日常の転校生
僕の名前は川本信言。中2だ。僕はいつも通りに家を出る、
いつも通りに歩き始める、いつも通りに電車に乗り、いつも通りに登校し、
教室で本を読んでいる。
そして、誰も僕に話しかけることはない。
なぜなら、この教室にいる先生を含め全員は“僕を恐れている„からだ。
何も知らない他校の生徒なら僕を不良か何かと勘違いするだろう。
ただの中学二年生に怯えるというのは、それほど、特別な事なのだ。
キーンコーンカーンコーン
チャイムと同時にホームルームが始まる。
出席をとるとき、僕は名前を呼ばれるが当然、返事はしない。
「はい」という返事一言でこの教室は悲鳴に包まれるだろう。
僕は···“言霊使い„と呼ばれている。
それは小学六年生のとき、口喧嘩でクラスメイトを自殺へと追い込んでしまったのが原因だ。
それ以来、僕は、「アイツは口にした事を全て現実にできる」といわれ、
言霊使いとしていじめられ、引っ越した。
最初は東京に住んでいた。それから静岡、三重、京都へ移り、今は岡山で暮らしている。
それでも噂はどこからともなく広まり、今では学校中で馬鹿の一つ覚えのように
言霊使いと噂している。
ホームルームが終わると体育館へ移動した。
毎週月曜日は朝礼の日だ。
「転校生だって!!可愛いらしいぜ!!」
周囲からそんな声が聞こえた。
そして、その少女は現れた。
「秋野真信です。よろしくお願いします。」
丁寧な挨拶のあとに校長の声が聞こえる。
「え~秋野さんは今日から4組の生徒になります。」
·······マジか···ウチのクラスかよ···。
だが、その時の僕は知らなかった。彼女が僕の人生の中で重要人物になるなんて·······
ちょっと自信がないのですが、「言霊使い」投稿させていただきました。
誤字・脱字、表現の間違いなど指摘していただけると幸いです。