表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/33

賢者は勇者パーティーを抜けたい(イラスト有)

もふもふ動物と可愛い幼女を愛でる物語♡ スタートです!


挿絵(By みてみん)


 魔王が討伐された。



 長きにわたる魔王軍との戦いの末、勇者一行が、人間たちを勝利に導いたのだ。

 パーティーは、一人を除いて全員が、うら若い女性だったという。


 地母神に愛され、癒しの奇跡を幾度も体現した僧侶は【聖女】と呼ばれた。

 地を砕き、海を裂き、天を()く五体を備えた武道家は【拳聖】と呼ばれた。

 異世界の知識を宿し、絶大な魔力を誇った魔法使いは【賢者】と呼ばれた。

 存在自体が光であり希望。伝説の武具を纏いし戦士は【勇者】と呼ばれた。

 彼女たちの強さに比肩する者なし。


 ――だが。

 彼女たちを強者たらしめているのは、個々の能力以上に互いを結ぶ固い絆にあった。


 一人は皆のために。

 皆は一人のために。


 一人の力が仲間の力を何倍にも、何十倍にも引き上げた。その逆もまた然り。

 仲間が一人でも欠けたなら、それ(すなわ)ちパーティーの死を意味するとまで勇者は語った。

 仲間を心から想う在り方に、人々は憧憬と崇敬の念を込め、彼女たちを英雄と讃えた。


 そして人々は、英雄たちの、さらなる活躍に期待した。

 魔王が討ち果たされたとはいえ、真の平和が訪れたわけではない。結果的に魔王の統制から外れた魔物たちが野に放たれ、猛威を振るうようになってしまったのだ。

 何より魔王軍には、まだ四帝獣と呼ばれる強大な幹部が健在なのである。

 各地に散っていた()の者たちが決戦の地に集結していたなら、勇者たちは敗北を喫していたとしてもおかしくはなかった。依然として、予断を許さない状況は続く。


 聖女は言った。

「世界中の民を苦しみから解放する日まで、わたくしたちの旅は続きます」


 拳聖は言った。

「最強の格闘家への道は、まだまだ遠い。あたしより強い奴に会いに行く」


 勇者は言った。

「弱きを助けるのは、力を持った者の使命。ボクたちの戦いはこれからだ」


 賢者は言った。

「私パス。魔王討伐までの約束だったし、田舎に引っ込んで米でも作るわ」


 こうして、勇者パーティーは解散した。

間を置かず、本日はあと2話投稿させていただきます。

イラストの少女はまだ登場していませんが、

こんな子を育てながら、田舎でのんびり暮らしてみたい。

そう思っていただけた方は、ぜひとも本作を贔屓にしてみてやってください!



イラストは、癸青龍 様に描いていただきました。

https://twitter.com/mizunoto_seiryu

https://www.pixiv.net/member.php?id=3080644

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ