マナイタ・マジカル ~七夕の奇跡~
わたしは、板田 愛奈といい、アニメ好きで魔法少女の高校生です。
今日は学校から帰り、机に向かい、
「フンフンフ~ン♪」
お願い事を考えています。なぜかというと・・・
今日は七夕だからです!
「愛奈…こんな朝からなにしてるの?」
「あ、コールちゃん!コールちゃんも一緒にお願い事考えてみようよ!」
この子はコールちゃん。わたしが魔法少女ってからいつも一緒にいる妖精さんみたいなもの。ケータイの姿も持っています。
ところがコールちゃんはあまり乗り気のようではなく、ため息をつきながら、
「なんで突然…」
そうか!コールちゃんは七夕を知らないんだ!
「こほん…今日は七夕って言って、お願い事をすると願いがかなうって日だよ!」
「へ~…で、具体的にどんなことをするの?」
「え~と…確か…笹にお願い事を書いた短冊を吊るすような…」
と、言いながらふと、頭の中に本当に笹なのか…という疑問が浮かびました。
すると、コールちゃんが、
「じゃあ笹を取ってこなきゃね」
と、出かけようとしています!間違ってたらアレなので、
「ちょっ!ちょっと待って!竹かもしれない…」
「なら、竹ね?行ってきます」
「いや…笹かも…?」
「もう!どっち!?」
正直わかりません!なので、仕方なく、
「…コールちゃん、調べて」
「しょうがないわね…」
後程、笹は竹とほとんど同じということがわかりました。
そして、コールちゃんもお願い事を考え始めました。
「う~ん…ねぇ、コールちゃん…決まった?」
「全然…」
「昔は魔法少女になりたいとか、胸が大きくなりますようにとかばっかりだったけど、もう叶っちゃったしな~…」
なぜか、コールちゃんは私の胸を見つつ、不機嫌そうです。
「…むぅ」
「魔法少女になったんだからそれ関係のほうがいいかな?」
「だったら、力を望む?」
そんな言葉を聞き、わたしはふと、これは闇に染まる未来しか見えず即却下しました。
その後、わたしはゲーム、グッズ、ライブなど欲しかないようなもの、コールちゃんは防水機能、充電長持ちなど実用的だけど…夢がないようなものを候補に挙げました。
「う~ん…なかなかいい案が出ないね…」
「そうね…」
すると、話を変えるようにコールちゃんが、
「そういえば愛奈、あなたって毎年こうやって考えてたの?」
「ううん…わたし、話し相手って基本いなかったから…」
「そう…気にしてたらごめんね…」
「いいよいいよ!実質今はもう一人じゃないし!」
あ!ひらめきました!願い事、決まりました!
「コールちゃん!わたしは決まったよ!願いごと!」
「奇遇ね、私も今決まったところ」
「それじゃあ今から短冊結びに行こう!」
私たちの住む町は、二つの山に挟まれているような地形で、自然は豊富です。もちろん片方の山には竹林が存在しています。
ですが、外はもう夕日が沈みかけています。
「愛奈、暗いけど大丈夫?」
「大丈夫大丈夫!この町なら昔から住んでるから迷うこともないよ!」
そうして、わたしたちは、家を飛び出して行きました。短冊を二枚握りしめて。
「うわぁ…もう真っ暗だね…」
「そうね、愛奈、迷わないよね?」
「大丈夫!二人だから暗闇でも怖くない!」
といっても、もうほとんど夜だから街灯でぎりぎり見えるくらいなんですけどね。
「えっと確か、こっちだったような…」
暗いので普段より距離が長く感じます。
すると、突然
ーーポツ…
ーーポツ…ポツ…
「あ、雨。梅雨だからね…」
すると、コールちゃんはとても焦った様子で、
「え…私、水ダメなんだけど!?」
「そうだね、じゃあささっと結びに行こうか!すぐ行けば間に合うよ!」
「ほんとに大丈夫?」
「大丈夫大丈夫!」
そうして、わたしは駆けて行きました!
甘かった。最近は豪雨って本当にいつ来るかわからないんですね…よりによって全身ずぶ濡れになるような勢いでした。
しかも、道には迷うし…コールちゃんはケータイの体を持つので雨に弱いので焦りすぎたようです…
ですが、幸運なことになんとか雨宿りできる場所を見つけました。
「コ、コールちゃん?大丈夫?」
「…うぅ」
わたしのせいだ…暗闇の中、無理やり短冊を結びに行くって言って…
「ごめんね…コールちゃん…わたしのせいで…」
涙が溢れて止まりません。大切な、本当に大切な唯一の友達を失ってしまうかもしれないからです。
「わたしね…お願いごとは『いつまでもコールちゃんと一緒にいたい』って願ったんだよ。雨だったら天の川が見れないから願い事が叶わないのかなぁ…」
「…奇遇ね…私も愛奈といたいって願った…」
「ありがとう、コールちゃん…これからも一緒にいれるよね?」
と、聞いたところ、望まない答えが帰ってきました。
「私ね、愛奈と会えて嬉しかった…あなたなら学校でも、うまくやっていける…」
「コールちゃん!そんなこと言わないでッ!」
「大丈夫…私はいつでも…あなたを…見守って…る……」
「コールちゃん…コールちゃぁぁぁぁん!」
「………」
返事かありません…
わたしのせいだ。また、独りに戻っちゃったな…
「うぅ…コールちゃん…戻ってきてよ…」
「……」
気づいたら雨も止み、天の川が広がっていました。
その時、天空を貫く一筋の光
「流れ星…」
コールちゃんと見れたらきっと、もっとよかったのにな…
その時!流れ星と共鳴するごとく、コールちゃんを抱いてる手のなかから一筋の光が一瞬光輝いた気がしました。
すると…
「……ん……愛奈……」
「コールちゃん…?コールちゃん!」
~奇跡が起きました~
なんと、一時は息を引き取りかけていたコールちゃんが蘇ったのです!
「愛奈…本当だね…」
「なにが?」
「願い事は…絶対叶うって…」
「うん!」
そうして、コールちゃんが回復するのをまち、わたしたちは歩き始めました。
「えっと…あれが夏の大三角で、ドネプ、ギガ、アンタインだったっけ?」
「へ~そうなのね」
「ごめん、やっぱり自信ないや~」
「…帰ったら調べようね」
「あ、でもでも、これはわかるよ!」
そして、わたしは織姫と彦星の話をしました。
「そんな話があるのね、まるで今日の私たちみたい」
「え?どうして?」
「だって、一度別れかけたけどまた会えた」
織姫と彦星は年に一度しか会えないんだけど…ということにはまぁ、突っ込まないでおきましょう。
「じゃあ、わたしが織姫だね!」
「いや、私、女の子」
「わたしだって女の子だよ!」
『ふふっ』
二人同時に笑ったのでさらに笑えてきました。
何だかんだ歩いていると、竹林に着きました。
「さてと…ってああああああああ!!!」
「ま、愛奈!?どうしたの?」
なんと、ポケットに入れていた短冊が、雨に濡れてぐしゃぐしゃになっていました。
「あちゃ~これじゃあ吊るせないや」
「まぁ、いいんじゃない?願い事、届いたみたいだし」
「そうだね、それじゃ、帰ろうか!」
「うん!」
そうしてわたしたちは家へ帰っていきました。帰りは月光が明るいと感じれるほど晴れていたので迷うなんてことはありませんでした。
わたしたちはこれからもずっと一緒にいたいです。 ~愛奈~
後程、コールちゃんが調べてくれた夏の大三角はベガ、デネブ、アルタイルと言う3つの星を繋いだものということがわかりました。
どうも、こんにちは!
今回のマナイタ・マジカルは本編ではなく、七夕編です!このような行事ごとは(ネタが浮かべば)書いていこうと思います。
え?本編はどうしたのかって?
…すみません…今頑張ってます、はい。
それでは、これからも、マナイタ・マジカルをよろしくお願いします!