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ぐだぐだエッセイ集

チャンポンが食べたい!

 チャンポンが食べたい。

 それも、長崎チャンポンではなく、福岡・佐賀方面のチャンポンを!


 でも、もしそんな事を書いてしまったら、長崎県人や長崎チャンポンファンから、怒りの雷を食らう事に成るかも知れないと、二の足を踏んではいたのだ。

 私は何を隠そう、天下ごめんなさいの小心者だ。


 けれど、考えてみれば私の作品は、投稿直後に20人ぐらいの不運な読者様に地雷を踏んでもらった後は、そのまま電子情報の腐海の底に沈んでしまうモノばかりだから、長崎県人や長崎チャンポンファンの目に留まるリスクは、限りなく小さい。


 念のためにキーワード「チャンポン」で検索を掛けてみても、膨大ななろう作品群の中で該当作品は4編。

 しかも内二つは「物事をごちゃ混ぜにする」という意味での「ちゃんぽん」という言葉の使用であったので、麺料理としてのチャンポンは、ほとんど注意を払われていない事が分かる。


 これならば、長崎チャンポンに手袋を投げつけても、向こうは決闘を申し込まれた事さえ気付かずに、上手く逃げおおす事が出来るだろうと深謀熟慮を重ねた結果、「福岡・佐賀チャンポン上げ、長崎チャンポン下げ」作戦を決行することにした。


 電子ゴミのジャングルで暗躍する都市ゲリラ。底辺以下の底棲プランクトン作家にしか実行出来ない荒業と言える。


 それでは、長崎チャンポンと福岡・佐賀チャンポン(面倒くさいので以下福佐チャンポンと表記)の違いを述べよう。

 ただ私は、高価な熟成刺身を食しても、見切り品に旨味調味料を振りかけたような味、と感じてしまうような馬鹿舌の持ち主だから、話半分に聞いてもらいたい。


 具材は、キャベツをメインにモヤシ・ニンジンなどの大量の野菜と、イカ・アサリ・小エビなどの魚介類、カマボコ・チクワなどの練り物に豚肉、と両チャンポンとも大差無い。

 それをガーッと中華鍋で炒めるわけだ。

 そしてスープを注ぐ。


 違いはスープの味付けだ。

 長崎チャンポンが、野菜の甘味を引き出したスープなのに対して、福佐チャンポンはガツンと塩味の効いたスープになっている。


 麺? 麺なんて飾りですぜ! 偉い人には、それが分からんのです!

 チャンポンは、スープで野菜を食う料理なのだ。(いや、異論は認めますよ。)


 長崎の料理は、南蛮貿易で砂糖の入手が容易であった事から、概して甘い。

 甘い料理が高級とされた事により、ちらし寿司や煮物などにもガッポリと砂糖を使う。

 長崎街道は昔、別名「砂糖街道」と呼ばれたことも有ったようだ。

 その伝統が残っているためか、スープに砂糖を入れはしないが、甘めの仕上がりだ。


 対して福佐チャンポンは、当初はオリジナルの長崎チャンポン同様の甘めのスープだったが、炭鉱や官営八幡製鉄所などの、大量に汗をかく労働者の要求に応えて塩辛いスープに変貌して行った。

 それでも身体の欲する塩分に足りないという人は、麺の上に山盛りになっている野菜部分にウスターソースをかけた。

 それが伝統となって炭鉱が無くなった今でも、福岡県や佐賀県のチャンポンを出す店では、カウンターやテーブルに、ウスターソースがででんと置いてある。

 初めてだと、何でソースが置いてあるのだろう? と不思議に感じるかもしれないが、そういう事だ。


 そこでだね、キミ! 甘味の強い新鮮野菜の油炒めをバリバリ食べようと思ったら、スープは甘い方が美味いか、それとも塩辛い方が美味く感じるか?

 当然、塩辛い方がコントラストがくっきりして、美味しいだろう!

 ……いや、美味しいんじゃないかなぁ、と私は思うよ。たぶん。


 だから、長崎に旅行して本場でチャンポンを食べたけれど「?」だった人は、福岡や佐賀のテーブルにウスターソースが置いてある店で、もう一度チャレンジしてみて欲しい。

 「!」となる事、請け合いだ。

 逆に長崎で「Eureka!」と感動した人だと、「来た。食った。しょっぱい!」と思うかもしれないけれど。


 そう言えば、先ほど「チャンポンはスープで野菜を食う料理だ」と書いたが、ドイツでは日本のラーメンがブームになりつつあるが、スープだけ楽しんで麺を残す人が結構いるのだと。

 出典は申し訳ないが忘却してしまった。検索すれば簡単に出て来るのだろうが、面倒くさい。

 これは店側が「ワンタン」か「麺抜き」をメニューに加えれば直ぐに解決するような気がするのだが、もったいないぞドイツ人!

 ジャガイモ以外にも、美味しい炭水化物がある事を思い知れぃ!


 と、長崎県人に引き続き、勢いでドイツ人にまで喧嘩を売ってしまった。

 どうせ読まれる事は無いわけだから、底辺無双状態ですな。わはは。

 まあ、何ですな。自分で「麺なんか飾りですぜ」と書いておきながら、手のひら返しでドイツ人のラーメンの食べ方に難癖を付けてるのは、ちょっとどうかと思うけれど、私はチャンポンでもラーメンでも、麺まで余さず食べていますよ?

 ラーメンなんか、替え玉までする始末だ。


 どうせだから、博多ラーメンと「博多チャンポン」にも喧嘩を売っておこう。


 先ずは博多ラーメンの方。

 近頃、脂多過ぎ。

 昔の博多ラーメンのコテコテ・ギトギトは、豚骨を煮込むことによって出るコラーゲン由来の物だった。

 決してスープ表面に脂の厚い皮膜が浮かぶ様な事は無かった。

 それが今や、背脂べっとり方式の逆輸入で、ヘルシーさ皆無の油脂ラーメンを出す店が多くなってしまった。

 コラーゲンラーメンを食べようと思ったら、「昔ラーメン」という別メニューを注文するか、「脂抜き」という指示を出す必要がある店が多いのは、非常に残念無念。悲憤慷慨やるかたない。

 昔、筑波で博多ラーメンのメニューを見つけ、欣喜雀躍して注文したら、ラーメンの上に辛子明太子を丸々一本乗せて出されて絶句したのと通じるものが有る。

 コラーゲンで思い出したから、ついでにどうでもいい事を追記しておくと、「コラーゲン食べたから、肌がスベスベ」というのは、「?」な認識だ。

 腸壁を通過するためには、タンパク質はアミノ酸か、ごく小さいペプチドレベルにまで分解されていなければならない。でっかい分子のままのコラーゲンだと吸収は不可能なのよ。


 それよりも問題なのが「博多チャンポン」だ。

 博多の街のチャンポンは、長崎チャンポンとは味が違う、そう主張したい気持ちは重々解る。

 しかし、だ。

 博多の街で「博多チャンポン」と言ったら、本来なら筥崎さんのご縁日である放生会の縁起物のガラス細工の事ではないか!

 福岡県人以外の人に説明しておくと、所謂「びーどろ」の事ですな。

 喜多川歌麿の「ビードロを吹く娘」が咥えている、丸底フラスコみたいなヤツだ。吹くと、ぺこぺん、と人を小馬鹿にしたような音を出す鳴り物だ。

 だから、壁に貼り付けておくメニューには、「ちゃんぽん」と、ただそれだけで良い。

 だいたいわざわざ「博多チャ


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「番組の途中ですが、臨時ニュースをお送り致します。

 EU離脱を巡って、イギリスで行われていた国民投票は、離脱派が残留派を上回り、イギリスのEU離脱が確定しました。

 なお、この結果を受けて、キャメロン首相は辞任の意向を明らかにしました。


 2016年6月24日 記念カキコ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 何だ? 今のは……。

 しかし、伊勢志摩サミットの時に、日本が「リーマン・ショック並みの事態が起こる可能性が」とか言っていた時に、

 「んなこたぁ無い!」

と鼻で笑っていたEUやら経済紙やら、どうする心算なんだろう?

 ポンド安になるから、イギリスの工業はもつかもしれないが、シティはヤバいかも分からんね。

 マクロで見ると、ムスリムの難民輸出圧力によって、ヨーロッパ社会が圧潰した形だな。

 EUは域内引き締め強化のために、イギリスに対しては強く当たらないといけないだろうから、イギリスはアメリカもしくは中国との連携強化に動かざるを得まい。

 メルケル第四帝国の明日はどっちだ?


 いやいや、長崎チャンポンに対する宣戦布告なぞに、かまけている場合ではなくなってしまったようだ。

 唐突だが、これにて失敬!





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― 新着の感想 ―
[一言] 軽く楽しいエッセイを探してうろつく、通りすがりの者です。 かつて九州(長崎ではないので、ご安心を)にいたのですが、本州に移住してからは美味しいちゃんぽんに出会えていないので、こちらのエッセイ…
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