理由を教えて
投稿始めました!初心者なので、色々と変なところがあるかもしれませんが、読んでくださると嬉しいです。
「ーそれでは、お天気のコーナーです。天野さ~ん?」
「はい。今日は全国的にー」
「晴れ時々ブラックホールでしょう。」
あぁ、つまらない。本当につまらない。俺はただ、楽しく生きたいだけなのに。
今日もアイツらが邪魔をする。
辺りには、人々の悲鳴が響きわたる。あぁ、うるさい。五月蝿い。ウルサイ。
さっさと静かになってくれ。俺はただ、静かに生きたいだけなのに。
今日もアイツらが邪魔をする。
…ほら、またアイツらが来やがった。
アイツらは自分の体よりも大きな盾を構えて、飽きもせずに立ち向かうのさ、他人のために。なんで、わざわざそんなことをするんだか。
なんでも、その盾は「希望の象徴」と言われてるらしい。俺からすりゃあ、へえ、ご立派なことで、としか思えねえが。
「おい!まだ人がいるぞ!」
そんな声とともに、真っ暗だったはずの目の前は、元の自室の風景に戻っていた。と言っても、自室にあった家具類などは、すべて綺麗さっぱり無くなっているが。
「君、大丈夫か!?」
「…大丈夫か、とは?」
僕がそう答えると、そいつは驚いたような、呆れたような顔をして、何か言いにくそうにしながら口を開いた。
「いや、君はブラックホールに飲み込まれてたんだぞ?なのに…。」
「なのに、なぜ無事なのか、と?」
なぜ、か…。
「…そんなもの、僕が知りたいよ。」
ーこのことが、僕の運命の歯車を回し始めることに、僕はこの時、まだ気づいていなかった。