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たぬきとどくだみ

作者: 葵陽

※本作はフィクションです。作り話です。

「恭子はお見合い結婚したそうです。」「さて、一番年上は何歳でしょう。」「ブーケトスもそんな感じ。」「いっしょに食事をするだけの簡単なお仕事です。」「マグロ係」「七つまでは神のうち」「店長、シフト変更してください。」の続きです。


タヌキは、やっぱりうどん。

神様は、精神安定剤のようなものだ

ただ、神様が見守ってくれていると思うだけで

心がおだやかで安らかになるヒトも、いる





(あらた)は喫茶のカウンター越しに改めて、有馬初乃を観察している。比類なき美少女という印象だが好みか否かと問われれば、否とするだろう。言うなれば「綺麗すぎる」のだ。高嶺の華、と表現すれば解りやすいと思うが。



新がよく注視すると、初乃の足元にちょろちょろと二匹、肩付近には一匹狸が存在している。肩と足元の一匹は四足歩行、もう一匹はほぼほぼ二足歩行で歩いているが山で見かける狸とさほど差異はない。

無論、彼女はそんな狸の存在に気づいてはいない。彼女どころか彼女の目の前に座る喜瀬川(きせがわ) 公房(きみふさ)も、喫茶店の他の客も気づいていないだろう。


その狸たちは謂わば、幽霊のようなものだ。幽霊、というよりは使い魔や式神の類いだろうか。


狸たちは彼女を見守るように、周りをウロウロしている。おそらくは彼女の近親に(かんなぎ)、もしくは陰陽道に通じた人がいて守護の為に憑けたのだと解釈する。悪意のある感じではない、色で言うなら黄色や赤色といった暖色系だ。呪いのこもった霊は、もっと禍々しくどす黒い気配がする。

霊体ゆえに獣臭くはないが、視界の端に動物がウロウロしているのは少し目障りでもある。





「改めて紹介します、彼は」

「ささにしき(ここ)でアルバイトしてます、夏目(なつめ) (あらた)と申します。

以後お見知りおきと御贔屓のほどを、お嬢さん。」


公房が紹介するのを待たずして新は名乗る。

バイトのシフトが終わり帰り支度をし始めた頃、スタッフルームに二人が押し掛けてきたのだ。

現時点でスタッフルームには新しかいなかったので幸いであった。押し掛けてきたといっても初乃は雇われという立場上、公房に連れてこられたというのが真実である。



「有馬初乃と申します。く、公房(きみふさ)さまのお屋敷で家事のお手伝いをしております。」

そういうと彼女はペコと、お辞儀をする。

その瞬間、肩にいた狸がバランスを崩して床に落ちた。


新は一瞬笑いそうになったが、なんとか堪えることが出来た。ここで笑えば、狸が見えない二人に怪訝な目で見られることだろう。



「ワタシの友人ということで、初乃さんに紹介をしようと思いまして。」

週に二度ほどしか外出をしないくぼうさまは、一体何処に行っていたのかと思っていた初乃は、なるほどと思う。




「祖父の他にも、ご友人がいらしたのですね。」


「案外毒舌だな、お嬢さん。」


新の言葉を聴き、はっとなって初乃は咄嗟に口を押さえた。

定期更新、11作目です。

なんとか、あげることができましたが

巧拙が気になります。


お読みいただけたなら幸いと存じます。

いつもお読みいただいている方がおられましたら、御礼申し上げます。

ありがとうございます。

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