盛り合わせだったら、注文してたんだけどな」


 たしかに。同感。また、行けるように頑張ろう。





「ところで……あの店主で板前さん、私くらいの背の高さじゃなかった?」


「え?まあ、そうだっけ」


「そうだよ、今日イチの衝撃だったよ」


「おおげさだなぁ、カウンターが、高くなってたとか?」



 ちゃんと認識してるよこの人。……じゃない、でかわ。



 ともあれ、最初から最後まで、美味しい楽しい時間を、マコトにありがとうございました。




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