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テーマ詩集:公園

ブランコ

作者: 歌川 詩季

 立ち漕ぎで、頑張るか?

 思いきり()いでも 同じだけ引き戻される

 オールを失くした 板きれ一枚じゃ

 小舟はどこへも たどりつけやしない


 そのくせに

 帆もはれないのに 風をうけて

 海原も渡れる気がしてた 幼い頃は

 かなたに広がる 青の遠さもわからなかったんだ


 今日も やがて

 (しお)()くような(にぎ)わいの空洞

 こんなちっぽけな公園に

 (いかり)をおろした ぼくらにとって

 ここは夕暮れが染める船着場(ふなつきば)



 振り落とされるのが怖くて.しがみつく手が汗ばむ

 鎖につながれた 板きれ一枚じゃ

 (いかだ)というより 難破船の残骸


 そのくせに

 翼もひらけないのに 風にのって

 大空を飛べる気がしてた 物知らぬ頃は

 頭上に広がる 青の高さもわからなかったんだ


 今日も やがて

 (しお)が満ちるように静けさの支配下

 こんなちっぽけな公園から

 (いかり)をあげられない ぼくらにとって

 ここは星(あか)りが照らす船朽場(ふなくちば)

 座り漕ぎで、愉しみむか?

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