4章 全ては俺のせい
(そう言えば俺は名もない洞窟で寝ていたが、彼女に起こされたのは森の中だったな)
そこで俺は疑問に思う
(じゃあ、何故俺は彼女に起こされるまで魔物に襲われなかったんだ?)
魔物は一日中ずっと食に飢えている。
生身の人間が倒れていたら、普通なら食われてるはずなのだ。
そんな風に考えているとレイスが質問してきた
「ねぇ、ライカって魔法は使えるの?」
「ああ、使えるぞ」
そう言うと、レイスは子供の様に「見せて」と言ってきたから俺たちは先程までいた森に来ていた
(まぁ、見せるくらいだし初級魔法でいいか)
と思いながら魔法を撃った
(昔と威力は変わらないみたいだな)
その時、レイスがいきなり
「ええーーー!?」
と大声を出して驚いたのだ。
俺はすぐに駆け寄り
「どうした?」
「……」
聞いたが返答はなかった。
そう、レイスは固まっていたのだ。
(私は今、簡単に言うと化け物の前にいる。そう、ライカだ。彼は詠唱なしで魔法を撃ったのだ)
どうやって撃ったのか分からなかった私は、すぐに質問した。
「ラ、ライカ…えい…しょうは?」
ライカは聞こえなかったのか
「え?すまない、もう一度言ってくれ」
そして私はもう一度言った
「えいしょうは?」
(驚きすぎてカタコトになってしまった)
だが、ライカは理解したのか考える素振りを見せ、少したった後に普通ではない返答がきた
「で、詠唱がどうしたの?」
それを聞いて私は直ぐに
「詠唱なしでどうやって魔法を撃ったの!?」
俺はレイスの言ってる意味が分からなかった
だから俺は考えた。
そして俺は考えた先に一つの結論が出た
(はは、変だと思ったよ)
そう、昔ならこの辺りは強い魔物が沢山いて並の人間では立ち入ることさえできない場所だった。
そう、強い魔物というのは魔力が薄い所では産まれることも生きることもできないのだ
そして昔、この辺りの魔力が濃かったのは俺がいたからなのだ
つまりだ。
(俺が死んだせいで魔力が薄くなり、魔物が減り、魔法使いは魔法を使う機会が少なくなり魔法が衰退した)
(……あれ、魔法が衰退したのって俺が原因じゃん)