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白雷のルシウス  作者: がおがお
新人対抗戦編
29/72

アルベール王国vsオルデンブルク帝国

「それではこれより決勝戦をはじめる。アルベール王国、オルデンブルク帝国は前へ」


 ついに決勝だ。これに勝てば王国が優勝となる。加えてこれは白雷隊のデビュー戦みたいなもんだ。まだ俺たちが白雷隊と公にはなっていないが、いずれバレるだろうしな。


「それでは先鋒、前へ」


 こっちからはアリス、相手はあの魔導師、二階堂が前へ出た。アリスは攻撃タイプじゃない。むしろ回復専門ってことを考えれば厳しい戦いになるだろうな。


「先鋒戦----はじめ!」


天使の衣(アンヘル=エンハンス)!』


闇の(オプスキュリテ=)(エンハンス)


 ほぼ同時に身体強化を使ったか。二階堂もさすがにうち(王国)を相手に使わない選択肢はなかったようだな。


悪魔の(ディアボロス=)模造品(イミテーション)


 悪魔……か。二階堂は一回戦の時もそうだったが、召喚主体なのだろうか。それともただの好みか。


神聖な(セイクリッド=)案山子(スケアクロウ)


 アリスの神聖な案山子は特別製だ。対悪魔としてはかなり効果的だ。


「やるわね」


「あなたもすごいよ」


「「フフッ」」


 二人して笑ってる……?


 悪魔の前方に膨大な魔力が集まり、中心に収束していく。そして臨界を迎えると微震動するように黒球がブレている。

 それに対して案山子は、不気味に笑う表情から顎が外れたように落ち、口内に魔力を集めていく。キィィィンと甲高い音をたてながら、その光が臨界を迎える。


「やりなさい!」


「いけー!」


 その声に反応し、轟と爆裂音をさせて黒と白の砲が放たれた--

 --カッと衝突した後、一瞬の静寂を挟んで、半球状に黒と白の砲が互いを喰いつくさんと暴風を巻き起こす。


「うわー! アリスちゃんやばー!? あんなのできたのー!?」


 レーナが驚くのも無理はない。アリスは模擬戦でこの魔法は使わなかったし、開発も一人でやったのだから。

 後から俺に見せてくれたが、一人でよくこの魔法改変ができたなと感心したほどだ。


 黒と白の砲の拮抗は十秒程だっただろうか。激烈な音と爆発を残して消滅した。悪魔に優位なあの案山子と引き分けるとは、あの悪魔もかなり強いな。ただ、どちらも力を使い切ったのか、ただ一撃の砲を放って消えていった。


「今のが私の最大の攻撃だったんだけど……」


「私もだよ……」


「じゃああとは……」


「そうだね……」


「「フフフフ」」


 怖い。なんか気が合うのだろうか。あんなアリスははじめて見る。


「疾っ!」


「えいっ!」


 二人が飛び出し、互いに上段の蹴りを繰り出した。そしてそれを当然かのように互いが腕で防いだ。しかし、二人とも威力を殺せず、そのまま舞台の端の壁へ吹き飛んでいった。


 その直後、二階堂とアリスの踏み込みで、爆発したかのような粉塵が巻き上がった。そして再び中央で衝突し、轟と爆風が吹き荒れる。

 

「いったぁ……」


 今度はうまく魔力を集めて防御したようだが、二階堂は肩のあたりを抑えて顔を(しか)めている。そしてアリスは次を見据えているようだ。


熾天使の天罰(セラフ=ネメシス)!』


「なっ!?」


 一瞬の油断で二階堂は遅れたな。もうアリスが攻撃魔法を使う余力は残っていないと高を括っていたか。


 舞台の上空に巨大な魔法陣が現れ、輝きを増していく--そして魔力が十分に充填されると、その輝きを地上へと解き放った。


「やばっ……!」


闇の(オプスキュリテ)棺桶(=シールド)!』


 へぇ。自身を包み込む盾のような魔法か。でも遅かったようだ。闇が二階堂を包み込む寸前、天から降り注ぐ光が二階堂へと届いた。


 爆裂する音と舞台を破壊した粉塵が周囲の視界を奪った。そして粉塵がはれた時--立っていたのはアリスだけだった。


「先鋒戦勝者----アリス=ワーグナー」


 会場の盛り上がりが最高潮に達している。無理もない。これまでの試合と比べて、明らかに高いレベルでまとまっていた。とても新人戦のレベルじゃなかったからな。魔法の細かいところがわからなかったとしても、見た目も派手でわかりやすいものだったのも大きい。

 みんなが立ち上がってアリスを迎える。


「やったな!」


「アリス! やるじゃない!」


「さすがアリスです!」


「アリスちゃんー! 強いぞー!」


 みんなの賛辞を受けて「えへへ、ありがとう」とアリスが照れくさそうに言った。


「ホントによくやったよ。さすがアリスだな」


「ルウ君!」


 アリスが笑顔を浮かべながら駆けてくる。


「頭、撫でて欲しいな?」


「お、おう……」


 恐る恐るアリスの頭へ手を持っていく。ふわりと、絹のような肌触りをしたアリスの髪の感触が手のひらに広がる。なんてサラサラでふわふわなんだ。ずっと撫でていたい。


「あ、またやってるー!」


 レーナ君、余計なことは言わなくてよろしい。あ、でも赤くなるアリスも可愛い。これはグッジョブと言わざるおえない。俺は……もう一回したら二回も三回も同じだとちょっと開き直っている。

 それにそんな感情でこのサラサラふわふわを逃すなんてとんでもない!


「二人とも、次鋒戦はじまるわよ」


 おっと、そうだったそうだった。次はレウスか。


「それでは次鋒、前へ」


「おっしゃ!」


 レウスも今の戦いで刺激されたようだ。やる気が漲っている。相手は確か三枝だったか。肉弾戦タイプの大神官。まぁそれだけってことはないだろうが。


「レウスがんばれー!」


「それでは次鋒戦----はじめ!」

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