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レドウの華麗なる冒険譚  作者: だる8
第二章 神器を求めて
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第26話 南岸遺跡案内商

「で、ですね。是非皆さまに同行させて頂きたいのですが!」


 床に頭をこすり付けるようにして懇願しているのはアルフだ。


「いや、だから案内はいらねぇって言ったろ?こっからなら一人でも帰れるじゃねぇか」

「そこをなんとか!皆さまにお助け頂いたご恩、ここで返さねばいつ返せるというのですか!もちろん『遺跡案内』のお代は不要です!」

「……でも、探索パーティの一員として、魔石の分け前は欲しいんだろ?」

「そ、それはその分キッチリ働きますので!」

「だからそれを困ってねぇと言ってるんだ。堂々巡りだが……。どうするよ」


 平行線の議論に疲れたレドウが、助けを求めるように後ろの二人を見やる。

 私に聞くなとばかりにシルフィは視線をそらした。

 目が合ったアイリスは、仕方なく……といった表情で助け舟を出した。


「この調子ですと、ダメと言ってもついてきそうですね」

「後生です!」


 アルフはさらに頭を地にこすりつける。

 レドウはお手上げをジェスチャーをする。


「わかりました。但し、私たちにはアルフさんを連れていく意思がない。これはご理解頂けますね?」

「はい!」

「ですので、まず自分の身は自分で守ること。私たちの助けをアテにされては困ります」

「はい!大丈夫です」

「私たちが依頼しての同行ではないので、私たちにとってアルフさんは魔石の分け前を減らすだけの存在です。ですので、魔石の配分は通常の半分に減らします」

「……」

「あとは出来高制です。私たちが『アルフさんが居てくれて良かった。』と思える活躍をした場合に限り、増額を検討します。それでも通常配当には満たないと考えてください。それでもついてきますか?」


 アルフは沈黙している。

 当然ながら配当に不満なのだろう。

 アイリスは踏み切れないアルフにとどめの一言を放った。


「条件を飲めずに無理やりついてくるのであれば、……申し訳ありませんが、アルフさんは先ほどの冒険者さんたちと共にこの地で散ったことにさせて頂きます」


 強い口調で腰の剣に手をかけた。


「わ!わかりやした!それで結構です!よろしくお願い致します!」


 態度を翻すアルフ。

 その様子を見たレドウはアイリスを制して声をかける。


「お前さ、そこまでしてどうしてついてきたいんだ。全く理解できんのだが」

「……」

「後ろ暗いところがないならさっさと言いなよ」


 シルフィも疑念の声をあげる。


「わ、わかりやした。正直に言います。実は『遺跡案内商』の看板掲げてやすが、第二区画までしか来たことがなくてですね……。本当はもっと奥までこの目で確かめた上で商売したいんですよ。でも奥まで行ける冒険者なんて限られてやがる。……そこにあんたらの登場だ。腕はこの目ではっきり確認した。余裕で踏破できる腕前だ。となりゃあ這ってでもついていくしかねぇ。今後の『遺跡案内』業にハクがつくからだ」

「それなら欲張らずにさっさと条件のめば良かったのに。時間が無駄だわ」

「そこはあっしも商人のはしくれ。簡単に利は捨てられねぇ」

「まあいい。とりあえず光魔法(ライト)だけしててくれ。足をひっぱんなよ」

「了解でっせ」


 こうしてレドウたち三人に一名お供が追加となったのだった。


……


 さきほどのアイリスの報告どおり、第二区画の蜥蜴(リザード)たちはほぼ駆逐されており第三区画にさしかかるまで2~3匹しか遭遇しなかった。

 そして第二区画の最後のところにあるT字路に差し掛かる。


「ちょっと待てよ。地図によるとだな……ここは左だな」

「おっけ~」


 レドウがジラールの地図を見ながら案内し、シルフィが軽く同意すると一行は左へと向いた。


「ちょっと待ってくだせぇ」


 ここでアルフの待ったがかかる。


「どうしたんですか?」

「あっしは確かに第二区画の先に行ったことがない『遺跡案内商』でやすが、第二区画のT字路は右に行け。ってのは『遺跡案内商』やってる人間なら誰でも知ってる常識だ。ここは右へいきやせんか?」


 アルフが自信満々の表情で訴えてくる。


「仮にその常識が事実だったとして、俺たちは常識で縛られる覚えはねぇ」


 意に介さない様子のレドウは向きも変えずさっさと左に向かって歩く。その判断を信じているシルフィもそのあとをついてゆく。


「どうして話を聞いてくれないんでやすか!腐っても『遺跡案内』を5年は続けてるんでやすよ!この話は先輩から最初に叩き込まれる常識だ」

「ではお聞きしますが……、その先輩は『なぜ』右に行くべきだ。と教えてくれました?」

「こ……この遺跡で命を落としたくないなら右だと……。それに右に行った方が魔石収入がいいと聞いてやす」


 そこまで聞いてレドウが歩みを止めた。急に止まったためシルフィがレドウの背中に鼻をぶつける。


「急に止まらないでよ。危ないじゃない」

「わりぃな。シルフィ」


 レドウは振り向いてT字路で立ち止まっているアルフに声をかける。


「後輩に『美味しい狩場を教えたくない』から、先駆者が嘘を教えている。と、なぜ考えねぇ?」

「……あ、いや、信頼できる先輩で……」

「でも商売敵だろうよ?」


 アルフが固まる。


「どちらにしてもだ。アルフ、お前が何を提言したところで、俺が行こうと判断した方にしか俺たちは向かわねぇ。それにお前は俺たちについてくることにしたのは何故だ。奥まで行ける腕を持っていると考えたからだろう?商人とは言ってもお前ももとは冒険者。情報のない方にロマンがあると考えねぇのか?」

「……よし、あっしも商人だ!腹くくった。あんたらについて行くと決めたんだ」


 レドウがにやりとする。


「それでいい。一つ教えてやる」

「?」

「お前、これまでここに到達することが出来なくて助かったな。俺の持っている地図によると、この先の右の道をずっと進んだ先にデストラップがあると書いてあるぞ」

「え?!」

「まぁ次の区画からは魔物の強さも段違いになるらしい。ほとんどの冒険者はここか、ちょっと進んだ先までしか魔物に阻まれて行けねぇんだろう。だが、もしトラップを見抜ける優秀な探索者がいないままトラップを踏み抜いたら……。お前はいまここにいない。ということだ」

「私は最初からレドウを信じてるからね!」

「私たちは一流の探索者として名を馳せているジラール殿の地図を持っているんです。間違えようがないです」

「……本当に規格外の連中だったんか……」


 T字路を左に折れ、第三区画に足を踏み入れたレドウたちを襲ったのはこれまでと比較にならない大きさの蝙蝠型の魔物だった。蜥蜴(リザード)たちも先ほどより一回り以上大きな固体が襲い掛かってくる。

 

「アイリス!下の大蜥蜴(ビッグリザード)を任せた!シルフィは魔法で吸血蝙蝠(ビッグバンパイア)を牽制!」

「レドウは?!」

「俺か?俺はだな……」


 ここでジラールから買い取り、ラウルに手入れしてもらった聖銀(ミスリル)の大剣を構えた。


「……試し斬りだ」


 アイリスはぐっと腰を落として盾を構えた。

 後ろから恐らくシルフィが上空の吸血蝙蝠(ビッグバンパイア)に対して炎を使ってくる。その時に自分が邪魔になってはいけない。

 レドウさんは『試し斬り』と言ってる以上、タクトではなく剣で遊撃するはずだ。となれば私の役割は……。


(体勢を低くし、足元の大蜥蜴(ビッグリザード)を決して背後に行かせないこと。これですね。でしたら……)


 目前に迫っている2体の大蜥蜴(ビッグリザード)のうち向かって左の個体の視野を盾で遮り、右の個体に剣を突き入れる。

 すぐに剣を引き抜くと、動きのとまった大蜥蜴(ビッグリザード)の首を刎ねる。

 今度は先ほど視界を遮った個体の足元を剣で払い、機動力を奪うと盾で思い切り殴りつけた。


『グガッ!』


 手前にいた2体の大蜥蜴(ビッグリザード)は絶命した。とその時背後から巨大な火球が飛んでいき、頭上の3匹の吸血蝙蝠(ビッグバンパイア)を捉えた。

 それを確認したアイリスは立ち位置を前に進め、さらに迫る大蜥蜴(ビッグリザード)に対峙する。

 だが、大蜥蜴(ビッグリザード)が予想外の動きを見せる。

 前の2体を踏み台にして飛びかかってきたのだ。


(しまった!)


 アイリスは身をかがめ、盾で受ける準備をする。

 が、その攻撃がアイリスに届くことはなかった。


 レドウの剣撃が飛びかかった大蜥蜴(ビッグリザード)を2体まとめて真っ二つにしていたからだ。


(リュートは対人戦に拘りますがこの多対一の戦闘力。これこそが真の生き抜く力。死地で最大の武器になります。レドウさんにはそれがある……)


 自分はまだまだだと思いながら、次の攻撃に備えた。


 シルフィは先日の誕生日プレゼントで父からもらったトリプルタクトを構えた。

 もともと得意としていた火、水に加え光をセットし、制御石にはLv3……つまりレドウの仮タクトと同じものをセットしている。

 レドウが仮タクトを使っている限り、センスさえあれば同等の破壊力を生み出すことが可能なはずである。


(私だってやれる!)


 タクトを振りかざし、魔元素の流れを意識する。


「ファイアボール!」


 その瞬間、火の元素石から溢れ出す大量の魔元素が空中に放出した。

 北の遺跡で放ったものより数段大きい火球(ファイアボール)が、アイリスの頭上の吸血蝙蝠(ビッグバンパイア)3匹を巻き込んで燃え上がる。


(いけるわ。この威力!)


 今度は新しく設置した光の元素石からの流れをイメージする。


「シャイニングアロー!」


 シルフィがタクトを振ると、今度は無数の光輝く矢が吸血蝙蝠(ビッグバンパイア)を強襲した。

 しかも一発当たれば吸血蝙蝠(ビッグバンパイア)1匹を倒せる威力だったのだ。


「……嘘だろ?光の攻撃魔法になんでこんな威力があんのよ」


 同じく光の魔晶石で魔法を操るアレフ(今は光魔法(ライト)に徹している)が驚嘆していた。


(これは……パーティの魔法使いの座、レドウから私が引き継げるわね)


 ひそかな野望を燃やすシルフィだった。


日本!W杯決勝トーナメント進出おめでとうございます!

出られたことは嬉しいです。ただ、やはり昨日のポーランド戦は物議を醸しますよね。

ブーイングに負けず「冷静に判断した。」ことは評価できると思いますが、応援する側としては、見ていてわくわくするような試合を見せて欲しいと願って止みません。

ともあれ、次は決勝トーナメント。相手はなんとベルギー!今回の優勝候補レベルじゃないですか。

勝ち負けはともかく、悔いの残らない全力のプレーを楽しみにしております。


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